著者:Dana Reinhardt
ハードカバー: 208ページ
出版社: Wendy Lamb Books
ISBN-10: 0385742576
発売日: 2014/5/27
適正年齢:PG13(中学校高学年から高校生)
難易度:中級レベル(1人称なので読みやすい)
ジャンル:YA/青春小説
キーワード:思春期の悩み、姉妹愛、友情、家族関係、秘密、恋愛
新高校生のNellは、同級生たちと同様に慣れない高校生活にナーバスになっている。アメリカの高校は4年制なので、中学から高校に上がったばかりの生徒にとっては、子どもが突然大人の世界に迷い混むようなものである。幸いなことに、Nellには親友のFelixと高校3年生(アメリカではjunior)の姉Laylaがいる。だから、スムーズに高校生活に入り込めるはずだった。
サッカーの才能があって美人の姉LaylaのことをNellは敬愛していたので、同じようにサッカーをがんばってきたし、1年生なのにチームに入ることもできた。だが、幼い頃からずっと何でも打ち明けて仲良しだったLaylaの様子が最近変なのだ。何かを秘密にしていて、嘘もついている。両親の離婚後、母と一緒に暮らしている姉妹は母にはすべてを打ち明けてきたのに、Laylaは母にも嘘をついている。もっとつらいのは、その嘘の片棒を担ががされることだった。
Nell自身の淡い恋とつらい体験、友情や家族関係などが、NellがLaylaに語りかける日記形式で綴られている。
一人称なのでとても読みやすく、ふつうの高校生らしいNellにも感情移入しやすい。
ものすごくドラマチックなことが起きるわけではないし、終わり方も唐突だが、最近は現実離れしすぎたYAものが多いので、こういう「ふつうの問題」を扱った青春小説にかえって好感を抱ける。
親子の話し合いのきっかけになるかもしれないし(「こういうとき、あなただったらどうする?」など)、けっこうお薦めの本である。