自主的隔離のアメリカで心の平和を保たせてくれる読書法

出版記念イベントのために計画していた帰国を中止してからまだ1カ月経っていない。
だが、この間に新型コロナウィルス(COVID-19)の状況は想像できなかったほど変わった。

トランプ大統領は最初のうちは「インフルエンザのようなもの」とか「民主党が大げさに煽って政治に利用している」といった陰謀説を広めていたが、株が大暴落し、ようやく焦りが出てきたようだ。

中央政府に対応を期待できないので、いくつかの州は州レベルで緊急事態宣言を出しており、大都市のロサンゼルスやサンフランシスコがあるカリフォルニア州、マンハッタンがあるニューヨーク州、シカゴがあるイリノイ州などは緊急の要件以外では外出を禁じる命令が出て、「ロックダウン」の状態になっている。

私が住んでいるマサチューセッツ州ではロックダウンまで厳しくないが、学校はすべて閉鎖で、レストランやバーも閉じる命令が出ている(テイクアウトは別)。

その間にも、3月19日に国務省が突然渡航勧告をレベル4に引き上げ、すべての海外渡航の中止を発表した。第二次世界大戦当時のことは知らないが、それ以降初めてのことではないかと思う。

知り合いや別の家に住む家族とも会わず、人との間の距離を保つ「ソーシャル・ディスタンス」を守っていると心が沈みがちだ。

そこで、気を滅入らせないような工夫もしなければならないと思っている。

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零下10℃くらいの森でも、オーディオブックの内容に気を取られていると寒くない

幸いなことに、ロックダウンの州でもソーシャル・ディスタンスさえ守れば、屋外でウォーキングやジョギングすることは許されている。

さらに幸いなことに、私の近所には早朝ジョギングによく行く森がある。数年前から膝を守るために(1時間〜3時間の)長距離ウォーキングを取り入れているのだが、そのときに一石二鳥なのがオーディオブックだ。

でも、オーディオブックに気を取られていると、たまに背後からマウンテンバイクの人が来てお互いびっくり仰天になることがある。使いすぎると、耳が痛くなることもある。

そこで、気になっていた「骨伝導ワイヤレスヘッドフォン」を初めて使ってみた。

その感想は、「なぜもっと早くこれを使っていなかったのか!」という後悔だった。

IMG_6861安くはないから悩んでいたのだが、ワイヤがあるイヤホンで掃除や料理をしていると色々なところにひかかるので、すぐに壊れる。30ドルのイヤフォンを1年で5セットほど無駄にしてきたことを考えたら、決して高くはない。

それにこれまで買ったワイヤレスイヤホンは途切れることが多かったのだが、AfterShokzのは途切れない。

 

何よりもいいのが、雪が降る音や、小鳥のさえずりも聞こえるし、後ろからやってくる自転車も聞こえることだ。それなのにオーディオブックの音もちゃんと頭の中で聞こえている。

夫と娘が去年から計画してくれていたおおがかりな私の「60歳大台誕生パーティ」はCOVID-19のおかげでキャンセルになったが、自分を喜ばせるプレゼントを買ったし、義妹たちから信じられないほど大きなフラワーアレンジメントを送ってもらったし、娘夫婦も招いてお祝いできたし、この不安な状況の中でも幸せを味わえることに感謝している。

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