Category: 洋書初心者へのアドバイス

子供を読書好きにする方法

米国の有名な児童書の文芸賞に Caldecott Medalというのがあります。19世紀英国のイラストレーターRandolph Caldecottの栄誉を称えて命名されたもので、毎年 American Library Association のAssociation for Library Service to Children部門が最も優れた絵本に対して賞を与えます。ALSCの賞には他にも有名なNewbery Medalがあり、こちらは絵本ではなく児童書が対象です。 2009年のCaldecott…

英語の多読をめざす方に

このブログを始めたときには「多読」とか「タドキスト」という言葉を聞いたことがなかったのですが、ブログを通じていろいろな方と知り合い、「なるほど、こういう方法もあったのか」と思うようになりました。 ネットを通じて知り合った佐藤まりあさんがお書きになった「大人のための英語多読入門」(コスモピア社:酒井邦秀監修)を読んで同感したのは次の「多読三原則」です。 ①辞書は引かない②わからない部分は飛ばす③進まなくなった本は後回し これらは、私が洋書初心者に薦めていた方法と同じです。「単語学習ゲームなどは役に立ちませんか?」というQへのAが「役に立ちません」であったり、文法に関しても「とりあえず、文法のことは忘れていてください」であったりするところにも大いに共感しました。現在、私が平均的なネイティブよりも本を読むのが速いのは、いまだに「わからない単語」を無視しているからです(威張るようなことでもありませんが)。そのジャンルの本を沢山読めばそのうち意味はわかるようになってくるものです。つまり、多読こそが洋書に慣れる唯一の方法なのです。 この本と私の方法の違いは、私が幼いころから絵本や児童書よりも小説のほうが好きだったことからきています(絵本や児童書を楽しめるようになったのは、わが子に読み聞かせるようになってからです)。また、私は関西弁で言うところの「いらち」なんです。というか、日本人には珍しくコツコツ積み上げる勤勉さに欠けるんです。それでいきなり好きな文芸小説やミステリを多く読むことで洋書そのものに慣れたのですが、その方法をすべての洋書初心者におすすめするのは無理でしょう。そこで、本ブログでは、ストーリーがあり、感動もする9歳から12歳向けの児童書、あるいはそれよりも文法が簡単な傾向がある中高生が対象のヤングアダルト(YA)本から始めることをおすすめしてきました。けれども、それでも「難しすぎる」と挫折する方はいらっしゃるかもしれません。 そういう方におすすめなのが、もっと簡単な本を多く読むことから積み上げてゆく方法です。佐藤さんの「大人のための英語多読入門」は、「楽しみのための読書」という基本的な考え方からレベルの説明、推薦本まで、大人(特にプラチナ世代)になってから洋書を読み始めようとする方に必要な情報が揃っています。いきなり好きな洋書を試して失敗した方は、プラチナ世代でなくても佐藤さんの方法を試してみてください。きちんと従えば、きっといつかすらすらと読めるようになるでしょう。また、読後には佐藤さんのブログで新たに読む本の情報も得ることができます。 また、同じ理論で英語を学ぶ方のための「多聴多読マガジン」(コスモピア社)はCDもついていてなかなか情報満載です。私も8月号に1ページだけ寄稿しています。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=4902091607 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=B002CXEDY2

レキシントン町の図書館が薦める児童書推薦リスト(K-1)

私が住む町の図書館では、毎年夏休み中に読む推薦書リストを作成しています。 その中から、年齢別に何冊かずつご紹介してゆこうと思います。第一回の今日はK-1、つまり幼稚園から小学校1年生のレベルです。 洋書初心者の方にも参考になるのではないかと思います。 まずはリストの中から最も難易度が低い作品3つです。Amazonの「Click to Look Inside!(クリック、中身!検索)」でレベルをチェックしてみてくださいね。 1. Biscuit and the Baby http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0060094613&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0060094613&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 2….

洋書のバーゲンブックを狙おう!

