魔法の世界の話だが、文芸小説として読むべきファンタジー The Magicians

Lev Grossman
ファンタジー/文芸小説/魔法

1部 The Magicians

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2部 The Magician King

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この小説をどうとらえるべきなのかずっと迷ってきたのだが、3部作(と予想する)2部のThe Magician Kingを読んで、ようやく分かって来たような気がするので、まだ完結していないが、ご紹介しようと思う。



ニューヨーク市に住むQuentin Coldwaterは、幼い頃から頭脳明晰な子どもたちが集まる学校でトップクラスの成績をおさめて来たエリート高校生である。当然アイビーリーグ大学にも軽々と入学できる成績なのだが、そんな将来にはあまり興奮を覚えないでいる。
すべてが揃っているにもかかわらず幸せを感じることができないQuentinが心の拠り所にしているのは、子どもの頃から愛読している児童書ファンタジーFilloryの世界である(Filloryシリーズは、Narniaシリーズを連想させる架空の物語)。けれども、いい歳をして魔法の世界を夢見ていることは秘密にしている。
プリンストン大学卒業生による面接の日、QuentinはBrakebillsという魔法アカデミーの入学試験に連れて行かれる。(ご覧のとおり、ちゃんと架空の学校や本のサイトも作っているところがGrossmanらしいところである)。

Brakebillsは、ハリー・ポッターのHogwartsというよりも、ハーバードかプリンストン大学を連想させる。ここの学生たちのほとんどは、社会経済的に恵まれた環境で育ち、望むものは何でも手に入り、自分より頭脳優秀な者に会ったことがなく、自分より劣る者を見下げて、蔑み、他人への感謝の念などはない。Quentinは、そのなかでもトップクラスのa**ho*eといえるだろう。人格的にまったくその価値がない若者たちが、世界で最も強力な魔力を学んで獲得する。その教育機関がBrakebillsなのである。

Brakebillsをトップの成績で卒業したQuentinと友人たちは、努力をする必要がまったくない、セックス&ドラッグの生活にだんだん飽きてくる。Filloryが架空の世界ではないことを知った彼らは、退屈しのぎができたことを歓迎し、冒険に出かけることにする。だがそれは、童話の世界へのピクニックではなく、想像もできないほど恐ろしい旅だった。

本書を「大人のハリー・ポッター」と説明する者もいるが、そういう風にとらえるとがっかりするからやめたほうがいい。The Name of the Windのように歴史に残るべきファンタジーと比較しても失望することは確約できる。

この三部作は、青年期特有の迷いや苦悩を描いた文芸小説なのである。主人公のQuentinを含めて好感や同情を抱ける人物が殆ど出てこないのも、ファンタジーでなく文芸小説だと思えば許せる。私は、二部の「The Magician King」を読み終えて、ようやく「ああ、なるほど」と思えた。若い男性の成長物語という観点で読めば、関わった女性たちの運命も納得できるであろう(人物造形に深みがないのは残念すぎるが)。

著者のLev Grossmanは私が住んでいる町出身で、この作品に出てくるチェスタートンという架空の町はレキシントンのことだ。私の娘と同じ高校(年代は違う)からハーバード大学に進学した彼がこれまで接してきた同級生たちがこれらの登場人物に反映しているのかと思うと、エリートコースを歩むことの問題を深く感じたりもする。

でも、Grossmanの作り上げた魔法の世界の構造はなかなか面白いし、飽きなかった。

●読みやすさ やや難しめ

世界や魔法の説明でよく分からない部分が出てくるかもしれないけれど、それを無視すれば、普通レベルの英語。
非常にインテリジェントなファンタジーなので、普通のファンタジーのような読み方はできないかもしれない。

●おすすめの年齢層

性的な表現が多く、残酷なシーンもあり、内容が暗い。大人向け。

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