ヴァージニア・ウルフと姉ヴァネッサが仲違いをした理由は… Vanessa and Her Sister

著者:Priya Parmar
ハードカバー: 368ページ
出版社: Ballantine Books
ISBN-10: 080417637X
発売日: 2014/12/30
適正年齡:PG15 (性的な場面はあるけれども、露骨な表現ではない)
難易度:中〜上級(さほど難しい文章ではないけれど、慣れていないと読みにくい場面もある)
ジャンル:歴史小説(史実を元にしている)/女性小説(chick lit)
キーワード:ヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf)、ヴァネッサ・ベル(Vanessa Bell)、ブルームズベリー・グループ(Bloomsbury Group)

ヴァージニア・ウルフは有名だけれども、姉のヴァネッサのことを知る人はあまりいないのではないだろうか?

けれども、ヴァネッサ自身も決して無名ではなく、名の知れた画家だった。

しかも、精神を病んで自殺したヴァージニア以上に波乱に満ちた人生を送った女性だった。そのヴァネッサの視点で、特にヴァージニアとの関係とそれがこじれた経緯に焦点をあてた小説がこの『Vanessa and Her Sister』である。(発売は今年末)

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ヴァネッサ・ベルが描いたヴァージニア・ウルフ

両親が亡くなった後、Stephen(スティーブン)家の子どもヴァネッサ、トビー、ヴァージニア、エイドリアンはHyde Parkの家を売ってBloomsburyに移り、アーティストや作家が集まる社交サロンの場にした。
ここに集まった「Bloomsbury Group(ブルームズベリー・グループ)」と呼ばれる集団からは、後世に名を残す多くの作家やアーティストが生まれている。

ヴァージニアは知的で魅力的だったけれども、精神性の疾患を抱えていた。現在はそれが双極性障害と推察されているが、当時はただのmadnessと言われていた。精神的に不安定なヴァージニアをずっと支えてきたのがヴァネッサだった。ヴァージニアの姉への執着心は強く、姉がクライヴ・ベルと結婚するのに猛反対した。クライヴにはその品格がないというのだ。それほど嫌っていた相手なのに、初めての子どもを産んだヴァネッサの関心が赤ん坊に移ると、自分に注意を向けてもらうためにクライヴを誘惑したのである。

このときのヴァージニアとクライブの関係が、ヴァネッサとクライヴの結婚を揺るがせ、後々までヴァネッサはヴァージニアを許さなかったという。

ブルームズベリー・グループに属する人々は多くの手紙や日記を残しているために、これまでにもノンフィクションは沢山出ている。だが、これは小説の形なのでもっと入り込みやすく、読みやすい。

それにしても、ブルームズベリー・グループというのは才能もあったようだが、恋愛でも忙しい人々が集まっていたようだ。みんながみんなと関係を持っていて、失恋して、とやっているのに、ちゃんと友だちでい続けたというのが不思議でならない。

興味深かったけれども、小説を読み終わった後でもヴァネッサが理解できたような気がしない。50年をともにしたダンカン・グラントとのストーリーがなかったのも残念だった。
そこで本を読み終えた後ネットでいろいろ伝記を読みあさってしまった。

ヴァネッサの描いた絵はネットで沢山見つかるが、面倒な方は、BBCのPublic Catalogue Foundationのサイトをどうぞ。

 

2件のコメント

  1. ヴァージニア・ウルフの別宅だったモンクス・ハウスや、ブルームズベリー・グループが描いた壁画のある教会を訪ねたことがあるので、(この小説自体はおそらく読まないと思いますが・・・笑)興味深い話題です。
    グループ内の人間関係が複雑だったり、異性と同性両方の愛人がいたり、なんだかややこしいですね。そういうことが芸術の糧や肥やしにもなるのでしょうか。
    先に触れたモンクス・ハウスや教会を訪ねた時のことをブログ記事に書いています(大したことは書いていませんが、写真も載せているのでご興味があればご覧ください)。
    モンクス・ハウス
    http://sparkywalkingrecords.blogspot.co.uk/2014/07/blog-post_16.html
    教会
    http://sparkywalkingrecords.blogspot.co.uk/2011/05/blog-post_31.html

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  2. Sparkyさん、
    ずっと移動ばかりでupが遅れて申し訳ありません。
    モンクスハウスや教会の訪問記事読ませていただきました。
    写真がとっても綺麗で、今すぐにでも行きたくなりました。
    (でも春か夏のほうがいいですねw)
    イギリスは行きたい場所がいっぱいです。
    羨ましい〜。

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