占い師に自分の寿命と死因を予告されたら? 運命は自分で変えることができるのか? 絶望的なようで希望が抱けるLiane Moriartyの最新作 Here One Moment

 

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作者:Liane Moriarty
Publisher ‏ : ‎ Crown
刊行日:September 10, 2024
Hardcover ‏ : ‎ 512 pages
ISBN-10 ‏ : ‎ 0593798600
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-0593798607
対象年齢:一般(PG15)
読みやすさレベル:6(文章がシンプルで理解しやすい)
ジャンル:大衆小説、心理スリラー
キーワード:死の予告、生き方の選択、運命論、バタフライ効果(butterfly effect)
2024年これ読ま候補

タスマニア島からシドニーに向かう満席の飛行機は2時間の遅れの後ようやく飛び立った。ドリンクとスナックが配られてようやくフライトが落ち着いた時、何の特長もない白髪の女性が立ち上がった。そして、搭乗者ひとりひとりを指差し、「死因と死ぬ年齢」を伝え始めた。ある女性は脳卒中で72歳、ある高齢の夫婦は老衰え101歳と102歳という有り得そうな予告であり、真面目に捉える必要はない感じだった。

だが、もうじき職場での事故で死ぬ宣告を受けた中年の男性、同様にもうじき揉め事の外傷で死ぬという予告を受けた若者、乳児の息子が7歳の時に溺死するという予告を受けた母親、家庭内暴力で死ぬ宣告を受けたウエディングドレスの新婦、1年以内に自殺する宣告を受けた客室乗務員の女性にとってはたとえ信じていなくても大きなショックだった。

頼んでもいない予告に満足しない乗客が苦情を言うと、白髪の女性は「fate won’t be fought(運命に逆らうことはできない)」と機会的に繰り返すだけだった。

もうじき死の予告を受けた者たちにとってさらにショックだったのは、フライト後に、乗客の3人が予告通りに死亡したニュースだった。数年以内に乳がんで死亡する宣告を受けた妊婦は、検査に行って実際に乳がんの診断を受けたが「運命に逆らっても無駄だから、苦痛な治療はしたくない」と治療を受けることを拒否した。けれども、1年以内に職場での事故死を宣告された男性の妻は1年間仕事をやめるよう説得を始めた。息子が幼くして溺死するという宣告を受けた母親は、乳児の息子に水泳レッスンを受けさせる。そして、自殺の宣告を受けた客室乗務員の女性は、自分の仕事と恋愛について悩む…。

白髪の女性が誰で、彼女がなぜこのような行動に出たのかという謎とともに、「運命に逆らうことはできない」という運命論(宿命論)が正しくてどんな努力をしても運命を変えることはできないのか、それよりもこの予告を「警報」ととらえて人生を変える努力をするのか、という問いかけを追う小説。「小さな出来事が大きな結果につながる」というバタフライ効果も小説全体に流れているテーマである。

いったん読み始めたら、最後まで読みきらないと他のことができなくなるのは、天才的なストーリーテラーであるLiane Moriartyらしさ(実は私は彼女の作品は全部読んでいる)だが、この本は近年の彼女の作品のなかでも読後感の良さでは抜群だと思った。

文章が短くてシンプルなのと、ページターナーなので、ページ数は多いが、読みやすく感じると思う。

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