Category: ★★★★(英語ネイティブの普通レベル)
幻影の書-The Book of Illusions
著者:Paul Auster出版日:2002年9月純文学/現代文学 異才オースター渾身の大作 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0312421818&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4105217127&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 ヴァモントに住んでいる大学教授のZimmerは家族を飛行機事故で失ってから自己憐憫とアルコールに浸る生活を送っていた。しかし、ある夜無声映画時代のマイナーな喜劇俳優Hector Mannのフィルムの一部をテレビで見ているうちに忘れていた笑いを取り戻す。1929年以降姿を消したMannに興味を抱き、世界中を旅して彼のフィルムについて調査したZimmerは本を出版する。すると、ニューメキシコからHectorの妻だという女性からの手紙が届く。すでに死んだと思われていたHectorがまだ生きていて、Zimmerに会いたがっているというのだ。信じるべきかどうか迷っているときにMann夫妻を知っているという女性が現れ、Hectorが死に瀕しており、彼の死後は撮りためたフィルムが処分されることを伝える。人生の悲劇と喜劇、現実と幻影がたくみに織りこまれ、ストーリーテラーの腕前で偶然の重なりと幾重にも重ねられたストーリーをリアルに作り上げている。 これまでの自分の作品を集めて書き直しただけ、という批判もあるが、これまでの仕事を集大成する渾身の作、という見方のほうが強いようである。 ●ここが魅力!(私はオースターのファンではないので、熱狂的な書評を書けないのをお詫びしますが)、なんといってもストーリーテラーとしての才能がオースターの魅力でしょう。平均的な才能の作家であればとうてい処理できないような偶然の積み重なりを、リアルに読ませてくれます。現代文学の作家としては読みやすい簡潔な文体も魅力です。 ●読みやすさ ★★☆☆☆読みやすい文体ですが、状況をつかめるまでちょっと取り付きにくさを感じるかもしれません。 The Book of Illusions特別プレゼント!The Book…
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私が恋したラブストーリー-In the Country of the Young
著者:Lisa Carey出版日:2000年10月純文学/パラノーマル/ゴシックロマンス 孤独なアーティストと少女の幽霊の切なく美しいラブストーリー http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0060937742&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0060937742&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 今日は私の誕生日なので、とっておきの私のお気に入りをご紹介します。 舞台はメイン州の沖に浮かぶ小島。ボストン生まれの中年のアーティストOisin MacDaraは、愛する双子の妹Nieveが15歳のときに自殺して以来、誰とも心を通わせずに孤独に暮らしてきた。アイルランド系のOisinは生まれつき霊を見ることができるsecond sightを持っていたのだが、Nieveが死んでからはその能力を失っていた。けれどもOisinは、いつかNieveの霊が戻ることを信じて待っていた。霊が蘇るというSpirit NightにOisinのもとを訪れたのはNieveの霊ではなく、150年前に船の難破で死んだ7歳の少女Aislingだった。Aislingの霊も、そのときに見失った兄を求めていたのだ。生きたくて生きることのできなかったAislingは人間の少女として蘇るが、まるで生き急ぐかのように急速に成長してゆく。とまどいながらもAislingの世話をし始めたOisinは、初めて妹以外の人間に対する愛情を知るようになる。アイルランドの迷信と伝説が織り込まれた、切なく、美しいラブストーリー。悲恋でも救いがある結末が長く心に残る。 この本に出会ったのは、ボストンで行われたブックフェアでのことでした。Uncorrected Proofにサインしてもらうときに初めて会った作者のCareyは、彼女の作品によく登場する少女たちのように感受性が強くて繊細な感じの若い女性でした。評論家から高い評価を受け、出版社もキャンペーンに力を入れ、読者の評価が高かったにもかかわらず、なぜか商業的にはさほど成功を収めなかった作品です。