作者:Vanessa Len
シリーズ名:Monster(三部作)
Publisher : HarperTeen
刊行日:February 22, 2022
Hardcover : 416 pages
ISBN-10 : 0063024640
ISBN-13 : 978-0063024649
対象年齢:YA(PG12、性的表現レベル:1)
読みやすさ:6
ジャンル:YAファンタジー
キーワード:テーマ:タイムトラベル、モンスター、パラノーマル、英雄伝説、ロマンス
16歳のJoanは、父が母国に里帰りしている夏休みの間にロンドンに住んでいる母方の家族と一緒に暮らすことになる。エキセントリックな家族と暮らしながら、歴史的建造物のHolland Houeで働くのは楽しかった。特にHolland Houseでの同僚の少年Nickと仲良くなり、初めてのデートに行くのを楽しみにしていた。
ところが、デートの日に思いがけない事件が起こり、Joanは自分がモンスターの家系だということを知る。このモンスターは、人々から生命の時間を盗むことでタイムトラベルができるのだ。
それだけでもショックだったが、人間とモンスターのハーフだということで、モンスターの貴族的な家族から殺されそうになり、しかも恋をしていたNickがモンスターを退治する伝説の英雄だということを知る……。
ここまでの説明だと、つまらないYAファンタジーを想像されることだろう。私も最初はそう思っていたのだが、読み続けると、だんだん予想を裏切る展開になっていくのである。英雄としてのNickはかなりつまらない存在なのだが、その「つまらなさ」にも原因があることがわかってくる。そして、気が優しくてナイーブな(あまり面白みがない印象だった)ヒロインのJoanが、いろんな時間を旅していくうちにタフなバッドアスのヒロインに変身していくところも面白い。
エンディングの部分には特に驚かされた。
三部作ということで、久々に続きが楽しみになったYAファンタジーである。