Liane Moriarty人気にあやかったオーストラリア人作家の米国デビュー作 Walking on Trampolines

著者:Frances Whiting
ペーパーバック: 368ページ
出版社: GALLERY TRADEPAPER (アメリカ) |Macmillan Australia (オーストラリアの初版)
ISBN-10: 1476780013
発売日: 2015/2/3(アメリカ)|2013/10(オーストラリア)
適正年齡:PG15(性的な話題やシーンはあるが露骨ではない)
難易度:中〜上級(文章はシンプルだが、読み慣れている必要はある)
ジャンル:女性小説(chick lit)/大衆小説/恋愛小説
キーワード:初恋、友情、裏切り、家族問題

オーストラリアの小さな海辺の町に、有名なアーティスト夫婦が引っ越してくる。彼らの一人娘Annabelleから親友に選ばれたのは、配管工の娘Tallulah (ニックネームLulu)だ。独占欲が強いAnnabelleは、Luluがほかの友だちと遊ぶのを嫌がる。
そんなAnnabelleのわがままさに気づいていても、Luluは彼女と彼女の家族に惹かれずにはいられない。


両家の家族もまきこんで姉妹のように育ってきた二人だが、Luluに初めてのボーイフレンドができたとき、平和と友情が壊れる。

傷心から何年もかけて立ち直りかけたとき、これまでずっと「良い子」でいたLuluは初めての大きな失敗をおかす。これまでの人間関係をすべて崩壊させるような……。

 

オーストラリアでは2013年に刊行されたが、これまで米国では販売されていなかった。近年、オーストラリア人作家のLiane Moriartyの作品(The Husband's SecretBig Little Liesなど)が米国でベストセラーを繰り返しているために、同様のジャンルのこの作品が発掘されたようだ。

たしかに、愛情や家族関係を扱った女性小説という点では似ているし、読者層も共通していると思う。読み始めたら次にどうなるのか知りたくなるし、読み切りやすい作品ではある。

だが、手腕はMoriartyには及ばない。それ以上に、根本的な問題がある。

良い子であるLuluの言動にまったく共感を覚えないし、彼女が大切にしているらしい友情や愛情は、保ったり、許したりする価値があるとは思えないのだ。どうして著者が主要人物たちをここまで自己中心的に設定したのか、それが不可解でならない。

深刻な小説ではないから真面目に語る必要はないかもしれないが、こういった女性小説しか読まない読者(特に若い女性)には間違ったメッセージを与えかねない。それがとても気になった。

「Luluみたいな選択はしないほうがいいよ」と語るきっかけにするならお薦めしたい小説である。

 

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