邦訳されていれば絶対に好きになる人がいたと私は思うのですが。 ●ここが魅力!ともかく、文章が素敵です。匂いや色、肌の暖かさ、それだけでなく空気に含まれた水の粒子まで見えるような、すばらしい表現力と微妙な心理表現に、読み終えるのがもったいなくなります。たとえいつかは死ぬとしても、生まれてきて、いろいろな人と出会い、そしていろいろな愛を体験することのすばらしさに気づかせてくれる、そんな美しいラブストーリーです。 ●読みやすさ ★★☆☆☆非常に詩的な美しい文章ですが、ストーリーを追うのは難しいかと思います。ただし、この本は一行ずつ味わいながら読むべき本ですから、そのつもりで読めば楽しめると思います。いったん慣れると、読み終えるのがもったいなくて、わざとスローダウンしたくなるでしょう。 ●アダルト度 ★★★☆☆セックスシーンはありますが、ヤングアダルト程度の表現です。自殺も扱っていますし、中・高校生以上向けでしょう。…
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人が決断を下すときの感情と理性のバランス-How We Decide
著者:Jonah Lehrer発売日:2009年2月9日ノンフィクション/神経心理学/応用心理学 人の頭の中身ほど面白いものはない http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0618620117&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0618620117&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 私が昔大好きだったエルキュール・ポワロは、「灰色の脳細胞」が口癖の名探偵。得意技は心理分析による謎解きです。犯罪に限らず、人の心理が政治、経済、医学、などすべてにもっとも大きな影響を与えます。人間は他の動物にくらべて進化しているのだから合理的な動物かというと、そうでもないようです。どう考えても合理的とは思えない行動が何度も歴史を変えてきたのは周知の事実です。いったいなぜ人はそのような決断を下すのでしょうか?他人の意思決定の理由も謎ですが、自分の意思決定も謎です。あまり考えずに決めたことのほうがじっくり考えたものよりも良い結果をもたらすこともありますが、決断を早まったために後悔することもあります。私の場合、株式にかけては必ずといってよいほど間違った決断を下すのですが、「これは売れる本だ」という予感はほぼ当たります。どちらも同程度に限られた情報に基づくものですが、これほど判断力に差があるのはなぜなのか、自分でもよくわかりません。できればそれらの判断を下しているときの自分の頭の中を覗き見したいものです。このように、人の下す判断とその背後にある脳の働きほど不可思議で面白いものはありません。 Jonah Lehrer のHow We Decideは、emotional brain(感情を司る脳の部位とそれによる決断)と rational brain(合理性を司る脳の部位とそれによる決断)のバランスの重要性を説いています。第一印象の直感的な理解力の重要性を説いたマルコム・グラッドウェルのBlinkとよく比較されるのは、テーマが似ているだけでなく、紹介する逸話や実験の選択も類似しているからです。読者を引き込む面白いエピソードや実験で決して飽きさせないところも共通点です。もっとも大きな差は、グラッドウェルがジャーナリストであるのに対し、レーラーがノーベル賞受賞の神経学者のラボに勤務したことがある神経学者だということでしょう(彼のサイトを見ると、その若さに驚きます)。疾患のせいで感情を失い完全に合理的になった患者がかえって決断力を完全に失ってしまうというエピソードなど、神経学者だからこそ着眼し解説できる逸話がレーラーの強みです。Blinkでグラッドウェルが使った「thin-slicing」の説明に物足りなさを感じた者としては、脳のメカニズムを説明し、「いかに判断を下すべきか」というところまで言及しているHow We…
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傷ついた心が癒されてゆく詩情豊かな物語-The Speed of Light
