7万年の人類の歴史を1冊で読める Sapiens

著者:Yuval Noah Harari
ハードカバー: 464ページ
出版社: Harper
ISBN-10: 0062316095
発売日: 2015/2/10
適正年齢:PG12
難易度:上級レベル(ネイティブの普通レベル、日本人にはわかりやすいストレートな文章)
ジャンル:ノンフィクション(科学)
キーワード:ホモ・サピエンス、人類学、進化論、社会科学、自然科学

本書Sapiensを簡単に説明すると、「ホモ・サピエンスが地球上に登場した7万年前から現在の人類、そして未来の展望までを1冊に総括した本」という感じだろうか。

でも、それではあまりにも壮大すぎて、手に取る気になれないだろう。

そもそも、なぜほかの人類(Homo neanderthalensis、Homo erectus、Homo soloensisなど)ではなく、ホモ・サピエンスが生き延び、現代人にまで発展したのかという説にはいろいろある。それから現在までの人類の歴史についてもそうだ。それをいちいち説いていたら、1冊にまとめることなんかできない。

ところが、Harariは、そんなことはしない。
混在する多くの説をバッサバッサと切り捨て、深い知識に基づいた明瞭な言葉でホモ・サピエンスのめくるめくストーリーを語る。
ほかの動物に比べて特に優れていたわけでもないホモ・サピエンスが今の繁栄を得られたのは、架空のストーリーを作る力だという部分で、Harariにすっかり説得されてしまう。

生物学的な部分だけでなく、歴史でも、原爆に関する観点など詳細では同感できないところもある。けれども、自分がこれまで蓄えた情報のドットが繋がって二次元になり、三次元になっていく感じに心が踊る。ともかく、読んでいて面白い。

Harariの説をそのまま鵜呑みにする必要はないが、こんなに楽しく人類の総論を読める本は他にないだろう。

中高生のときに暗記が多い歴史が嫌いだった私に、タイムマシンで戻ってこの本を与えてやりたくなった。

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