ニコール・キッドマン主演でアマゾンのドラマ化が決まった新作ミステリ Pretty Things

作者:Janelle Brown
Hardcover: 496 pages
Publisher: Random House (April 21, 2020)
Language: English
ISBN-10: 0525479120
ISBN-13: 978-0525479123
発売日:2020年4月21日
適正年齢:PG15+
難易度:上級 8/10
ジャンル:ミステリ/犯罪スリラー
キーワード:詐欺、heist、恋愛のもつれ、家族の秘密、嘘、報復

詐欺師の母に育てられたニーナは、親とは異なる人生を目指して大学で教育を受け、真面目な仕事をしていた。だが、たった一人の家族である母との縁は切れず、挫折を機に、母が紹介したプロの詐欺師ラックランとパートナーを組んで詐欺の世界に入り込んだ。ラックランはニーナの恋人にもなるが、心から信頼できる相手ではない。この世界から離れたいニーナだが、がんの治療費が払えないという母のために、リスクを覚悟で大きな詐欺の計画を引き受ける。

ラックランとニーナの詐欺のターゲットになったのは、裕福な家庭の令嬢ヴァネッサだ。インスタグラムのインフルエンサーとして有名になっているが、何の苦労もない優雅な生活を送っているように見えるヴァネッサの過去には大きな悲劇があった。婚約が破棄になった後、ヴァネッサは美しいネバダ山脈の麓にある家族の別荘Stonehavenに閉じこもった。そこで、ニーナ、ラックラン、ヴァネッサの過去と現在の欲、偽り、裏切り、秘密、報復が混じり合い、衝突する……。

2020年刊行のミステリ/スリラーのジャンルで大きく期待されていた作品のひとつ。
すでに、ニコール・キッドマン主演で、アマゾンプライム・ビデオでのドラマ化が決定しているという。

いわゆるheist(詐欺)と過去の出来事の報復が混じり合ったものなので、面白くないはずはない。…… と思ったのだが、期待はずれだった。最初の部分はペースも速くて内容に興味を抱けるのだが、その好奇心や緊張感が持続しないのだ。かなり初期にいくつかの「偽り」が見えてきてしまう。また、主要人物に興味を抱けないし、感情移入もできないところが致命的だと思った。犯罪者であっても、悪者であっても、読者を説得できる魅力がないと読み進めにくいものだ。特に500ページ近くもある場合は。一応最後まで読んだが、途中で相当飽きた。

最後あたりのシーンはなかなかスリリングだったが、そこまで頑張る気力のある読者のみにおすすめしたい。他の方は、アマゾンのドラマのほうを待ったほうがいいかも。

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