著者:Elizabeth Rosner出版年:2001年純文学 静かで美しく、心が癒される物語を読みたい方におすすめ http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0345442253&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 ポーラとジュリアンの兄妹は、ホロコーストの過酷な体験から抜け出せない父親に育てられた。優れた声楽の才能を持つポーラは、住み込みでレッスンをしていたために父親の影響を逃れることができたが、ひとり残されたジュリアンは成人した今もひきこもり状態になっている。ポーラはプロの声楽家をめざしてヨーロッパでオーディションを受けることを決め、留守のあいだ掃除婦のソーラにジュリアンの世話を頼む。いっぽう掃除婦のソーラは、故国で政府軍が家族と村の住民全員を皆殺しにしたのを目撃し、たったひとりの生き残りとして罪悪感を抱いている。「生存者の罪悪感」の犠牲となり、幸福になれないジュリアンとソーラが、とまどいながらも寄り添ってゆく。傷ついた魂が未来に向かって生まれ変わろうとする過程を、詩人のRosnerがリリカルな文章で美しく描く。 邦訳版も早川書房から「光の軌跡」として出版されているようですが、残念なことにすでに廃刊になっているようです。 ●ここが魅力!詩人が書いただけあって、文章が詩情豊かです。登場人物の悲劇と繊細な心の揺れ動きにいつのまにか引き込まれ、読後にも彼らを長く忘れることができないでしょう。 私は2001年にAdvance Reader’s Copyをいただいて読みましたが、その後も何度も読み直したくなる本です。この本を貸した友人たちからも「ブッククラブで取り上げたい」といった反応を得ています。 ●読みやすさ ★★☆☆☆決して難しい単語を使っているわけではありませんが、詩的な文体なので状況をつかみにくいかもしれません。語り手がジュリアン、ソーラ、ポーラの3人の間で突然切り替わるのでそれに混乱を覚えるかもしれません。けれども語り手によりフォントが異なりますので、慣れれば混乱は減るでしょう。 ●これが気に入った方にはこんな本も。。。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0156031663&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0393328627&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1
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現代のSFファンが選んだSFの最高作
Goodreadという読書に関するソーシャルネットワークで(現時点で)約2300人が投票している「Best science fiction books」のトップ5(といいながらボケて6つ載せてしまいました)です。 1. Ender’s Game1985年に出版され、1991年に現在の政治状況に合わせるために改訂された。未来の地球。異星人Formics(昆虫のような生物なのでBuggersとも呼ばれる)との2度の戦争をなんとか生き延びたが、将来の侵略が予想される。将来の戦争でのコマンダーを養成するために、世界中から最も優れた才能を持つ子供たちが選ばれ、幼いときから家族から引き離されて養成学校で戦いと戦略のトレーニングを受けるシステムができていた。主人公のEnderはその中でも飛びぬけて優秀であったが、それゆえに孤独を味わう。ネビュラ賞とヒューゴ賞の両賞を受賞した作品。 読みやすさは★★と★★★の中間。文章はさほど難解ではないが、SFなので造語が多く、状況をつかみにくい可能性がある。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0765342294&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 2. Dune1965年出版で、ヒューゴ賞受賞。また、当時新設だったネビュラ賞の最初の受賞作でもある。2000年後の未来、人類は宇宙に散らばり、多くの惑星に居住するようになっている。砂に覆われた惑星アラキスには、全宇宙を支配する力を持つメランジと呼ばれるスパイスがある。このスパイスをめぐる闘いと革命などここでは到底まとめられない非常に壮大なシリーズ。 読みやすさは★★。状況がつかめるまでは、読み進めるのが困難に思えるだろう。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0441172717&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 3. The…
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ロマンスのカテゴリーには入れたくないラブ・ストーリー
