Erin Morgenstern
ハードカバー: 400ページ
出版社: Doubleday
ISBN-10: 0385534639
ISBN-13: 978-0385534635
発売日: 2011/9/13
文芸小説/ファンタジー/魔術
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時は19世紀末。2人の優れた奇術師ヘクターとアレクサンダーは、師匠としての手腕を競うゲームの契約をとりかわす。ヘクターの6歳の娘シリアと孤児のマルコは、選択の自由がないままに試合の対戦相手として選ばれ、育てられる。
魔術を競い合うコンペがあるというだけで、内容も、時期も、対戦相手も知らずに大人になった二人が出会ったのは、Le Cirque des Rêves(夢のサーカス)という夜だけ開くサーカス(Night Circus)のオーディションの場だった。サーカスのプロデューサーのアシスタントだったマルコは、 オーディションに来たシリアが対戦相手だということに気づき、占い師の恋人を利用して彼女の偵察を始める。
シリアとマルコが知らなかったのは、この試合が、もっと残酷で邪悪なものだということだった。
●感想
前評判が高く、発売するやいなやベストセラーになっている小説です。人気の秘密のひとつは、発売前にすでにトワイライトのサミットが映画化の交渉をはじめていたからです。
たしかに魔術と禁断の恋を描いたこの小説は映画化にぴったりです。私はオーディオブックで読んだ(聴いた)のですが、聴き始めてすぐに、2006年発表の2つの映画、The PrestigeとThe Illusionistを思い出しました(この2つ、テーマが似ているもので、内容が頭の中でごちゃごちゃになってしまっているのですが…)。
小説の評判も良いのですが、私の感想は「まあまあ」というものでした。
文章表現は美しく、夜のサーカスの幻想的な雰囲気は楽しめたのですが、肝心の主人公2人の人物造形(キャラクター・デベロップメント)が薄っぺらすぎます。ですから、恋のゆくえがぜんぜん気にならないのです。これは致命的じゃないかと思うのですが、映画では脚本家がなんとかしてくれるでしょう。
プロットも、いまひとつ新しさがなく、最後には「え?これだけなの」と肩すかしをくった気分でした。
けれども決して出来が悪い小説ではありません。ただ、「これだけ評判になるほどのものではない」というのが、私の正直な感想です。
オーディオブックを読んでいるJim Daleのパフォーマンスは素晴らしいのですが、年配の男性の声ですから、双子の子どもやシリアを想像する邪魔になったのが残念でした。これは本で読むほうが正解だったと後悔しました。
●読みやすさ やや難しい
文章そのものが難しいというよりも、時間や場面があちこちに飛び過ぎて、ネイティブでも混乱する人がいるようです。
●おすすめの年齢層
ラブシーンはありますが、ほんの少しですし、露骨でもありません。中学校高学年以上。