カリフォルニアのワイン産地を舞台に繰り広げられるマジカルで感動的な家族の崩壊と修復の物語。 When the World Tips Over

 

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作者:Jandy Nelson
Language ‏ : ‎ English
Hardcover ‏ : ‎ 528 pages
ISBN-10 ‏ : ‎ 0525429093
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-0525429098
対象年齢:YA(14 – 17歳)
Lexile measure ‏ : ‎ HL830L
読みやすさレベル:7(文章はシンプルだが構成がやや複雑。登場人物が多くて混乱する可能性あり)
ジャンル:YA(ヤングアダルト)、文芸小説、マジックリアリズム
テーマ、キーワード:伝説、家族の呪い、裏切り、秘密、家族関係の修復
2024年 これを読まずして年は越せないで賞候補作

北カリフォルニア州のワイン産地に住むFall家のきょうだいは、この地でワイナリーを始めた移民家族の子孫である。父親は子どもたちがまだ幼い時に家を出て以来行方不明になっており、有名なシェフの母親がシングルマザーとして3人の子どもを育ててきた。長男で19歳のWhytonはバイオリンの天才であり、誰もを魅了する才能を持っているが、問題行動が多く、ついに母親から出入り禁止を命じられる。父親が失踪してから生まれた末っ子のDizzyはワイナリーに現れる幽霊の存在を信じる夢見がちな12歳の少女で、兄のWhyntonの一番の理解者である。けれども学校でいじめにあっていることは誰にも打ち明けない。次男のMilesはすべての分野での優等生で母親のお気に入りだが、それゆえに他のきょうだい2人との間に距離がある。完璧な優等生としてのイメージを確立してしまったために悩みや苦しみを自分の中に閉じ込めてしまっている。

きょうだいがそれぞれに人生の危機に直面したとき、虹色の髪を持つ少女が現れて彼らを救う。Dizzyはその少女のことを、自分たちを救いに来た天使だと信じる。Whyntonは虹色の髪の少女に恋心を抱き、Milesはこれまで誰にも感じたことがなかった親密さを直感する。だが、虹色の少女が彼らを救う前に、Fall家は家族崩壊の危機を迎える…。

Fall家の過去には旧約聖書の「カインとアベル」のような兄弟間の殺人が起こり、それがFall家の呪いとして繰り返されてきた。その呪いを解く鍵になるのが虹色の髪の少女なのだが、Fall家の過去のストーリーと、虹色の髪の少女の過去のストーリー、そしてFallきょうだいの両親のストーリー、Fallきょうだいそれぞれが直面している問題が入り混じり、最後にひとつの物語になるという構成で、ティーンを対象としたYA小説としては入り組んでいる。ページ数も決して少ないとは言えないのだが、若い読者の反応はとても良い。

登場人物全員に何らかの欠陥があり、過ちを犯すが、それを乗り越えて関係を修復する希望が抱ける小説である。

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