ライトノベル的なYAスペースオペラ Starflight

作者:Melissa Landers(Alienated三部作の作者)
ハードカバー: 368ページ
出版社: Disney-Hyperion
ISBN-10: 9781484723241
ISBN-13: 978-1484723241
ASIN: 1484723244
発売日: 2016/2/2
適正年齢:PG15(マイルドな性的コンテンツ)
難易度:中級(慣れない単語はあると思うが、文章そのものはシンプル)
ジャンル:ヤングアダルト(YA)/SF(スペースオペラ)
キーワード:スペースオペラ、宇宙船、ロマンス、陰謀

両親に捨てられてカトリックの尼僧のチャリティ施設で育ったSolara(ソララ)は、高校で最も優秀な生徒だった。けれども、ある過ちで有罪判決を受け、手の指関節のところに犯罪者の入れ墨を入れられてしまう。優秀なエンジニアだが地球では飢える将来しかない。そこでソララはアルバイトで貯めた金をすべて費やして宇宙の果の未開の惑星の土地の権利を買い、新たな人生に挑戦する決意をした。

だが、問題はそこへの旅費がないことだ。金持ちのお手伝いとして雇ってもらえば旅費を出してもらえるので、ソララは宇宙船の出港地で雇用者を探す。しかし、誰からも無視され、最後に使用人に雇うことを申し出たのが、高校時代に自分を徹底的にいじめた人気者のDoran(ドーラン)だった。ドーランはフットボールのクォーターバックだっただけでなく、地球で大きな権力を持つ燃料会社の社長の息子でもあった。

モデルのようなガールフレンド同伴である惑星に出張するドーランは、ソララを奴隷のようにこき使い、眠れないように夜中にわざと呼び出したりして機会があるごとにいじめる。そのうえ、休憩地点の惑星でソララが手袋で隠していた入れ墨を見つけたドーランは、無法地帯のその惑星にソララを置き去りにしようとした。そこに残されたら売春するほかには生きる術はないというのに、ドーランはチケット代も渡そうとしない。憤ったソララは、緊急事態用に持参していた神経毒素の武器を使ってドーランの意識を一時的に失わせ、彼の貯金からチケット代をひきおろした。

これまで乗っていた宇宙船に続けて乗ることは不可能なので、ソララは武器の後遺症で記憶を失ったドーランに自分の召使いだと思い込ませ、オンボロの宇宙船「バンシー」のチケットを買って旅を続けた。

ドーランは間もなく記憶を取り戻すが、自分と父親が違法の化学燃料を取引していた罪で訴えられていることを知る。父親はすでに逮捕されているが、ドーランは逃亡者として追われる立場になっていた。オンボロ宇宙船の乗組員たちもそれぞれに過去と秘密があるようだ。そのうちに、宇宙船「バンシー」は謎の相手から攻撃されるようになる。バンシーは、すべての謎を握る「惑星X」に向かう……。

Melissa Landersは、特にティーンの女性読者に人気があったYAジャンルのSF「Alienated」三部作の作者である。AlienatedもSFというよりもSFのシチュエーションでの青春ロマンス小説という感じで、その点ではYAファンタジーと読者層が重なる。

このStarflightも後半でロマンス要素が出てくるが、どちらかというと宇宙船の風変わりな仲間とやり取りしたり、『オーシャンズ11』のようなクライム・アクションがあったり、カリブ海の海賊船のような戦いシーンがあったり、といった軽い冒険アクションものだ。いずれも深いものではないが、主要人物2人の間の「憎しみ」が仲間意識や信頼に変わっていくところなど全体的に心温まる楽観的な小説だ。SF小説として読むと、物足りなさを感じるけれど、ライトノベル的なスペースオペラと捉えれば十分楽しめるだろう。

 

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