作者:Kelly Yang
Publisher : Simon & Schuster Books for Young Readers
刊行日:March 1, 2022
Hardcover : 368 pages
ISBN-10 : 1534488308
ISBN-13 : 978-1534488304
対象年齢:小学校高学年から中学生
読みやすさレベル:5
ジャンル:児童書/現代小説
テーマ、キーワード:新型コロナ、Covid-19、香港、アジア系差別、ADHD、家族の愛
10歳の少年Knox Wei-Evansは、中国系アメリカ人の母、白人のアメリカ人の父、そして優秀な兄と無邪気な妹と一緒に香港で暮らしていた。だが、中国での新型の感染症のニュースが伝わるようになり、安全のために母が子供3人を連れて故郷であるカリフォルニア州に一時的に住むことになった。
一家の稼ぎ頭だった母は仕事を失い、それに加えてADHD(注意欠陥多動症)があるKnoxは次々と問題を起こして母を悩ませる。仕事のために香港に残った父親は、これまで家事と育児のほとんどを引き受けてきた。喧嘩ばかりのきょうだいだったが、最も重要な友達でもあった父を呼び寄せるために一致団結し、新しい環境を愛するようになる。けれども、新型コロナが広がるにつれ、アジア系に対する人種差別も強まってきた……。
Covid-19のパンデミックをテーマにしたこのミドルグレードの児童書は、あとがきによると、人気児童書作家であるKelly Yang自身が体験したこととよく似ている。この小説の中で皆が恋しがっている父親のように、家族と再び会えたのは1年半後だったようだ。
この小説の中では数々の問題が起きるために、ひとりでなんとかしようとしているお母さんに感情移入して、正直言って読むのがつらくなってしまった。けれども、読者が子供だと異なる感覚になると思う。
新型コロナのパンデミックは現在も進行中だが、この児童書はリアルな歴史の記録として残しておきたいと思った。