カンヌ映画祭で起こった殺人の真相は? ハリウッドの映画業界で働く女性たちが日常的に直面するシビアな現実を描く心理スリラー We Would Never Tell

 

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作者:Anne-Sophie Jouhanneau
Publisher ‏ : ‎ Sourcebooks Landmark
Publication date ‏ : ‎ April 14, 2026
Language ‏ : ‎ English
Print length ‏ : ‎ 448 pages
ISBN-10 ‏ : ‎ 1464229430
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-1464229435
対象年令:一般(PG 15+)
読みやすさレベル:7
ジャンル:心理スリラー
テーマ、キーワード:ハリウッドの業界で働く女性の過酷な現実、カンヌ映画祭

フランスのカンヌで開催される「カンヌ映画祭」は世界三大映画祭のひとつであり、日本でもよく知られている。世界的なイベントだが、過剰とも言える豪華さを持ち込むのは巨額な資源を持つハリウッド映画業界である。

この心理スリラーの主要キャラクターである3人の女性はハリウッド映画業界で働いているもののきらびやかな「内側の世界」からは締め出されている。女優になることを夢見て地方からハリウッドに来たLouは「10年頑張って駄目だったら故郷に戻る」と決めていたが、その期限がもう目前に迫っている。Marnieは俳優のイメージ操作やPRを取り仕切るやり手「パブリシスト」のアシスタントとして有能だが満たされない思いを抱えている。スタイリストのConstanceは才能があるのに有名な俳優とのスキャンダルで解雇され、自立するためにあがいている。

3人それぞれが失望と野望、そして秘密を抱えてカンヌ映画祭にやってきたのだが、想像もしなかった事件に巻き込まれてしまう…。

ハリウッド映画業界を舞台にしたミステリやスリラーはかなり前から存在しているが、たいていの主要人物は俳優や女優、プロデューサーといった「内側の世界」の人々である。このスリラーでは、「内側の世界」に入り込みたくても入り込めないでいる女性たちの視点で描かれているところが面白い。

ストーリーに挟み込まれるポッドキャストや警察の事情聴取で初期から読者は殺人が起こったことを知るのだが、被害者は誰なのか、消えた宝石はどう関係しているのか、主要人物の3人の女性がこれらの事件にどう関わっているのは後半まで謎のままである。

また、きらびやかなドレスやパーティの数々、数多く行われるパーティのランキング、ゴシップやスキャンダル、あからさまな性差別や年齢差別など、この業界に無関係の読者にとってはとても興味深い。

3人の女性たちはあまり好感を抱けるタイプではなく、それを残念に思う読者も少なくはないだろう。しかし、あからさまな性差別が存在するハリウッドで生き残っていけるのはこういう女性たちだけじゃないかとも思えてくる。

いま(2026年5月16日)ちょうどカンヌ映画祭が開催されているので、そのさなかに読むのにピッタリのスリラー。

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