人里離れたモンタナ州の小屋で父親に育てられた少女がようやく学んだ真実とは…。1990年代のシリコンバレーを出発点にした文芸スリラー What Kind of Paradise

 

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作者:Janelle Brown
Publisher ‏ : ‎ Random House
Publication date ‏ : ‎ June 3, 2025
Print length ‏ : ‎ 368 pages
ISBN-10 ‏ : ‎ 0593449789
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-0593449783
対象年齢:一般(PG15)
読みやすさレベル:7
ジャンル:文芸スリラー、文芸小説、歴史小説
キーワード、テーマ:反政府、反AI、反テクノロジー、テロリズム、1990年代のシリコンバレー、孤立、coming of age story(成長物語)

1990年代なかばから人里離れたモンタナ州の小屋で父親に育てられたJaneは、それ以外の世界を知らない。父はテクノロジーを有害なものとみなしており、暖房は薪のストーブである。野菜は自分たちで育て、肉は獲物を狩猟でしとめる。学校も有害なので行くことは許されず、Juneは父が与えてくれた哲学の本で自学自習してきた。母はJaneが幼い時に交通事故で死んだと父は説明していた。

Janeが唯一外の世界に触れられるのは、父が自費出版した本を販売している書店を一緒に訪問する時だけだ。Janeにとってその書店のオーナーの娘は大事な親友だったが、ティーンになって学校で他の友人関係を築き上げたその親友はJaneを切り捨てる。それまで父とだけの世界に満足していたJaneは、父が自分に隠している秘密があることを察知し、外の世界を渇望するようになる。

外の世界に行く機会を待ち望んでいたJaneは、父に外出の用事ができたときに手助けすることを申し出た。それを受け入れた父は、Janeにあるタスクを命じた。自分が同意していない犯罪に巻き込まれたJaneは父からも逃げ、自分の両親についての真実を探る旅に出る…。

アメリカには反政府の政治的理念を持つ人がかなりの数存在し、それらの人々が他人に関わらず存在できる深い森や山林地帯もある。この小説の舞台になったモンタナ州もその典型的な地域である。主人公Janeの父は、神童的な才能を持ち、1990年代初期のシリコンバレーでAIの先駆者的存在だったグループの一員だったが、数々の理由で反テクノロジー、反AIになったのだった。FBIのコードネームUnabomber(ユナボマー)として知られるTed Kaczynskiを彷彿とさせる人物だ。

この文芸スリラーの優れたところは、登場人物やテクノロジーなどを「善と悪」で判別していないところだ。愛ですらニュアンスを持って描かれている。切ないComing of age story(成長物語)でもあり、読後も長く余韻が残る。

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