Amazon.co.jpのおかげで最近は日本でもけっこう廉価で洋書が入手できるようになったようですね。アメリカの価格とそう変わらないものが多いようで驚きます。 でも、アメリカのAmazon.comを使った安い洋書の入手方法もあるのですよ。 それは、バーゲン価格に値下げした本を注文することです。Amazon.comのバーゲン価格のページはこちらです。 日本のアマゾンからアメリカに注文すると送料が3000円ほどかかるのでなかなか思い切って注文できませんが、アメリカのアマゾンから日本へはたったの4.99ドルで送ってもらえます。 でも、バーゲン本の在庫の多さではBurns & Nobleにはかないません。Burns & Nobleのバーゲンページを見て下さい。ただし、送料はAmazon.comよりやや高く、5.49ドルです。5.99ドルで準速達便(Priority Mail)になります。私はBurns & Nobleのオンラインを利用したことがないので、それについては評価できません。 バーゲン価格になっているものにはけっこう過去のベストセラーが多いので、それが魅力です。ペーパーバックが発売されるとハードカバーが売れ残るので、バーゲンでハードカバーを処分するのがよくあるパターンです。特にアートや料理の本など、ハードカバーである必要がある本を希望される方は日本のアマゾンで購入するよりも安くなる可能性が高いので、ぜひお試しください。 アメリカにお住まいの方はBurns &…

洋書初心者におすすめの感動作-The Music of Dolphins

作者:Karen Hesse1998年ニューベリーメダル受賞作児童書:9-12歳(小学校3,4年生から) 初心者でも簡単に読め、絵本では味わえない読後感を与えてくれる児童書 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0590897985&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0192719602 サーチエンジンのおかげでこのページから訪問される方が多いようですので、追記させていただきます。 洋書初心者の方は、(この本ではなく)2010年に始めた「洋書ファンクラブJr.」をぜひ参考にしてください。 本ブログの「失敗しない完読テクニック」シリーズですでにお話ししたことですが、(絵本が趣味、という人は別として)洋書初心者が絵本から始めることにはあまり賛成ではありません。絵本と大人の本はまったく別物だからです。洋書初心者に「The Music of Dolphins」をお勧めするのは、読みやすく、短く、そして大人でも満足できる内容の本だからです。次は初心者が読了するためのコツです。 まず、全体の内容を把握します。(理想的にはネタばれは良くないのですが、楽に読了することを目指していますので、読み始める前におおまかな筋書きを知っておくことをおすすめします) いったん読み始めたら、知らない単語が出てきても辞書はひかず、少々分からない文章が出てきてもどんどん先に進みます。 読了後にもう一度辞書を引かずに読んでみます。すると、最初に読んだときに分からなかった単語の意味が想像できるようになります。 (気になる方は)2回目に読んでどうしてもわからなかった単語の意味を調べます。…

軽くてユーモアがあるパラノーマルロマンス-The Mediatorシリーズ

著者:Meg Cabotヤングアダルト/パラノーマル/ロマンス(やや) 初心者でも簡単に読めるパラノーマル・ヤングアダルト本 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0060725117&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=ss_til&asins=0060725117 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=ss_til&asins=4652077572 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=ss_til&asins=4864910189 今日は初心者でも気軽に読める娯楽作品をご紹介します。 The Mediatorシリーズの主人公は女子高生のSuze。彼女には幽霊が見えるだけでなく会話をする能力がある。母の再婚でニューヨーク市からカリフォルニアに移住したところ、彼女の部屋には19世紀に死んだハンサムな幽霊のJesseがすでに住み着いていた。第一話Shadowland (Book 1)では、Suzeと義理の兄弟が通う高校にボーイフレンドにふられて自殺した女子高生の幽霊が出没する。Suzeはメディエーターとして恨みから殺人や破壊をたくらんでいる幽霊に成仏するように働きかけるが、思わぬ危険が待っていた。 幽霊のJesseとのロマンスやユーモアある軽いタッチが女子中学生・高校生に人気。 この本を希望者の中から抽選で1人にプレゼントします。締め切りは3月16日(月曜日)午前0時.申し込みはこちらで。 ●ここが魅力!Princess…

