作者:Kimberly McCreight
Hardcover: 400 pages
Publisher: Harper (May 5, 2020)
ISBN-10: 0062367684
ISBN-13: 978-0062367686
発売日:2020年5月5日
適正年齢:PG15+
難易度:上級(8/10)
ジャンル:心理スリラー/法定スリラー/ミステリ
キーワード:結婚、夫婦の関係、殺人、弁護士、過去の恋愛、秘密、裏切り
ニューヨークに住む弁護士のリジーは、つい最近まで完璧な人生を送っていると実感していた。検事の仕事は給料は良くないけれども誇りを持っていたし、最愛の夫は協力的だった。しかし、その幻想が崩れ去り、結婚は暗礁に乗り上げ、お金のためにエリート弁護士事務所で働くことになった。
自分の人生について迷いを感じているリジーは、大学時代の友人ザックから思いがけない電話を受け取った。しかも留置場から。ザックの妻アマンダがブルックリンの自宅で死体で発見され、彼が容疑者として逮捕されたというのだ。ザックはリジーに弁護士になってくれるよう依頼するが、リジーは「自分の専門ではない」と断った。しかし、リジーが務める弁護士事務所のボスは何らかの意図でリジーに仕事を引き受けさせた。
しぶしぶ仕事を引き受けたリジーは、ザックたちが住んでいた「パーク・スロープ」の隣人や、子どもの学校のPTAでつながっている人々の奇妙に入り組んだ関係を知るようになる。表層的にはリッチで仲良しのカップルそれぞれが暗い秘密を抱えている。経済的に成功したザックとアマンダの関係もそうだが、彼らの友人たちも第一印象とは異なる。それに、ザックは何か大きなことを隠しているようだ。
新たな真相が明らかになるにつれ、リジーは「良い結婚」などはないのではないかと思うようになる……。
400ページもあるミステリだが、最初から最後までまったく飽きることがないページターナーだ。登場人物は多いが、主要人物のすべてがリアルに作られているので、多すぎると感じない。ザックという人物がなかなかの曲者であり、主人公も読者もうまく操ってくれる。そのあたり、作者はなかなか巧妙だ。
HBOでドラマシリーズになったBig Little Liesに似たところもあるので、アマゾンプライムビデオでシリーズ化するというのも納得できる。