Category: ファンタジー
Wicked- ミュージカルとは異なる原作
著者: Gregory Maguire初刊:1995年9月ジャンル:純文学/ファンタジー/SF/社会風刺 「考える」ことを強要する読書体験を求める読者におすすめ http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0061350966&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4797342706&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 今は人気ミュージカル「Wicked」の原作者として有名なMaguireですが、それまではさほど有名ではない児童作家で、6年前まで私の娘が通っている小学校に創作を教えに来てくれていました。彼は茶目っ気がある人物で、教え方もちょっとWickedで可笑しいのです。子供たちはMaguireが自分たちと同じ視点で語ることを肌で感じ、すっかり彼に魅了されていました。 そのようなわけで、私がWickedを読んだのはずいぶん昔のことです。一緒にボランティアで企画に関わっていた先生方はニューヨーク市までミュージカルを観に行ったのですが、私は見逃しています。ただ、観た人の話から判断すると、相当トーンが異なるようです。原作は複雑で暗く、私は、「軽い気持ちでは読めない本だけれど、読み応えがある」という感想を抱きました。私がこの本に好感を抱いたのは、それまでにMaguireの社会観に触れていたからかもしれません。この本は、彼のように取り付きやすい外面にもかかわらず、中身が非常に複雑なのです。 まず、これは誰でも知っている「オズの魔法使い」をドロシーではなく、彼女が殺すことになったWickedな西の魔女Elphabaが主人公の物語です。これだけの説明だと「あら、面白そう」と軽く読めそうな気になりますが、そうはいきません。緑の肌と鋭い牙を持つ危険な赤ん坊のElphabaが学問好きでシリアスな少女に育ち、そしてアンダーグラウンドの革命家や動物の人権運動家になり、ついにWickedな統率者として死を迎えるまでの人生を、相当複雑な宗教・社会・政治的観点から描いています。簡単にElphabを善か悪のカテゴリーに入れることはできないので、それも読者にとってはチャレンジです。この物語を嫌う読者の心情も容易に想像できます。主人公のElphabaに同情を覚える読者はいるかもしれませんが、感情移入は困難です。また、読後に暖かい気分になれる「feel good」なストーリーでもありません。けれども、もし私がこれを学生時代に読んでいたら、「これほどすばらしい本を読んだことはない」と言ったと思うのです。 ミュージカルの原作、という先入観で読むとがっかりするかもしれないので、それとは異なる作品として読んでいただきたいと思います。 ●ここが魅力!単純なハッピーエンドや勧善懲悪、倫理観を押し付ける作品、などに辟易している方にとっては非常に面白く感じる娯楽作品でしょう。ゲイで、パートナーとともに多くの子供を外国から養子に迎えているMaguireだからこそ描ける複雑な社会観を感じます。ともかく、いろいろと考えさせられる本です。 ●読みやすさ ★☆☆☆☆ざっと読み飛ばすことはできませんし、読み飛ばすと良いところが失われます。最初の展開がスローなので、入り込みにくく感じるかと思います。また、長編で、しかも登場人物が多く、名前も覚えにくいのが難点です。ネイティブでも最後まで読みきることができずに投げ出す者がけっこういるようです。 ●アダルト度 ★★★☆☆ セックスシーンはありますが、Twilightシリーズと比べるとさほどでもないという感じです。ただし、政治・宗教など複雑なコンセプトは小学生や中学生にはなかなか理解できないし、面白くもないと思います。高校生以上が対象です。
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Graceling-ヤングアダルトのファンタジーファンに大人気
著者: Kristin Cashore発売日:2008年10月1日ジャンル:ファンタジー/ヤングアダルト/ロマンス(やや) 強くて美しく、けれども非社交的で怒りっぽいヒロインの自分探しの冒険 http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0547258305 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0547258305 中世を思わせる架空の王国では、右と左の目の色が異なる「Graceling」にはある特定の才能がある。青い目と緑の目を持つKatsaの才能は「殺し」。幼いときに自己防衛で叔父を殺して以来、王子であるいとこ以外に友と呼べる者も心を許せる者もいない。