今年大人気のダークファンタジー&ロマンタジーだが、私の評価は…. Alchemised

 

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作者:SenLinYu
Publisher ‏ : ‎ Del Rey
Publication date ‏ : ‎ September 23, 2025
Print length ‏ : ‎ 1040 pages
ISBN-10 ‏ : ‎ 0593972708
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-0593972700
対象年齢:一般(PG15+ 性的コンテンツ、バイオレンス)
読みやすさレベル:7(文章はシンプルだが長い)
ジャンル:ダークファンタジー、ロマンタジー
キーワード、テーマ:ハリー・ポッターのファンフィクション『Manacled』、魔術、戦争、禁じられた愛、レイプ

 

魔術の世界Paladiaで禁じられていたネクロマンシー(死者を蘇らせる黒魔術)を活用する一派が謀反を起こし、長い戦争の後に政権を握った。Helena Marinoはかつて優秀なアルケミストだったが、戦争中はヒーラーとしてレジスタンス運動に参加していた。だが戦争でHelenaの友人たちはすべて死去し、彼女は囚われの身になっていた。

Helenaはほとんどの記憶を失っていたが、その失われた記憶に秘密が隠されていることを疑う。その謎を解明する役割を命じられたのは、新政権で最もパワフルで冷酷だという噂があるネクロマンサーの長官Kaine Herronだった。Kaineは戦争のきっかけを作った人物であり、Helenaは彼を憎んでいた。KaineのほうもHelenaを冷たく扱う。しかし、失われた記憶の中には、彼らの失われた過去も含まれているようだ…。

本書は作者SenLinYuのデビュー作でありながらも、発売前からTikTokで話題になり、大ベストセラーになったダークファンタジーである。なぜ発売前からこれほど話題になっていたかというと、オリジナルはハリー・ポッターのファンフィクション『Manacled』で、このファンフィクションに多くのファンがいたからである。それが注目されて大手出版社ペンギン・ランダムハウスのインプリントDel Rayから刊行されることになったという経緯がある。

もちろんハリー・ポッターのファンフィクションを出版するわけにはいかないので、人物などはすべて書き換えられている。けれども、ハリー・ポッターを読んだことのある読者であれば、誰が誰なのか大概の見当はつく。ハリー・ポッターではなくヴォルデモートが勝利した世界でのドラコ・マルフォイとハーマイオニーのロマンス(ファンフィクションの世界ではDramioneというらしい)がオリジナル『Manacled』の中心になっている。

また、マーガレット・アトウッドの読者ならすぐにピンと来ると思うのだが、The Handmaid’s Taleを彷彿させる内容でもある。作者によると、The Handmaid’s Taleを読んだのではなく、テレビシリーズの最初のエピソードを観たときにインスピレーションを得たということだ(原書ではなく!)。

本書はファンフィクションと知らなくてもオリジナルのダークファンタジーとして読めるように書き換えられているので、それだけで正直に私の感想を書くことにする。簡単に言うと、おすすめできる作品ではない。

最大の問題はレイプやドメスティック・バイオレンスなどに多くの言い訳をつけているからである。そういう作品はこれまでに多くあったし、そういった精神的虐待の苦悩を読むのが好きな読者がいるのも事実である。けれども、この長い本の多くのページが虐待の言い訳、というか「いや、実は愛なんですよ」という読者のガスライティングに費やされているのにウンザリしてしまった。どちらにしてもこの小説は1000ページが必要な内容ではない。半分でも長過ぎるくらいだ。

久々に「買って損した」と思った本なのだが、好きな人もいると思うので判断はお任せしたい。

 

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