作者:Layne Fargo
Publisher : Random House
刊行日:January 14, 2025
Hardcover : 448 pages
ISBN-10 : 0593732049
ISBN-13 : 978-0593732045
対象年齢:一般(PG15+, YAと同様)
読みやすさレベル:6
ジャンル:ラブストーリー、スポーツドラマ
キーワード、テーマ:オリンピック、アイスダンス競技、『嵐が丘』、ラブストーリー、ライバル
ソチオリンピックのアイスダンス競技で金メダルを期待されていたアメリカ代表のペアShaw & Rochaは、熱狂的なファンも多いカリスマ的な存在だった。だが、ある悲劇が起こり、Shawは姿を消した。
その悲劇から10年後、ShawとRochaをよく知る人々の証言から事件の真相に迫るドキュメンタリーが作成されることになった。
Katarina Shaw(Kat)は幼い時に観たオリンピック・アイスダンス競技の金メダリストSheila Linに惚れ込み、いつか自分もSheilaになると誓った。それ以来オリンピックの金メダリストになることだけを夢見て練習に励んでいた9歳のkatarinaを毎日リンクで見つめていた10歳の少年がいた。それは、児童養護施設制度によっていくつもの家族の間で引き回されて育った孤独なHeath Rochaだった。リンクで出会った2人は友情を抱く。アイスダンス競技は男子のパートナーが少ない。Katのコーチは彼女がアイスダンスの夢を諦めてシングルに転向することを期待していたのだが、Katは自宅の近くにある湖で極秘にHeathにスケートを教え、父親を説得して家族の一員にした。しかし、Katの兄のLeeは父と2人の関係に嫉妬を抱き、父親が死去した後にはHeathとKatに暴力を振るうようになっていた。
KatとHeathがLeeから逃げるチャンスは、Sheila Linが運営するトレーニングキャンプだった。母親からの唯一の遺産である高価な指輪を売ったお金でKatはHeathと一緒に申し込む。トップレベルの若いアイスダンス競技者が集まったキャンプで、2人はLinの娘のIsabellaと息子のGarrettに出会った。KatとHeathと同年代のIsabellaとGarrettは双子で、アイスダンスのパートナーでもあった。
トレーニングが終わり、兄のLeeが待ち構える故郷のシカゴ近郊に戻ることを恐れていたKatは、憧れのSheilaから双子と一緒にトレーニングをするという夢のようなオファーを打診されて受け入れた。
しかし、KatとHeathにとっての、いくつもの傷心と失望の始まりでもあった…。
KatとHeathの設定は、境遇と名前から想像できるようにエミリー・ブロンテのWuthering HeightsのCatherineとHeathcliffである。小説The FavoritesのKatにとって「オリンピックで金メダリストになる」という夢が優先順位のトップだが、孤独に育ったHeathにとってはKatとの繋がりがすべてである。Heathがスケートの技術でKatに追いつくために努力するのは、勝つためではなく、見捨てられないためだ。この違いが2人を引き裂く。
数多く登場する人々の視点からアイスダンスの世界の過酷さが浮き彫りになってくるのだが、同時に競技の美しさにも引き込まれる。また、フィギュアスケートのファンなら、いくつかのアイスダンスのカップルを想像しながら読むのではないかと思う。
読んだ後についYouTubeでアイスダンスをいくつも観てしまう、インパクトが強いラブストーリーである。Taylor Jenkins Reidのファンにもおすすめ。


