フランゼンの新作Freedomを発端にした文学論争

The Correctionsで米国文学界での地位を確保したJonathan Franzenの新作Freedomは、発売前から多くの文芸評論家たちが絶賛していました。マーサズビンヤードで休暇を取るオバマ大統領が休暇中に読むためにARCを受け取ったというニュースも米国の文学界で話題になりました。

もうひとつ話題になったのが、ニューヨークタイムズ紙の名物書評家ミチコ・カクタニの書評に対する女性作家の批判です。

発端になったのは、ベストセラー作家Jodi Picoultの次のようなツイートです。

ピクチャ 4

それに加わったのが、これまたベストセラー作家のJennifer Weinerです。ツイッターで#franzenfreudeというハッシュタグを作って読者との意見交換を始めた彼女は、こんなツイートをしています。

ピクチャ 7

彼女たちの言い分を大雑把にまとめると、ニューヨークタイムズ紙の文芸評論は、白人男性(特にニューヨーク在住)の作家には大変甘く、chick litやロマンスなど商業的な文芸作品を書く女性作家を見下げ、無視している、というものです。

【追記】これだけだとウェイナーやピコーが一方的にフランゼンを攻撃していてアンフェアだと思われるかもしれません。ですが、フランゼンは多くの場所でミソジニーな発言を繰り返しているのです。たとえば20世紀初頭に活躍した女性作家のイーディス・ウォートンの生誕150周年を祝うニューヨーカー誌のエッセイで、ウォートンが美しくなかったことや、それが彼女のセックスレス結婚、ひいては作品に影響を与えたことを示唆しました。女性の容姿と作品をつなげるような彼の発想は発言のあちこちにあり、女性の図書館司書の間ではフランゼンへ敵意を抱いている人はかなりいるようです。ブックエキスポでフランゼンの新作のARCを抱えていただけで、見知らぬ図書館司書から「あなた、彼の作品なんか読むの?」と喧嘩腰で質問されたこともあります。

知人がフランゼンの教え子だという関係から、(めったに人前に出ない)フランゼンの講演を聞いたことがあります。その時の彼の印象は、傲慢というよりもシャイで職人気質、という感じでした。けれども、文学界が好みそうな、商業的文学を拒むプライドの高さも感じました。

これらのことを念頭に、私はFranzenのFreedomを、やや懐疑的に読んでみました。

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