「一番好きなSF・ファンタジーは?」

これまで2週間にわたって特集したmuse & marketplaceもそろそろ終了。今日は雑談です。

この会の参加者は:1)作家志望者、2)ボランティア講師/パネリストの作家、3)文芸エージェント、4)出版社の編集者、5)オーガナイザー(ほとんどが作家)です。主催のGrub Streetに文芸小説重視の雰囲気があるもので、志望者にも1)-A:「元夢見る少女の文芸オバサン」と1)-B「純粋にアートを目指す、シリアスな文学青年/中年男性」が多いようです。
朝食の会場には12人ほどが座れる円テーブルが30ほどあり、複数の人が座っているテーブルはたいてい2),3),4)という顔見知りのグループです。もし1)であれば一緒に講座を受けている仲間でしょう。
隅のテーブルに陣取り、そこから人々の様子を観察するのが私の趣味です。
3)と4)のエージェントと編集者は、なるべく作家志望者から話しかけられないように固まり、背中に「近寄るな!」という雰囲気を貼り付けています。2)と5)は、いろんな人の間を行き来して、一番忙しいグループです。そしてマナーを躾けられて育っている1)-Aタイプの志望者は見知らぬ他人と目が合うとにっこり笑い、「今日はどんな講座を受けるの?」と話しかけますが、Bタイプは、「僕と君とはシリアス度が違うんだ。話しかけないでくれ~」という雰囲気を周囲に放っています。面倒な奴が自分のテーブルに来ないようにガードするのもこのタイプです。

第2日目に(空っぽのテーブルが25個ほどあるのに)私のテーブルに加わった若い女性1人と40代前半と見られる男性1人は、なぜかAでもBでもなくここには珍しい「SF/ファンタジー作家志望者(既にネットで公開しています)」でした。

ShiraBrianとは、即座に「一番好きなSF・ファンタジー」の話題で盛り上がりました。
私に年齢が近いBrian(といっても私より若い)がまず挙げたのがRay Bradbury とIsaac Asimov。「おおお...」と私は思わず身を乗り出しました。
「僕はFoundationを読んで育った」

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実は私と姉もそうなのです。ファウンデーション(銀河帝国の興亡)シリーズだけでなく、翻訳されているアシモフとブラッドベリは子供のころ全部読んでるはずです。
「それからDouglas Adams」
The Hitchhiker’s Guide to the Galaxy!」思わず大きな声で答えてしまいました。
「英国の作家は米国の作家にはないよさがあるよね。たとえばNeverwhereを書いた、ほれ、あの…(名前がすぐ出てこないところが私と同年代らしいところ)」
Brianが詰まると、私とShiraは同時に「Neil Gaiman!」と合唱しました。
引き続き、Ender’s GameのOrson Scott CardやKurt Vonnegut、Arthur C. Clarke の名が挙がるところがまさに「典型的SF/ファンタジーファン」といったところでしょう。
ファウンデーションに対する感傷的な思い出がないShiraと私の共通の好みは、Patrick Rothfuss のThe Name of the Windです。
「それ何?」と怪訝な顔でたずねるBrianに私とShiraは「ファンタジーとして優れているだけでなく、文芸作品としても優れている稀な本」、「Patは面白くて、しかもよい人」と洗脳をはじめました。たぶんBrianは家にもどってからAmazonで注文したことでしょう。

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家に戻ってからわが娘に「これまで読んだなかで一番好きなSF/ファンタジーは?」とたずねてみました。
「ひとつというのは難しいねえ。タイプがちがうから」
ということで、それぞれのタイプでのお気に入りを挙げてもらいました。
1)人物造型が優れていて、設定が面白く、政治的にも考えさせるところがあり、ロマンチック。
Poison Study -書評をご参考に

2)ともかく可笑しくてたまらない。背後にある反宗教的メッセージへの共感。
The Hitchhiker’s Guide to the Galaxy

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3)でも、ひとつだけ選ぶならば…
The Never Ending Story
原作はドイツ語ですが、私も日本語ではなく英語でしか読んでいません。娘が小学校2年生のときから「最も好きな本」として挙げる本です。

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読み返してがっかりしたのはハインラインの夏への扉(The Door Into Summer)でした。たぶん、思春期に読んだからすごく好きになって、ずっと理想化していたせいでしょうね。でも初めて読む人にはおすすめです。

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誰にも思い出に残る感傷的な本ってありますよね。見知らぬ同士でも好きな本があればすぐに繋がることができます。そんな本のこと、ぜひ教えてください

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