作者:Lisa M. Matlin(メルボルン在住のオーストラリア人作家。本作はデビュー作)
Publisher : Bantam
刊行日:September 12, 2023
Hardcover : 288 pages
ISBN-10 : 0593599950
ISBN-13 : 978-0593599952
対象年齢:一般(PG15)
読みやすさレベル:6
ジャンル:心理スリラー、サスペンス、嫌ミス
自己啓発書がベストセラーになった心理セラピストのSarahと夫は裕福な地域にある素晴らしい屋敷のBlack Wood Houseを購入した。ビクトリア様式のそのお屋敷は本来では若いカップルには手が届かない価格だったが、酷い殺人の現場だったために信じられないほど廉価になっていたのだ。
幸福の頂点にいるはずのSarahだが、実は他人には知られたくない過去を持ち、夫婦の関係も壊れかけていた。そのうえ、Black Wood Houseでは改築をしようと試みるたびに悪いことが起き、上階から不気味な音も聞こえてくる…。
ホラーと心理スリラーの境界線を利用したオーストラリア人作家のデビュー作。米国で刊行されたほど売れた理由は想像できるが、主要人物の好感度がゼロなのが残念。結果的に好感度が悪くてもいいのだけれど、主要人物の人となりにはそれなりの厚みと魅力、意外性が必要だと思う。つまりパトリシア・ハイスミスのキャラのような。
ホラーとして怖くなりきれていなくて、スリラーとしても完成度はいまひとつ。でも、嫌ミスが好きな人にはオススメ。