Category: Battle of the (Kids’) Books_
Battle of the (Kids’) Books 第一ラウンド第四マッチ
引き続きバトルの中間報告です。ここから入った方はこちらを。 このマッチは、人間の心の暗い部分に踏み込んだ、ダークで複雑なヤングアダルト本です。審判も、これ以上それに適した人はいないだろう、と感じるHow I Live Now(これは私のおすすめYA本)のMeg Rosoff。 まずは英国の由緒あるカーネギー・メダル賞を受賞したHere Lies Arthur。魔法使いマーリンによって英雄化されているアーサー王ではなく、残忍で暗いアーサー王を描いたものとのこと。Here Lies Arthurの語り手は男女の性がシフトするマーリン(Myrddin)の侍者。 次のTender Morselsは、表紙だけ見るとまるで童話のようです。ところが、内容は近親相姦、ギャングレイプという重いテーマを扱ったもので、単にスキャンダラスな描き方ではなく、文学として昇華させたヤングアダルト本としては珍しい本のようです。審判のRosoffによると人間の魂に宿る最も暗い闇にアクセスことができる作品とのこと。 そして勝者は... Tender…
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Battle of the (Kids’) Books 第一ラウンド第三マッチ
引き続きバトルの中間報告です。ここから入った方はこちらを。 第一ラウンド第三マッチは、独立戦争の時代がテーマ。 Chainsは、1776年5月から1777年1月のニューヨーク・アイランド(現在のマンハッタン)を舞台に奴隷の少女Isabelが独立戦争のさなかに自由を求める闘いを描く小説です。そして、Washington at Valley Forgeは1776年の12月、ニューヨークでの英国軍との戦いに敗れたワシントンがペンシルバニア州のValley Forgeに撤退したときの苦難を描くノンフィクションです。審判は、Chainsの著者Laurie Halse Andersonとは友人、Washington at Valley Forgeの作者は昔から尊敬する心の師、ということで審判役を断りたかったほど悩んだようです。 どちらも優れた作品で両方読み比べるのが一番良いようですが、結果は「英雄よりも無名の少女の闘い」の勝利です。奴隷もの、ということでしり込みする方がいるかもしれませんが、Laurie Halse Andersonは、社会的・心理的な問題を扱ったロングセラーSpeakやWintergirlsの作者で、このChainsも大人を含め、広い読者層に受け入れられるものだと思います。…
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予想外の結果Battle of the (Kids’) Books 第一ラウンド第二マッチ
2008年にアメリカで出版された児童書(9-12才、ヤングアダルト)の最高作品を選ぶSchool Library JournalのBattle of the (Kids’) Booksの第一ラウンドの第二マッチです。 マーク・トゥエインの児童用伝記であるThe Trouble Begins at 8は通の間で絶賛されていますが、ニューベリーメダル賞を受賞したNeil GaimanのThe Graveyard BookはBattleの本命とみなされていました。ところがどっこい。。。…
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2008年最高の児童書を決めるBattle of the (Kids’) Books 第一ラウンド
2008年にアメリカで出版された児童書(9-12才、ヤングアダルト)の最高作品を選ぶSchool Library JournalのBattle of the (Kids’) Booksが今日からスタートします。読者もオンラインで投票できますが、それぞれのラウンドの審判の多くは有名な児童書作家です(またはこの業界のプロ)。 battle_of_the_kids_book_chart.pdfをダウンロード 第一ラウンドマッチ1はこの2作から。審判はThe Horn BookのEditor in ChiefのROGER SUTTONです。 どちらも死を扱ったハードな作品で、Ways…