見知らぬ世界へ通じる扉を開けられる者の運命は……。夢と悪夢が交錯するファンタジー The Ten Thousand Doors of January

作者:Alix E. Harrow(デビュー作家)
ハードカバー: 384ページ
出版社: Redhook/Orbit
ISBN-10: 0356512444
ISBN-13: 978-0356512440
発売日: 2019/9/12
適正年齢:PG15
難易度:上級
ジャンル:ファンタジー/文芸小説

20世紀初頭のアメリカ、ヴァモント(バーモント)州。混血の少女、ジャニュアリー・スカラーは、よくわからない理由で富豪のミスター・ロックの豪邸で育てられていた。母はジャニュアリーが幼いときに亡くなっていて、父はミスター・ロックのために世界中を旅して珍しい物を集めていた。

駆け回りたい衝動や、父に同伴して世界を旅したい願いがあったが、ミスター・ロックはそんなジャニュアリーをレディとして教育しようとする。白人ではないことで、周囲から同等の人間扱いされないジャニュアリーだが、それでもミスター・ロックは自分のことを娘のように愛してくれていると思っていた。

だが、あるときから、ジャニュアリーは自分の生い立ち、父の過去、ミスター・ロックの本性など、自分が信じてきたすべてのことが偽りではないかと疑うようになった。そして、彼女は、これまで押さえつけてきた特別な能力を再びみつける。それは、ほかの世界に通じるドアを開けることができるというものだった。

けれども、ミスター・ロックと彼が属する秘密結社はジャニュアリーを執拗に追い詰める……。

山陰地方の田舎町に住んでいた子供時代、わが家から見える山を見つめながら、私は「少年少女世界の名作文学」に出てくる異国を夢見ていた。いつか、それらの国に行って、エメラルド色の海や、高くそびえる山並みや、砂漠や、ヤシの木を見てみたいと。The Ten Thousand Doors of Januaryは、その渇望を思い出させてくれるファンタジーだ。

怖いものが待っているかもしれないが、閉じ込められているよりも、見知らぬ世界を体験したい。ジャニュアリーが持つ渇望は、彼女の両親が持ったものであり、私たち読者の多くが持っているものだ。

そんな読者なら、きっと楽しめることだろう。

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