思春期の少女の危うさ-Go Ask Alice

作者:Anonymous (実在の少女の日記として出版されたが、最近になって心理カウンセラーのBeatrice Sparksが作者と判明)出版日:1971年ヤングアダルト/思春期の少女の心理/日記(これについては異論あり) http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS1=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=ss_til&asins=1416914633 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=1416914633&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 大学教授の父を持つ普通の少女が、ドラッグ中毒になってゆく過程を日記に綴ったもので、1971年の発売当初は60年代後半にドラッグのオーバードースで亡くなった実存の少女のものだと信じられていた(その後心理学者でこの本の編集者であるベアトリス・スパークスのフィクションだということが分かった)。 フィクションだとしても、ドラッグはいけないことだと信じ、好きな少年と結婚するまで処女でいることを夢見ていた普通の少女がドラッグやセックスの世界にずるずると入り込んでゆく様子は、リアリスティックである。私が小学生のころに書かれたものだが、今の高校生が読んでも古さを感じないようである。高校生の私の娘の感想は、「面白かったけれど、落ち込む本だ」というものである。現実の世界との差をたずねると、「(私が通っている)高校でもドラッグをやっている人はいるし、誰もがそれを知っているけれど、やっていない人を引き込もうとはしない。まあ、パーティに行けば別かもしれないけれど、それは行かなければすむことだし」と言う。またドラッグをしていない生徒たちのほうも、Go Ask Aliceに書かれているような「ドラッグをやっている人だから避けよう」という感じはないらしい。だが、以前取材で娘と同じ高校に通っていた男子生徒は、ドラッグを押し付けられる人間関係があり、そこから抜け出すのが大変だったことを打ち明けてくれた。「高校生がこの本を読んだからドラッグを避けよう、と思うかな?」と娘に尋ねると、「ちょっとだけやってまだ怖さを知らない子には効果があるかも」と答えた。 ●読みやすさ ★★★☆☆先日ご紹介したThe Perks of Being a Wallflowerと同様に、日記なのでとても分かりやすい英語です。200ページ程度の薄い本なので、読了も簡単です。初心者におすすめの一冊です。…

現代版の「ライ麦畑」?-The perks of being a wallflower

著者:Stephen Chbosky出版日:ヤングアダルト/思春期の葛藤/現代小説 現代を生きる普通の男子高校生のリアリスティックな姿 http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0671027344 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0671027344&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 友人あての手紙の形を取った小説。主人公のチャーリーは高校一年生の男の子。可も不可もなく、ごく普通の目立たない存在である。パーティで男の子がダンスに誘ってくれない女の子のことを「壁の花」と呼ぶが、チャーリーは男の子版の「壁の花」。内向的で、行動型ではなく分析型なのであまり目立たない。 作者は脚本家で映画監督のStephen Chbosky。 読んだ人はすぐにピンとくると思うが、これはChboskyによる現代版の「The Cather in the Rye(ライ麦畑でつかまえて)」である(内容は異なるので、ご心配なく)。「文学作品として後世に残るか?」とたずねられたら答えは「No」である。けれども、私には「ライ麦畑」よりもずっと面白かった。というのは、主人公のチャーリーが等身大だからである。文芸作品ではないがゆえに、思春期のつらさを正直に描けているような気がする。友人の自殺、家族や友人との人間関係、初恋、性とドラッグの初体験、と多くの葛藤が詰まっているが、あからさまに作り話に感じないのは、実際に思春期とは難しい年代だと知っているからだ。体の成長だけでなく、自分と周囲のティーンのホルモンの変化、それに伴う心身のアンバランスと人間関係のゴチャゴチャ、加えて大学進学とかいろんなことにいっぺんに対応しなければならない。わが娘がいうように「It's tough being a…