家族も自分も愛せる人生を作り上げたジル・バイデン新大統領夫人の回想録 Where the Light Enters

作者:Jill Biden
Publisher : Flatiron Books
Hardcover : 224 pages
ISBN-10 : 1250182328
ISBN-13 : 978-1250182326
発売日:May 7, 2019
適正年令:PG15
難易度:レベル7(読みやすいが、文芸書からの引用や政治的な背景が難しいかもしれない)
ジャンル:回想録
キーワード:ジョー・バイデン、ジル・バイデン、副大統領、セカンドレディ、大統領、ファーストレディ、政治家の妻、離婚、再婚、家族愛、人生の意義

1月20日にジョー・バイデンが大統領に就任し、アメリカは再び大きく変わろうとしている。

シャイなので多くの人が集まる場や公衆の前でスピーチをするのが苦手だというジル・バイデン新大統領夫人は、オバマ政権で副大統領夫人を務めていたときにはあまり目立たない存在だった。

President Womanオンライン版の編集の方からジル・バイデンについて書いてほしいと依頼され、「『夫の人生だけを生きることはできない』ジル・バイデンが示す新しいファーストレディの生き様」というエッセイを書いた。

彼女については私も知らないことが沢山あったので、これまでのアメリカの記事を読むだけでなく、本人の視点でドクター・ジル・バイデンを理解してから紹介したいと思った。そこで「自伝のWhere the Light Entersを読んでから原稿を書きたいので少々お待ち下さい」とお願いした。

その内容などは、前述のPresident Womanのサイトに書いたので、ぜひお読みいただきたい。

この本の最大の魅力は、血が繋がっていない夫のジョーと継子のボーとハンターに対するジルの強い愛情だ。世界にあるすべての悪や災害から彼らを守ってやりたいという本能的な保護欲求まで感じる。ジョー・バイデンの跡継ぎのようにみなされていたボーが46歳の若さで病死したときの母としての苦悩にはもらい泣きしてしまう。

近年のファーストレディの誰とも異なるジル・バイデンだが、どの読者も自分との共通点を見つけることができるだろう。ヒラリー・クリントンやミシェル・オバマの回想録ほど売れなかった本だが、胸がじんとする良書である。

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