この才能ゆえに王から脅しの使徒として使われているKatsaは、命令に背く選択が許されない立場とはいえ自分の行動を恥じ、平和のための秘密組織を運営している。隣国の王の年老いた父が誘拐されるが、どの国の王が命じたことなのか誰にもわからない。その国の末っ子の王子で金と銀の目を持つGracelingのPoとKatsaは、この謎を解くために危険な旅に出る。 ヒロインのKatsaは他人の怠慢や弱音が我慢ならず、すぐに苛立ち、けんか腰になる癖がある。心の奥底では友人や友情を求めているくせに、それを得るためにどうしたらよいのかは分からない。そもそも他人の心境を理解することができないし、したいとも思わないのだ。こういうところは、アスペルガー患者の回想記を読んでいるような感じがしないでもない。彼女に他人を信頼することを教えたのが、Poである。Poのキャラクターは、たぶん娘や彼女の友人たちの理想の男性像に近いだろう。強い戦士だが、女性のKatsaに劣ることは平然と認めるし、欠陥だらけのヒロインを受け入れる懐の深さがある。つまり、真に自信がある男性なのだ。唯一困った特徴は彼のGracelingとしての才能である(これは内緒)。 私の娘やその友達、そしてAmazon.comの読者の評価からは、女子中学生から高校生に長く愛されるロングセラーになることが予測される良質のファンタジーである。 ●ここが魅力!これも高校生の娘とその友人たちのために探してきたヤングアダルト向けのファンタジー+ロマンス本です。ロマンスの要素はあるのですが、普通のロマンスと異なるのはヒロイン自身が普通のロマンスを拒否するところです。つまり、王子様に愛されて、結婚して、めでたし、めでたし、というエンディングではなく、ヒロインが自分を見失わずに成長する物語なのです。娘とその友人たちのお気に入りの本のひとつになりました。また、本を読んだ後で母娘であれこれ感想を話し合えるのもよいところです。 ●読みやすさ ★★★☆☆ファンタジー特有の造語が多いために読みにくい印象を受けるかもしれませんが、基本的には簡潔で読みやすい文です。Twilightが読めた人であれば難なく読めるでしょう。 ●アダルト度 ★★★☆☆マイルドですがセックスシーンがありますので、小学生向けではありません。14歳以上のヤングアダルトが対象です。 ●これが気に入った方はぜひ続編(前編)Fireをどうぞ http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0803734611 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0803734611
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Breaking Dawn(Twilight Saga, Book 4 )
著者:Stephenie Meyer 2008年刊 ジャンル:ロマンス/パラノーマル/ファンタジー ハッピーエンドを望む読者のための完結編 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=031606792X&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 ロマンスはお菓子のようなものです。 安物のチョコレート菓子が好きな人もいれば、英国のハイティーやフランス料理のデザートチョコレートムースでないと口にしない人もいます。 Stephenie MeyerのTwilightはフレッシュな果物を使ったフルーツタルトのようにイノセントな甘酸っぱさを保ち、砂糖とクリームの取りすぎで気分が悪くなるようなロマンスではありませんでした。図書館の理事をしている友人はふだんこの手のロマンスが苦手なのですが、Twilightの読書体験を「アイスクリームを食べたときと同じ」で「栄養素のないカロリー摂取(エンプティカロリー)だけれど、食べ終わるまでは楽しかった」と例えました。これは、ストリーテラー(シェフ)としてのMeyerの腕前によるものです。 それなのに、第4作の「Breaking Dawn」は突然Hershey’sチョコレートになってしまったのです。 発売日の深夜にバーンズ&ノーブル書店で開かれたバンパイア・プロムパーティには高校生の娘と友人3人組をつれて行ってあげたくらい応援していたのです。でも、読み終えた私が高校生の娘に伝えた感想は「Terrible!」のひとことでした。 Twilightの熱烈ファンは気を悪くするかもしれませんが、新鮮でイノセントな甘酸っぱさに惹かれてタルトを食べ始めた者にとっては、締めくくりに、チョコレートとは名ばかりのHershey’sを出されたら文句を言わずにはいられません。 あまりにも多くの点に「ああああああああ。。。。。。。。。。。。」と叫びたくなったのですが、その理由をなるべく冷静に整理してみました。…
