オーストラリアの片田舎の息苦しさが伝わるベストセラーのミステリ The Dry

著者:Jane Harper (デビュー作家)
ハードカバー: 352ページ
出版社: Little, Brown
ISBN-10: 1408708175
発売日: 2017/1/12
適正年齢:PG15
難易度:上級レベル(ネイティブの普通レベル)
ジャンル:ミステリ/サスペンス
キーワード:オーストラリア、刑事、犯罪小説、過去の秘密

連邦捜査官のAaron Falkは、16歳のときに後にした故郷の田舎町に20年ぶりに戻った。
子ども時代の親友Lukeが、妻と幼い息子を道連れに無理心中したというのだ。

AaronとLukeは、誰にも言えない秘密を共有していた。
高校時代にいつも一緒に過ごした男女4人組のうち、ひとりの少女が殺された。AaronはLukeの提案でアリバイの嘘をついたのだが、Aaronは殺人の疑いをかけられたまま、父親と逃げるようにして故郷を去ったのだった。

亡くなった少女の父親や親族から脅しを受けながらも、Aaronは地元の警察官に協力することにする。無理心中ではなく、殺人の可能性があるからだ。子ども時代に世話になったLukeの両親のためにも、Aaronは汚名を晴らしたいと思う。

最悪の干ばつで、昔ほのかな恋心を抱いた少女が水死体でみつかった川すら干上がっている町。そこには、希望が見えない人々の苛立ちや敵意がうずまいている。

オーストラリアの小説は、なかなかアメリカで出版されないのだが、この作品はデビュー作家にもかかわらず、アメリカでベストセラーリストに入っている。オーストラリアの田舎町の閉塞的な雰囲気がひしひしと伝わってくる文章と、意外な展開が魅力だからだろう。

たしかに、途中で犯人はわからない。2つのミステリがあるのもいい。
主人公のAaronは、ハードボイルド的(あるいは、フィルム・ノワール的)で、それも良いところだ。

しかし、いまひとつ「切なさ」というか「哀愁」を感じなかった。すべての材料が揃っているのに。

とはいえ、John Hartなどが好きな人にはお薦めの文芸小説的なミステリである。

1件のコメント

  1. 星4.5・・・を四捨五入して(笑)5つにしました。日本やイギリスでは起こりそうにない、オーストラリアならではの(アメリカにはこういう雰囲気もあるのでしょうか?)ストーリー。二つのミステリーのやるせない真相。今オーストラリアで森林火災が続いている最中に読んだこともあって、ラストではぞっとしました。

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