日本で翻訳ミステリー大賞を受賞したアンソニー・ホロヴィッツの『カササギ殺人事件』完結編はシリーズ最高作 Marble Hall Murders

 

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作者:Anthony Horowitz
シリーズ名:Magpie Murder、Susan Ryeland (完結編)
Publisher ‏ : ‎ Harper
Publication date ‏ : ‎ May 13, 2025
Print length ‏ : ‎ 592 pages
ISBN-10 ‏ : ‎ 0063305704
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-0063305700
対象年齢:一般(PG12)
読みやすさレベル:7
ジャンル:ミステリ
テーマ、キーワード:伝統的ミステリ、劇中劇、Magpie Murder完結編

作者のアンソニー・ホロヴィッツはアガサ・クリスティのエルキュール・ポアロをTVシリーズにしたPoirotの脚本家だったことがあり、2016年に出版されたMagpie Murder(邦訳版のタイトル『カササギ殺人事件』)はアガサ・クリスティのオマージュ作品として知られている。日本でも翻訳ミステリー大賞を受賞するほどのベストセラーになった。

このシリーズで重要な役割を果たすのは、ポアロを連想させるAtticus Pünd(アティカス・ピュント)を主人公にした劇中劇のミステリシリーズと、その作者Alan Conwayである。けれどもシリーズの主人公はPünd(実際の発音は「プント」に近い)でもAlanでもなく、Alanのシリーズを担当した女性編集者のSusan Ryelandである。SusanはAlanの「自殺」に疑問を抱いて真実を追い求めるのだが、その結果危うく命を失いそうになる。

その事件の後、Susanは恋人と一緒にギリシャの美しい島に移住して小さなホテルを一緒に経営していたのだが、その生活に飽きてしまい、恋人と別れてイギリスに戻る。そこで依頼されたのがPündのシリーズの続編の編集である。Alanは死去したのでもちろん別の作家が続編を書くことになる。その役割に選ばれた若き作家Eliot Craceは、超有名な児童書作家 Marian Craceの孫だという。Eliotの態度は高慢だしPündのシリーズはアンラッキーなので関わりたくないのだが、他に仕事のあてがないSusanはしぶしぶ引き受けることにした。

Eliotの原稿を読み始めたSusanは、彼がこの作品に家族の秘密と祖母の死の真相を巧妙に書き入れていることを察知する。Susanが予感したように、これは彼女にとって危険な仕事になりつつあった…。

シリーズの第一巻が大ヒットしたとき、次の巻や最終巻でがっかりすることが多い。ところがMagpie Murderの完結編であるMarble Hall Murdersは最初の巻よりも巧妙であり、読み応えがあった。編集者としてのSusanの思考回路、そして劇中劇が現実と絡み合っていくところなど、ホロヴィッツの腕前に感心してしまう。

約600ページの長さだが、全然飽きることがなく読めるおすすめのミステリである。事件としては読み切りできるが、シリーズの最初から読むことをおすすめする。

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