白鯨のモデルになった実際の悲劇Essexの真相-In the Heart of the Sea: The Tragedy of the Whaleship Essex

Nathaniel Philbrick
2001年8月初版
320ページ
Penguin USA
ノンフィクション/歴史

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アメリカ大陸で最も東にあるナンタケット島は、一時期、捕鯨の中心地として世界で最も裕福な島だった。しかし、過剰捕獲と鯨油の需要の減少で捕鯨ビジネスは凋落の兆しをみせるようになっていた。そのような時代背景の1820年、捕鯨船Essexは太平洋の真ん中で巨大な鯨に襲われて沈没する。
物語の中心はそれからである。生き残った20人の船員は3台の簡単な作りの船に乗り込んで、それぞれチリを目指して航海する。しかし、93日後無事に救助されたのはたった8人だった。Essex沈没からの93日間に起こったのは、飢え、脱水、死、そして全員の飢え死にを避けるために犠牲者を選ぶ、という想像を絶する恐ろしい体験だった。
メルヴィルのMoby Dick(白鯨)のモデルになった悲劇だが、白鯨よりも読みやすく、印象深い本である。

●ここが魅力!
17年前からナンタケット島に家を所有しており、いつかそこを舞台にした小説を書きたいと思っていたので、9年前にナンタケット在住の歴史作家Nathaniel Philbrickが悲劇の捕鯨船Essexのノンフィクションを書いたとき即座に入手しました。ちょうど島では展示会もしていて、地図、船と船員の写真なども見ることができ、さらに現実感を覚えてぞっとしたことを覚えています。
そのような視覚的な援助がなくても、読み始めると「いったい何が起こったのか?」という興味で次々とページをめくりたくなります。特に、船員たちが人肉を食べるに至った経過はノンフィクションとは思えないくらいで、後々までその場面が心に焼きつきます。自分も追い詰められたからこんなことをするのか?と自問せざるを得ない話です。
またアメリカでも特殊なナンタケット島の歴史を知ることができ、歴史書としても優れています。

●読みやすさ ★★☆☆☆
シンプルな文ですが、地名や固有名詞、なじみのないナンタケット島の歴史、捕鯨の歴史などをまず読み取らなくてはならないので、最初のうちは特に入り込みにくいでしょう。また、速読すると意味がわからなくなります。注意を払わなくてはならないので読むのには小説よりも時間がかかるでしょう。けれども、小説の白鯨よりもずっと読みやすい本です。また、メルヴィルはナンタケット島のことを書いていますが、島を一度も訪問したことがないのですよ。ですから、捕鯨の歴史に興味がある方はこちらをおすすめします。

渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 助産師としてキャリアをスタート。日本語学校のコーディネーター、外資系企業のプロダクトマネージャーなどを経て、 1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 500 reviewer.

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