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Eclipse (Twilight Saga, Book 3 )
作者:Stephenie Meyer 2007年刊 ジャンル:ファンタジー/パラノーマル/ロマンス/ヤングアダルト 三角関係のテンションとアクションに満ちた娯楽作 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=1904233910&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 トワイライト・サガの第3作「Eclipse」のテーマは「嵐が丘」ということ。 エドワードもジェイコブもヒースクリフに似ていないので、三角関係を除いてさほど嵐が丘を連想させるところはありませんでした。でも嵐が丘より読みやすくて面白いのは確かです。 今回はちょっとミステリー/サスペンスの趣がある出だしです。シアトルで次々と殺人事件がおき、どうやらVolturiの掟に背いてバンパイアを大量生産しているグループがいるようです。ベラの命を狙っているバンパイアの存在がわかり、エドワードは安全のためにベラがジェイコブに会うことを禁じます。 第2作でエドワードの不在中に支えてくれたジェイコブに対し友情以上の感情を抱くベラ。エドワードから力づくで彼女を奪おうとするジェイコブ。このあたりからちょっとややこしいことになってきます。体温がなく凍えるような肌のエドワードと人間よりも体温が高いジェイコブ。クールで大人のエドワードと熱血漢で子供っぽいジェイコブ。バンパイアと狼人間。対極にある二人の男性が奪い合いの争いをする、というのは女性の夢ですよね。というわけで、私の周囲の女子高生からは第2作よりも人気があった作品です。 私はロマンスの繊細さがあった第2作のほうが好きでしたが、最後まで飽きさせない展開には脱帽です。 ●読みやすさ ★★★☆☆(2009/3/1修正) ★★★と★★★★の中間ですがTwilightに比べると、少し読みにくいところがあるかもしれません。けれども、すでに2冊をこなしているあなたでしたら、まったく困ることはないでしょう。 ●ここが魅力! 初恋、失恋、ときたら次の恋の試練は三角関係ですね。今回はエドワードとジェイコブのベラ奪い合い競争が焦点です。…
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New Moon (Twilight Saga, Book 2 )
作者:Stephenie Meyer 2006年刊 ジャンル:ファンタジー/パラノーマル/ロマンス/吸血鬼/ヤングアダルト エドワードとベラはロメオとジュリエットの悲劇を繰り返すのか? http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0316024961&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 ●★★★★☆(2009/3/1に他のエントリーとの比較により修正) ★★★と★★★★の中間。文法は単純ですし、大学入試に出るような難しい単語は使われていません。高校1年生程度の英語力で十分理解できます。本は分厚いのですが、フォントが大きいので決して長い作品ではありません。多くの9-12歳向けの作品よりも読みやすいと思います。 ●ここが魅力! 恋が安定してしまうと面白くありません。 New MoonではTwilightで体験できなかった失恋の苦しみをじっくり味わえます(そんなの味わいたくない、という人もいるでしょうが)。失恋で終わらず、それからの回復が醍醐味です。山あり谷ありの感情のローラーコースターが楽しめます。 ●アダルト度 ★★★☆☆ YA(ヤングアダルト)。高校生の少女向け。…
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Twilight ( Twilight Saga, Book 1 )
作者:Stephenie Meyer 2005年刊 ジャンル:ヤングアダルト/ファンタジー/パラノーマル/ロマンス 全米の少女(と中年女性)が恋におちた吸血鬼と人間の少女のラブストーリー 2009/3/1修正 いきなり主人公が死に直面する場面でスタートします。”he”が彼女の愛する者であることは想像できますが、彼女を殺そうとしているのが誰なのかはわざと曖昧になっています。 ここですでに作者Meyerのストーリーテラーとしての卓越さがうかがえます。 主人公は17歳のベラという少女で、両親は離婚しています。これまで同居していた母に新しい恋人ができ、ベラはその邪魔にならないように父と同居することに決めます。太陽がさんさんと輝くフェニックスからそれとは正反対で一年中雨が降るワシントン州のForksという田舎町に引っ越してきたベラは、小さな高校で美しい5人組の兄弟をみかけます。