やる気なし教師と問題児を集めた学級の反乱。中学生対象の笑える児童書 The Unteachables

ハードカバー: 288ページ
出版社: Balzer + Bray
ISBN-10: 0062563882
ISBN-13: 978-0062563880
発売日: 2019/1/8
適正年齢:9-12(小学校高学年から中学生)
難易度:初級〜中級(高校英語で十分理解できる)
ジャンル:児童書(9-12)
キーワード/テーマ:学校、underdog、友情、協働

グリニッジ中学校には、通称「unteachables(教育不可能な者たち)」という問題児を集めたクラスがある。その担任のミスター・カーミット(セサミストリートの有名なカエルと同じ名前)は、かつては情熱的な若き教師だったのだが、ある事件をきっかけにまったくやる気がない「お荷物教師」に成り果てていた。あと1年無事に過ごしたら、早期退職で退職金と年金が得られる。それだけがカーミット先生の楽しみだった。

14歳のキアラは、母が仕事で長期に留守をするため、母とは離婚している父と一緒に2ヶ月ほど住むことになった。だが、父も父の再婚相手も忙しくてキアラの転校手続きをちゃんとしてくれない。どうせ短期間なので、キアラは幽霊生徒としてunteachablesが集まっているクラスの生徒になりきる。

教室の中で焚き火でマシュマロをトーストしているような生徒が集まった、どうしようもないクラスだが、キアラが加わった刺激で、だんだんチームワークを持ち始め、問題を起こしつつも、カーミット先生を昔のように先生らしい先生にしていく……。

大人が読んだら、設定や登場人物の行動に眉をひそめるかもしれない。
だが、これは小学校高学年から中学生を対象にした児童書である。その対象、特に男子生徒にとってはあ、純粋に「読んで楽しい」児童書だと思う。また、周囲から馬鹿にされ、無視されているアンダードッグのunteachablesと担任教師が仲間として何かをやり遂げようとするところから、「公平さ」や「正義感」というものも読み取ることだろう。

子供にとって読書が面白くなければ続かない。面白ければ、親が勧めなくても読むようになる。そういう意味で、なかなか良い児童書である。

渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 多くの職を体験し、東京で外資系医療用装具会社勤務後、香港を経て1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 100 reviewer.

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中