テキサスの豪邸での盛大な16歳の誕生日パーティ。そこで起こったのは事故死か殺人か? ダフネ・デュ・モーリアの『レベッカ』を連想させるデビュー・ミステリ Party of Liars

 

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作者:Kelsey Cox
Publisher ‏ : ‎ Minotaur Books
Publication date ‏ : ‎ July 1, 2025
Print length ‏ : ‎ 336 pages
ISBN-10 ‏ : ‎ 1250378818
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-1250378811
対象年齢:一般(PG15)
読みやすさレベル:6
ジャンル:ミステリ、心理スリラー
キーワード、テーマ:Sweet Sixteen(16歳の誕生日を祝う特別なパーティ)、アメリカ南部、家族ドラマ、怨恨、復習、ガスライティング

テキサスの裕福な地域の崖の上にそびえる豪邸には悲劇的な過去があり、呪われているという噂があった。若いカップルがその屋敷を購入して改築し始めたのだが、完成する前に夫婦は離婚した。

豪邸に残った夫のEthanは精神科医として成功し、20代の若い妻と再婚した。2人めの妻のDaniは結婚する前からケーキ作りのインフルエンサーとして名前が知られており、独立した女性だった。けれども子どもを産んでから精神状態が不安定であり、「産後うつ病」を疑う夫の薦めで夫の友人の精神科医にかかっていた。

妻の心理状態を案じる夫の提言でアイルランド出身の中年女性を雇ったのだが、Daniは迷信深いOrlaithを信用することができない。

Ethanが前妻との間にもうけた娘のSophieはふだんは母親のKimと一緒に暮らしているのだが、Ethanは改築が完成した屋敷で16歳の誕生日パーティを開催することにした。その豪華な「ブラックタイ(正装)」のパーティにはSophieの友人はもちろん家族や友人、ふだんあまり交流がないこ地元の人々も招かれていた。

なるべくEthanを避けたいKimも、娘の誕生日パーティなので出席せざるをえない。結婚する前にはタフで独立心旺盛だったKimはEthanのためにアルコール依存症になり、獣医のライセンスも失ったと恨みを抱いていた。けれども、酔っ払って破壊的な行動を取るKimに同情する者はいない。娘のSophieすらそんな母の存在を恥じているようだ。

Sophieは自分のパーティに興奮していて親友のMikaylaが大きな秘密を抱えていることに気づいていない。

秘密や嘘を隠している人々が集まったパーティで、ある悲劇が起こる…。

パーティの最中に誰かがバルコニーから落ちたことは最初から明らかにされているが、それが誰なのか、なぜなのかは最後のほうにならないとわからない。

ページが進むにつれて主要人物たちが抱えている秘密や嘘、過去の出来事が少しずつ明かされてゆく。そのたびに読者は事件を推測するのだが、簡単に推測できないようにうまく作られている。登場人物の印象も、最初と最後では異なるようになっていて、特にKimには感情移入せずにはいられない。

ダフネ・デュ・モーリアの『レベッカ』を連想させる雰囲気があるが、全体的にはアガサ・クリスティの要素のほうが強い。

日本人の読者にとっては、16歳の誕生日を結婚式のように盛大に祝う「Sweet Sixteen」の風習が珍しく感じるだろう。これは(特に女子が)子どもから大人になることを祝うもので、南部のテキサスでは特にパーティの規模が大きいらしい。そういう部分も楽しめるかもしれない。

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