Month: August 2014

親の病気で崩壊する家族と子どもの心理を静かにしっかりと描いた児童書『Nest』

著者:Esther Ehrlichハードカバー: 336ページ 出版社: Wendy Lamb BooksISBN-10: 0385386079発売日: 2014/9/9適正年齡:PG10(小学校4年生から中学生対象)難易度:中級レベル(Lexile Measure: 830L)ジャンル:児童書キーワード:家族関係、友情、成長、親の病気、子どもの心理 マサチューセッツ州のケープコッドに住んでいる11歳の少女Naomiは、家のすぐそばにある沼地を住処にする野鳥が大好きで、家族から「Chirp(鳥の鳴き声)」と呼ばれている。精神科医の父とダンサーの母、そして二つ年上の姉Rachelに囲まれてのんびりと育ったChirpの世界が、1972年の夏にすっかり変わってしまう。Chirpが大好きなダンサーの母親が、Multiple Sclerosis(多発性硬化症、MS)になり、深いうつに陥って病院に入院してしまったのだ。

美しい感動作になったThe Magicians三部作のフィナーレ The Magician’s Land

著者:Lev Grossman ハードカバー: 416ページ 出版社: Viking Adult ISBN-10: 0670015679 発売日: 2014/8/5適正年齡:PG15+(この完結編に関しては高校生からOK.最初の二部は成人向け)難易度:上級レベル(ファンタジーに慣れていない人には難解だと思う)ジャンル:ファンタジー(第一巻はホラーに入れたが、本作品に限ってはファンタジー)キーワード:魔法、魔術師、Narnia, The Lord of the…

児童虐待犠牲者の心の闘いと癒やしを語る青春ロマンス本

いま、Kindle Unlimited(読み放題)を試しているのですが、残念なことにPRに使われている目玉作品はもう殆ど読んでいます(『ジャンル別 洋書ベスト500』に入っている作品が沢山あります)。そこで、以前からよく目にするティーンや若い女性読者の間で人気がある作品を試してみることにしました。 驚いたのは、連続して読んだ次の作品(ひとつは読み切り、もうひとつは三部作)に多くの類似点があったことです。どちらにも親(親代わりの親族)から虐待(child abuse/neglect)を受けて育ったティーンが登場します。ひとりは男の子で、もう一人は女の子です。最初の作品は、その男の子を愛して突き放され傷つく女性主人公のストーリーで、後者は愛してくれる人を突き放し続ける女性主人公のストーリーです。そのうえ、どちらでも女性主人公が「走る」んです。私の処女小説でも女主人公が走りましたが、この感覚、なんだかすごくよくわかりました。 その二つの作品です。 1.Left Drowning