作者:Emma Törzs(本作がデビュー作)
Publisher : William Morrow (May 30, 2023)
Hardcover : 416 pages
ISBN-10 : 0063253461
ISBN-13 : 978-0063253469
対象年齢:一般(PG15)
読みやすさレベル:7.5
ジャンル:ファンタジー、スペキュラティブ・フィクション(文芸)
キーワード、テーマ:マジック・リアリズム、魔法、古書、代第伝わる家業、家族愛と忠誠心、ラブストーリー
2023年これ読ま候補
Kalotay家は代々魔術に関わる古書と稀書を守る家業を引き継いできた。異なる母親から生まれたEstherとJoannaは仲の良い姉妹で、Joannaの実母であるCelilyは2人を同等に愛してきた。姉妹の父親であるAbeによると、Estherの母親は彼女が幼い時にメキシコで殺害され、その後Abeは古書がきっかけで出会ったCecilyと結婚したということだった。
魔術の本にはそれぞれ独自の魔術を引き出す力があり、Abeの家系にはその能力を持つものが生まれてきた。だが、魔力を持つユダヤ系の者が迫害される歴史があり、そのために他人の前で魔力を使うことは禁じられていた。それにもかかわらず、Abeは自分の子供に魔力があるかどうかを試すようになった。Estherにはまったく魔力がないが、妹のJoannaには本の本性を直感的に見抜く能力があることがわかり、Abeは興奮する。
ある時、突然Estherが家を出て、Abeと言い争ったCecilyが「あなたのお父さんは家族よりも書物を選んだ」と家を出た。CecilyはJoannaに自分と一緒に来るように誘ったが、Joannaは父のもとに残り、書物の世話をすることを選んだ。そして、Estherは家を出てから一箇所にはとどまらず、時々葉書を送るだけで実家には一度も戻らなかった。Joannaは姉に見捨てられたと思っていたが、Estherが放浪の生活をしているのは、父から「お前が家に残ると、母親を殺した連中がやってくる。Joannaのところにも来る」と家を出るように命じられたからだ。毎年11月2日になったら居場所を変えるというのも父からの命令だった。
ところが、Abeが不可思議な古書を残して謎の死を遂げたことでバラバラになった家族が再び会い、危険にさらされながらAbeの死と古書の秘密を探ることになる。
魔術と古書、家族愛、そしてロマンスも混じった今年話題のファンタジー。アメリカではモーニングショーのGood Morning Americaでブッククラブ選書になるなど、ファンタジーのファンだけでなく、文芸書のファンにも読まれている。