Confessions of a Shopaholicの著者によるやや真面目なYA小説 Finding Audrey

著者:Sophie Kinsella
ペーパーバック: 288ページ
出版社: Doubleday
ISBN-10: 0857534599
発売日: 2015/6/4
適正年齢:PG12(キス程度)
難易度:中級(多読用の本に飽きてきた人が挑戦するのにぴったりの軽さ)
ジャンル:YA(リアリスティック・ノベル)/青春小説/ユーモア
キーワード:いじめ、登校拒否、ひきこもり、パニック障害、ロマンス、親子問題、家族愛

14歳のAudreyは、女子校で集団いじめにあってからというものの、パニック障害を起こして自宅に引きこもったままだ。

Dr. Sarahの心理セラピーの効果で落ち着いてはきたが、人の目を見るのが怖くて自宅でもサングラスをかけている。でも、Audreyは自分より家族のほうがクレイジーだと思っている。母親はくだらないタブロイド新聞の依存症で、そこに書いてあることをなんでも信じて押し付ける。そして、ひとつ年上の兄のFrankはゲームの世界大会で優勝して6百万ドルを手にするのを目指してコンピュータゲームばかりしている。そして、気が弱い父親は母のいいなりになって右往左往だ。Audreyが気を許せるのは4歳の弟Felixだけだ。

兄のコンピュータゲームのチームメイトのLinusが自宅にやってきてAudreyの世界は変わる。辛抱強いLinusの助けで、Audreyは「完璧な回復」を目指すが、進歩のスピードに満足できない。すぐに治りたいAudreyは、皆が止めることをやって失敗し、ようやくこれまで見えていなかった自分の周りの人々の努力や愛に気づく。

*** *** ***

Confessions of a Shopaholicレベッカのお買いもの日記 1 )は、『洋書ベスト500』のチックリットにも選んでいるほどの英国チックリットの代表作的存在だけれども、(告白すると)個人的にはあまり好きではない。いくらコメディといっても主人公の女の子の設定がお馬鹿すぎる。あの程度の知識と努力で経済ジャーナリストになれるというのは、(いくらコメディでフィクションでも)実際の女性経済ジャーナリストへの侮辱だし、努力せず他人のせいにする主人公ってのが苦手なので、心から楽しめなかった。

そういうわけでこの著者の作品はあまり読まないでいたのだが、新しく刊行されたばかりのこの小説は「集団いじめ」を扱っていて好評のようだ。いじめをテーマにしたアメリカの作品はけっこう読んでいるが、英国のものも読んでみたかった。

同様のテーマを扱うアメリカのYA小説に比べると、イギリス人作家の本書は深刻さが少なく、軽くて、明るい。
「うすっぺらすぎる。いじめやパニック障害はもっと深刻だ」と批判的な見方をすることもできるだろうが、リアリスティックで胸が苦しくなる(そして、もっと優れた)YA小説はアメリカにすでに沢山ある。また、実際に苦しんでいる、悩んでいる子があまりにもドラマチックに深刻なYA小説を読むと苦しさが増幅するかもしれない(たとえばこの作品)ので、本書程度の、軽くて、ロマンチックで、怖いことが起こらなくて、愛情たっぷりで、甘い小説があってもいいだろう。

軽く読める本なので、多読用の本に飽きている方が挑戦するのにお薦め。

この本を読了したら、次はアメリカのYAリアリスティック小説に挑戦していただきたい。違いがわかって面白いだろう。

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