アウトバックを舞台にした誘拐犯と少女の心理ドラマ Stolen

Lucy Christopher
ペーパーバック: 320ページ
出版社: Chicken House Ltd (2009/5/4)
ヤングアダルト/心理スリラー
2011年プリンツ賞オナー賞受賞作

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16才の少女Gemmaは、両親と英国からベトナムに向かう途中のバンコク空港で誘拐され、オーストラリアのアウトバックに連れ去られる。


Outback 誘拐犯は25才の美しい青年Ty。Gemmaのことをずっと昔から知っていて、彼女を諸悪から救うために誘拐したと言う。Tyは、Gemmaがアウトバックと自分を知れば、そのうちどちらも愛するようになると心底信じているようだった。Gemmaは逃亡を試みるが、いずれも失敗に終わる。

生き残るためには犯人のサバイバル能力に頼り切るしかない環境で、GemmaはTyの恵まれない子ども時代に同情し、大自然やアボリジニのアートを崇拝するTyの情熱に動かされ、好意すら抱くようになる。それは、単なる「ストックホルム症候群」なのだろうか?Tyが言うように父母はGemmaを本当には愛していなかったのか…?

何を信じ、何を疑うべきなのか、Gemmaはますます混乱する。

●ここが魅力!

この小説は、GemmaがTyに対して「You」と呼びかける風変わりな文体で進行します。最後にその理由が分かるようになっているのですが、それだけでなく、誘拐された思春期の少女の複雑な心境を表現するための試みなのでしょう。

毒蜘蛛、毒蛇、灼熱の太陽、砂漠…という荒涼としたオーストラリアのアウトバックの設定が、まるでおとぎ話のようにこの小説をミステリアスにしています。

Tyを同情的に描き過ぎているきらいはありますが、それも心理劇のために必要な要素と言えます。欠陥がないとは言えませんが、ヤングアダルト向けの本としてはよく描けています。2011年プリンツ賞オナー賞受賞作になったのも納得できる作品です。

●読みやすさ 中程度からやや簡単

ネイティブの小学校低学年用の本がすらすらと読める人であれば、挑戦できる程度のシンプルな英語です。Youと誘拐犯に語りかける一人称のスタイルに慣れれば、後はすんなり読めるでしょう。

●対象となる年齢

性的な行為や性器を意味する単語は少しだけ出てきますが、性的な接触の場面はありません。ただし、状況設定からも中学生以上が対象です

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