Category: 古典

『新・ジャンル別洋書ベスト500プラス』という、大それた「洋書決定版」を作りました! #これ読ま

大きな野望を持って、3年かけて作った、だいそれた本です。

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時代を先取りしていた女流作家にあらためて脱帽する古典『North and South』

著者:Elizabeth Gaskell出版年(国):1855年(英国)ペーパーバック: 480ページ(Penguin Classics Revised版)ISBN-10: 0140434240(キンドル版は米国で無料、日本では99円)ジャンル:古典、文芸(『ジャンル別 洋書ベスト500』の古典ジャンルでご紹介)適正年齢:PG12(中学生以上)難易度:上級(ネイティブの普通レベル)キーワード:ビクトリア時代、階級、資本主義、社会問題、ラブストーリー あらためておすすめしたい古典シリーズ   ビクトリア時代の英国では、貴族や地主の階級が住む南部と、工業が盛んになっている北部には、環境だけでなく、社会経済的な差が作りあげた文化や習慣、考え方の差があった。裕福な叔母のロンドンの邸宅でしばらく暮らしていたMargaret Haleは、姉妹のように親しくしていた従妹の結婚後、両親が住む南部の田舎町に戻った。ロンドンの社交生活が苦手で自然を愛するMargaretは、ようやく戻ることができた南部の生活に満足していたが、倫理を重んじる牧師の父親が教会と縁を切り、家族は北部に移住することになる。

『Anne of Green Gables』のプリンスエドワード島を(ようやく)訪問

私が赤毛のアンに出会ったのは、母が私たち姉妹のために購入してくれた『少年少女世界の名作文学』を通じてのことで、小学校1年か2年生の時でした。このシリーズは小学生向けに簡約されているもので、私が本格的にアンに夢中になったのは、詳しいほうの翻訳作品を読んだ中学生のときでした。中学校の図書館にあったモンゴメリの作品をすべて読み尽くしたのもこのときです。

映画でおなじみのクラシックを読み直してみよう

相当な本好きでも、映画でしか知らないクラシック文学はけっこうあるのではないでしょうか。 または、映画の題名は知っているけれども、観たことも、読んだこともない、というケースも。私にも、そんな本がけっこうあります。(日本ではnot availableだそうです)、キンドルで無料で読めるものも沢山あります。著作権が切れているものもありますが、期間限定で無料の作品をいくつか見つけましたのでご紹介します。ここでご紹介する作品には期間限定のものがありますから、購入前に必ず料金をチェックしてください。

懐かしさがこみあげるクラシック-Daddy Long Legs

今日は、YAのクラシックを。 音楽のように、ある作品が過去のある時期の思い出に重なり、タイトルを耳にするだけで懐かしく、そして切なくなることってありますよね。私にとってはDaddy Long Legsがそんな本です。今日、偶然このタイトルにぶつかって、子どものころ胸をときめかせた感覚が蘇りました。赤毛のアンのように、「いっしょうけんめい勉強して、心優しく、前向きで、けれどもユーモアのセンスがあって、他人とはちょっと違う女性になったら、いつか素敵な人が現れて愛してくれる」と夢見させてくれた本です。今の子にもこういうロマンスを読んで育ってほしい、なんて思うのは年寄りになった証拠でしょうか。 著作権が消滅していますので、無料で読むことができます。アニメや日本語版でしかDaddy Long Legsを知らない方にぜひ原語で読んでいただきたい作品です。チャーミングなJerusha Abbotの語り口につい引き込まれてしまうでしょう。今読み返しても、ドキドキするエンディングです。 ヤングアダルトから大人向けに書かれた本ですが、小学生にもおすすめできます(私は小学校高学年のときに虜になりました)。 ●読みやすさ ★★★☆☆ 現代の口調とほとんど変わらず、しかも現代のようなスラングがないので、★4つに近い読みやすさです。 オンラインで読むのが面倒な方は、コンピューターにダウンロードしてごゆっくりどうぞ。 daddy_long_legs.pdfをダウンロード 本のほうが好きな方には、続編の「Dear Enemy」も入っているこちらをおすすめします。…

オースティンのゾンビ版-Pride and Prejudice and Zombies

Jane Austen と Seth Grahame-Smith 2009年4月4日 パロディ/ゾンビ/クラシック 発売前からAmazon.comで売り切れ状態のゴアで爆笑のパロディ Quirkというインディ出版社からの小品がこれほど売れているのは、まさにインターネットの「クチコミ」パワーです。私が存在を知ったのも、The Name of the Windの作者Patrick Rothfussの2月のブログでした。発売前からAmazon.comでは売切れていて、仕方がないので(Amazon.comの2倍の値段なのだけれど)Barns &…

永遠のロマンス最高作-Pride and Prejudice

現代のロマンス作品はすべてこの作品のパクリである、と言ってよいほどロマンスのお手本になっているのがジェーン・オースティンのPride and Prejudiceです。著作権が消滅していますので、どうぞごゆっくりお読みください。オンラインで読むのが面倒な方は、pride_and_prejudice.pdfをダウンロード してお読みください(出典はProject Gutenberg)。 ●読みやすさ ★★☆☆☆(訂正)   → ★☆☆☆☆(慣れた人向け) Pride & Prejudicehttp://d.scribd.com/ScribdViewer.swf?document_id=2511626&access_key=key-ee5vtkoxit8l0y6x9ty&page=1&version=1&viewMode= Publish at Scribd or explore…

Jane Eyre

作者:Charlotte Brontë 1847年刊 ジャンル:英国文学/クラシック/ロマンス/ゴシックロマンス http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0141441143&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 孤児のJaneは叔母や従兄から虐待され、10歳で慈善施設の学校Lowoodに送り込まれる。Lowoodで慢性的な餓えと学校の管理者による不条理な抑圧に耐える8年を過ごしたJaneは、外の世界を夢見て家庭教師の個人広告を新聞に載せる。 Janeが見つけたのは、Thornfield屋敷の主Mr. Rochesterが元愛人のフランス人オペラ歌手から引き取った少女の家庭教師の職だった。Mr. RochesterはJaneの2倍ほど年上で容貌は醜く毒舌だ。しかもときおり暗い気分になり他人を寄せ付けない。けれども、JaneとRochesterは互いだけが理解し合える知性や真摯さに惹かれる。 友情が恋愛感情に変わる兆しが見えたとき、心をかき乱す出来事が次々と起こる。夜中に不気味な笑い声が響き、誰かが眠るRochesterのベッドに火をつける。そしてJaneに秘密を打ち明けないRochesterは他の女性と結婚することをほのめかす。 ●読みやすさ ★★☆☆☆ まず、クラシックは現代の小説に比べて読みにくい、ということをご承知ください。 けれども、これはクラシックな文芸作品のなかでは、もっとも読みやすい小説のひとつです。第一人称であることと、物語があちこちに飛ばないことが読みやすさに繋がっています。 “presentiment”, “effervesce”といった18世紀、19世紀特有の表現にときどき出くわすのとフランス語やドイツ語の会話が英語で説明されていないことに戸惑うかもしれませんが、だいたいの意味が想像できれば飛ばしても大丈夫です。…