「ロマンス」と呼ぶと、フォーミュラに沿って書かれたハーレクイーンロマンスを連想されてしまいそうなので、ときどきちょっとカテゴリー分けに悩むことがあります。ハーレクイーンロマンスは、「escape read(現実から離れて楽しむための本)としては、展開に裏切りがなくてそれを求める読者には良いと思います。けれども、独自の世界を持ち、読後に余韻を残すラブストーリーをそれと一緒にするわけにはゆきません。でも、他にカテゴリーの表現方法がないので、ロマンスのカテゴリーに入れている作品があります。 というわけで、次のリストは、ロマンスのカテゴリーには入れていますが、それ以外の要素が強いラブストーリーです。Twilightを読み終えて、「次は何を読もう?」と思っている方、「Twilightなんて甘いロマンスは読みたくない」、という方、どちらにもおすすめです。 ロマンスのカテゴリーに入れたくないラブストーリー 読みやすさとしては、★★★から★★のレベルです。 もっとも読みやすいのを「Twilight」と設定して、次がThe China Garden, Poison Study,Ferney, Time Traveler’s Wife, Outlander(これは長編ですが、とても読みやすい文です), Silent…
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Daemon -今年最大のテクノスリラー
著者:Daniel Suarez 2009年1月発売 テクノスリラー/現代文学 私はローテクでコンピューターゲームにはまったく興味がない人なのですが、IT 技術やコンピューターゲーム、情報セキュリティを満載したテクノスリラーDaemonにはぞっこん惚れ込みました。作者のSuarezに「これは稀にしか生まれないモンスターだ!」というファンレターを出したほどです。ともかくものすごい才能を感じさせる本です。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0525951113&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0525951113 コンピューターゲームの天才クリエーターで「サイバーストーム」というゲーム会社のCEOマシュー・ソボルが脳腫瘍で死去したことがオンラインニュースで伝わる。このニュースが引き金になり、ソボルが生前にプログラムしていたDaemon(注:IT用語辞典によると、UNIX系OSにおいて、バックグラウンドで動作するプログラムのこと)が動き出す。最初は2人の社員の死だったが、担当の刑事は徐々にこれが単純な殺人事件ではないことを悟り、頑固に通常の対応をして状況を悪化させてゆくFBIとは別に個人的に調査を進めてゆく。だが、彼自身も実はソボルが生前にプログラムしていた駒のひとつだったのだ。Daemonは大企業を操り始め、阻止しようとするFBI、CIA、NSA(National Security Agency)などの政府機関すら非力な存在になってくる。 Daemonには、担当刑事のピーター・セベックやフリーランスのコンピューター技術者のジョン・ロスなど重要な登場人物はいるがはっきりした主人公はない。主要人物の感情的な相互作用そのものがあまり重要ではない。この物語では、防衛機関や大企業でフリーランスのシステムコンサルタントをしてきた作者だからこそ描ける、テクノロジーのリアリスティックな破壊力が主人公である。オンラインゲームのファンであればそれに近いビジュアル感覚を得るかもしれない。ともかく、Daemon(と作者Suarez)の非情な攻撃には最初から最後まで休憩する暇がない。 ひとつだけ文句をつけるとしたら、エンディングのあいまいさであろう。 続編が期待される。 読者からは、「マイケル・クライトンの再来!」、「マイケル・クライトンより優れた才能!」という声が聞こえるが、私は少し「リング」を連想した。…
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Down River(南部の哀愁を感じるミステリー)
著者:John Hart 2007年10月初刊 ミステリー/米国南部 読みごたえがある文学的なミステリーを求める方におすすめの一冊 The King of Liesで彗星のようにデビューしたJohn Hartの第二作。 Adam Chaseは5年前に義母の証言により殺人罪で起訴され、有罪判決は逃れることができたが人々の疑惑は消えることがなかった。何よりも息子の自分ではなく義母を選んだ父をAdamは許すことができなかった。5年間恋人とも連絡を取らなかったAdamだが、子供時代の友達Dannyから懇願されて故郷に戻る。 だが、そこで待っていたのは、母の自殺の真相、父が母の死後につくりあげた家族との葛藤、そしてさらなる殺人事件だった。 主人公を含め、登場する者すべてに弱みがある。みな、過ちを犯し、嘘をつき、傷つく。だが、それを許し、受け入れ、癒されることができるのも人間である。抒情詩のような美しい文体と、南部の男流のハードボイルドさが微妙にマッチして、特別な雰囲気をかもし出している。 ミステリーとしてだけではなく、純文学としても楽しめる。…

