トランスジェンダーの気持ちを優しく描いた児童書 George

著者:Alex Gino
ハードカバー: 195ページ
出版社: Scholastic Press (2015/8/25)
ISBN-10: 0545812542
発売日: 2015/8/25
対象:PG(小学校2年生から5年生)
難易度:中級(日本の高校英語で読める)
ジャンル:児童書
キーワード:トランスジェンダー、LGBTQ、シャーロットのおくりもの

10歳のGeogeには秘密がある。
それは、母や兄から隠しているティーンの女の子向けの雑誌コレクションだ。
4人の女の子がビーチに並んでいる写真を眺めながら、自分がその仲間になって会話を交わし、「私はメリッサよ」と言う場面を想像する。

Georgeには大親友のkellyという女の子がいる。小学校4年生になると学校で演劇があるのだが、そのオーディションのために二人は一緒に練習することにする。演劇は、蜘蛛のシャーロットと子豚のウィルバーの友情を描く『シャーロットのおくりもの』だ。シャーロットは女子、ウィルバーは男子の役と決められているが、Georgeはどうしてもシャーロットを演じたい。先生ならきっとわかってくれるだろうと思ってオーディションでシャーロットを演じたところ、先生はGeorgeがふざけていると思って怒ってしまう。

トランスジェンダーの子どもが「自分は本当は女の子(男の子)なのだ」と伝えたくても、自分を守ってくれるはずの親が拒絶反応で対応してしまうことが多い。トランスジェンダーは、外部の敵と戦う前に、まず身近な人と戦うことになりがちだ。

実は、私の身近にもGeorge/Melissaのような子がいる。
私の姪がトランスジェンダーだということを、私と夫は知っているが、彼女の実の父親も、祖母も知らない。「どうせ彼らは理解してくれない」とみなされているからだ(実際にそうだと思う)。悲しいが、それが現実だ。

だからこそ、親以外の大人が「何があっても受け入れてあげるから、安心して相談しなさい」という態度を示すべきだし、安心して相談できるような場を作るべきだろう。

ジェンダー問題を扱った本は多いが、子どもにそれを説明できる本は少ない。
本書は、自然な形でトランスジェンダーを紹介する児童書で、子ども「ああ、そうなんだ」と共感を与えてくれる良書だ。

知人の島村浩子さんの翻訳で日本語版も発売されたので、ぜひお読みいただきたい。

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