作者:Ellery Lloyd(夫婦の合作ペンネーム)
Publisher : Harper
刊行日:March 1, 2022
Hardcover : 320 pages
ISBN-10 : 0062997424
ISBN-13 : 978-0062997425
対象年齢:一般(PG15)
読みやすさ:7
ジャンル:サスペンス
キーワード、テーマ:富、有名人、VIP会員クラブ、脅迫、復讐
The Home Groupが経営する会員クラブは、世界でトップクラスの俳優や監督、アーティストなどしか入会できない「超」VIP会員クラブである。世界中に豪華なクラブハウスがあり、イギリスの東海岸の島に新しい”Home”リゾートをオープンする準備が進んでいた。
このリゾートでの数日間にわたるオープンイベントに招かれるのは超VIPの中でも厳選された人々であり、それがステータスシンボルにもなっていた。
しかし、特別な客たちを待ち構えていたのは、豪華なイベントだけではなかった。”Home”のCEOのNedは、それぞれのメンバーについて、それが公になったら人生が破壊されるような秘密の証拠を持っていた。それをつきつけて、法外な会員費を払わせるというものだ。つまり、ブラックメール(脅迫)である。
カリスマ的な経営者のNedは、身近な人々からも恐れられ、憎まれていた。オープンイベントでの仮想パーティの混乱を利用して、彼を殺害する計画も立てられていたのだが、それを前にしてNedは姿を消した。そして、Nedが不在の間にいくつかの悲劇が起こる……。
この小説には、ハリウッドを追放されたハーヴィー・ワインスティーン、未成年の少女を(英国の某王子を含む)有名人に斡旋したジェフリー・エプスティーン、エプスティーンを手伝ったギレイン・マックスウェルを連想させる”リッチ&パワフル”らが登場する。彼らは、力がない人々を利用して、不要になったらゴミのように捨てても罪の意識などは持っていない。この小説は深い作品ではないが、そういった現代の「鬼」を退治する「鬼退治」のような復讐物語であり、リッチたちの滑稽さをあざ笑う気持ち良さがある。
リース・ウィザースプーンのブッククラブの推薦書のひとつなので、Netflixなどで映像化されそうな雰囲気たっぷりだ。