そのうちの一人エドワードはベラをまるでおぞましいモノのように扱ったかと思うと、数日後にはそれと正反対に親しげな態度を取ります。エドワードはいったいベラのことをどう思っているのでしょう?エドワードの謎に危険を感じながらも、ベラは強く惹かれてゆきます。 ●読みやすさ ★★★★☆(他のエントリーとの比較から2009/3/1に修正) ★★★と★★★★の中間。文法は単純ですし、大学入試に出るような難しい単語は使われていません。高校1年生程度の英語力で十分理解できます。本は分厚いのですが、フォントが大きいので決して長い作品ではありません。多くの9-12歳向けの作品よりも読みやすいと思います。 ●ここが魅力! この本の優れたところは、吸血鬼というパラノーマルなテーマを扱いながらもクラシックなロマンスブックの流れを汲み、初恋でしか味わえない特別な甘酸っぱさを表現しきっているところです。自分が抱くこの気持ちは恋なのか?彼の態度には何か特別な意味があるのか?彼を信じるべきなのか、それとも逃げるべきなのか?こういった葛藤が心をざわつかせる逸話の積み重ねでクライマックスに向かってクレッシェンドで進みます。 たいていの読者はForks高校のカフェテリアでエドワードを見かけたときからすっかりベラになりきって何度も鼓動の高鳴りを感じることでしょう。 何度読み直しても無駄な部分がない作品です。…
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初心者向け/児童書(アニマル・ファンタジー編)
●アニマル・ファンタジー(動物が主人公のファンタジー) 動物が主人公のファンタジーを、「アニマル・ファンタジー」と呼びます。 この組み合わせは、子供に絶大な人気があるようで、常に新しいものが生まれています。次にご紹介するのは、すでに長く子供たちに愛されているロングセラーです。 「The Tale of Despereaux」by Kate DiCamillo http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0763625299&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 9~12歳対象だが、実際には小学校3年生から五年生くらいまで。 アニマルファンタジーというよりも、寓話のようですが、とりあえずご紹介します。映画化されたために再びベストセラーのトップに躍り出た作品です。 4話で構成されていて、それぞれ主人公が変わります。小柄で耳が大きくネズミらしくなく夢想家の主人公Despereaux、変わり者のドブネズミ、不運な少女ネズミの物語が第4話で一緒になり、Despereauxが恋した人間の王女を含めて感動的な結末を迎えます。児童書としては複雑なテーマと感情を見事に描いた作品で、大人が読んでも感動する優れたロングセラーです。 「The Poppy…
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一度読んだら虜になる死刑囚で毒味役の少女のサバイバル Poison Study
Maria V. Snyder 2008年9月初刊 ファンタジー/SF/ロマンス/ヤングアダルト/冒険 (2015年追記) 私の翻訳で日本語版が2015年7月に発売されます(ハーパーコリンズ日本到来を記念するハーパーブックスの1冊です)。 (下記は2009年当時の記事) SF、ファンタジー、ロマンス、歴史のカテゴリーが好きな高校生の娘とその友達から「面白そうな本を探してくれ」と依頼されて見つけた本。 まだ十代の若い女性Yelenaは殺人罪を犯した死刑囚である。だが、コマンダーの毒味役を引き受ければ死刑を免れることができると選択を迫られる。死ぬまで職を離れることができない毒味役は、毎日解毒剤を飲まないと死ぬ毒を与えられているのでどちらにしても二度と自由にはならない身の上だ。 Yelenaの上司はかつて悪名高い暗殺者のValekだ。Valekの厳しい要求、毎日死に直面する恐怖、彼女の暗殺を狙う敵、誰を信用してよいのかわからない孤独……、 Yelenaのサバイバルの試練に読者は息をつくのも忘れるだろう。 中 世のようなこの世界には、不思議な毒や魔法があり、誰が味方で誰が敵かわからない。人を簡単に信じると死が待ち受けている。読後も作者が作り上げたこの不 思議な世界が脳裏に残って離れない。ただのロマンスやヤングアダルトのカテゴリーに入れるのはもったいないし、失礼だ。それくらい完成度が高い傑作であ る。 私がこの本を勧めた高校生たちもそう思ったようで、(爆発的な人気の)「Twilight」より断然面白い!と言っていた。とくにValekは娘によると「(Twilightの)エドワードなんかより、ずっとHOT」という感想で、彼の年齢と職業を考慮すると母としてちょっと心配であるが…… ●読みやすさ ★★★★☆…

