見えないストーカー犯罪の不気味さを描くダークな心理スリラー I See You

著者:Clare Mackintosh (デビュー作は I Let You Go)
ペーパーバック: 384ページ
出版社: Sphere(UK)/Berkley(US)
ISBN-10: 0751554146
発売日: 2017/4/20
適正年齢:PG15
難易度:上級レベル(入り込みやすいので、通常の上級レベルより読みやすい)
ジャンル:心理スリラー
キーワード:ハイテク犯罪、デートサイト、ストーカー、イギリス

十代で結婚したZoeは、夫の浮気が原因で離婚し、働きながら二人の子どもを育てきた。
ようやくボーイフレンドもできたが、ティーン・エイジャーになった娘と息子は彼にはなじまず、それぞれに問題行動を起こしてZoeを悩ませている。

ある日、Zoeは帰宅途中に新聞の広告欄に自分の写真が載っているのを発見した。エスコートサービスか売春を連想させる謎めいた広告にはウエブサイトの情報があるだけだった。その写真は、セキュリティで保護していないZoeのフェイスブックから無断でダウンロードされたようだった。

その出来事に引き続き、Zoeは通勤電車で視線を感じるようになった。それだけでなく、見知らぬ男性が偶然を装って自分の後をつけているようだ。警察に報告するが、担当者はまともに受け取ってくれなかった。

だが、Zoeと同じように、新聞広告に写真が載った女性たちが襲われる事件が発生し、警察はようやく本腰を上げて捜査を始めた。しかし、ストーカーや加害者は異なる男たちだ。どうやら、彼らに女性の行動ルートを教えるビジネスがあるようなのだ。そして、その陰の仕掛け人は、Zoeや家族のことを、とても良く知っている。

Zoeは、次第にパラノイアを感じるようになる……。

見知らぬ者が自分を常に観察している、というのは、女性にとっては悪夢だ。
ストーカーの正体がわからなければ、自分の身をどう守っていいのかもわからない。
この心理スリラーは、その恐怖を描いている。

著者は、イギリスの警察で12年勤務し、その後はフリーランスのジャーナリスト、ソーシャルメディアのコンサルタントなどを経験している。その体験が活かされているせいか、この心理スリラーには説得力がある。

あえて苦言を呈するならば、「驚き」を狙ったエンディング部分だ。
ネタバレするので詳しく書けないが、これはちょっと狙いすぎではないかと思った。

2 Comments

  1. 今年最後の本が嫌ミスになってしまいましたが(笑)、さすがのページターナーでした。並行して語られる警察官 Kelly の物語にもいろいろ考えるところがありました。エンディングは不気味でしたが、Zoe は(陰の)犯人の正体に薄々気づいているのではないかと思いました。

    渡辺さんと『洋書ファンクラブ』には今年も大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いします!

    1. Sparkyさん、
      私も今年最後がイヤミスっぽいのになりそうですw
      作者からいただいたARCもまだ数冊積読状態なので、新年はそれらに手をつけたいです。
      それでは来年もよろしく。

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