
作者:Rob Hart
Publisher : G.P. Putnam’s Sons
刊行日:June 11, 2024
Hardcover : 320 pages
ISBN-10 : 0593717392
ISBN-13 : 978-0593717394
対象年齢:一般(PG15)
読みやすさレベル:7(文章は非常にシンプルでレベル6に近いけれどもニュアンスを理解する必要があるので7)
ジャンル:スリラー、アクション
テーマ、キーワード:暗殺者、依存症自助グループ、ミステリ、ユーモア
1935年にアメリカで誕生したアルコール依存症の自助グループ「Alcoholics Anonymous (アルコホーリクス・アノニマス)」は、参加者全員が依存症か元依存症の当事者であり、自分の本名や背景を明かさないanonymous(無名)であることで知られている。この小説のタイトルはそれをもじったもので、元暗殺者の自助グループに参加したMarkが主人公。
見た目はどこにでもいるような地味な存在のMarkが、実は同業者の間でも「Pale Horse」というニックネームで恐れられていた暗殺者だと知る者はいない。Markが引退してAssassins Anonymousの自助グループに加わったのは、このグループのリーダーであるKenjiを信頼しているからだ。
Markはグループの集まりにも出席してリカバリーへの道を順調に歩んでいるつもりだったのに、突然暗殺者に襲われて「二度と人を殺さない」という誓いをいったん中断せざるを得なくなった。自分の命を狙っている者を突き止めるためにMarkはニューヨーク、シンガポール、ロンドン、と世界中を飛び回る。もう殺人はやめると誓ったのに、誰もが恐れるPale Horseに戻る衝動は強い。Markは「暗殺」が依存症だとしみじみと実感するのだった…。
現実ではあり得ない設定だが、暗殺の快感をアルコールで得る快感に例えているところとか、AAのミーティングに倣った暗殺者のミーティングの進行につい吹き出してしまう。どこにでもいそうな普通の男が、プロも恐怖で凍りつくようなPale Horseに変身するところなど、スーパーヒーロー映画っぽくて面白い。読みながら「これは漫画にピッタリ」と思っていた。Markが尊敬するKenjiは元ヤクザという設定で、この本の中ではKenjiが一番素晴らしい人物として描かれているのも日本読者にはウケるところだと思う。
あまり深く考えずに娯楽作品を読みたい時にお薦め。

