Category: YA(ヤングアダルト)
FanFic―アメリカの二次創作の世界
ある本にぞっこん惚れ込むと読み終えてもなかなかその世界から離れなれない、それは全世界共通のファン心理です。それがこうじて二次創作をする、というのも普遍なファン心理です。アメリカには、そんなファンたちが集まってお互いの二次創作(こちらではFan FictionまたはFan Fic)を読みあうサイトがあります。アニメやテレビ番組のカテゴリーもありますが、やっぱり本の二次創作が一番多いようです。これは最も有名なサイトです。 投稿数を見ると、ファンが最も執着心を覚える本がすぐに分かります。投稿数が一番多いのはHarry Potterで、現時点で約40万です。そして二位のTwilightはそれよりもぐっと下がって6万6千、三位のThe Lord of the Ringsは4万2千です。万単位になっているのはこれら3作だけですから、それからもこれら三シリーズの人気のすごさを感じます。 面白いのは、Fan Ficから誕生する作家がいるということです。ヤングアダルト向けのファンタジー「City of Bones(The Mortal Instruments…
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Graceling-ヤングアダルトのファンタジーファンに大人気
著者: Kristin Cashore発売日:2008年10月1日ジャンル:ファンタジー/ヤングアダルト/ロマンス(やや) 強くて美しく、けれども非社交的で怒りっぽいヒロインの自分探しの冒険 http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0547258305 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0547258305 中世を思わせる架空の王国では、右と左の目の色が異なる「Graceling」にはある特定の才能がある。青い目と緑の目を持つKatsaの才能は「殺し」。幼いときに自己防衛で叔父を殺して以来、王子であるいとこ以外に友と呼べる者も心を許せる者もいない。この才能ゆえに王から脅しの使徒として使われているKatsaは、命令に背く選択が許されない立場とはいえ自分の行動を恥じ、平和のための秘密組織を運営している。隣国の王の年老いた父が誘拐されるが、どの国の王が命じたことなのか誰にもわからない。その国の末っ子の王子で金と銀の目を持つGracelingのPoとKatsaは、この謎を解くために危険な旅に出る。 ヒロインのKatsaは他人の怠慢や弱音が我慢ならず、すぐに苛立ち、けんか腰になる癖がある。心の奥底では友人や友情を求めているくせに、それを得るためにどうしたらよいのかは分からない。そもそも他人の心境を理解することができないし、したいとも思わないのだ。こういうところは、アスペルガー患者の回想記を読んでいるような感じがしないでもない。彼女に他人を信頼することを教えたのが、Poである。Poのキャラクターは、たぶん娘や彼女の友人たちの理想の男性像に近いだろう。強い戦士だが、女性のKatsaに劣ることは平然と認めるし、欠陥だらけのヒロインを受け入れる懐の深さがある。つまり、真に自信がある男性なのだ。唯一困った特徴は彼のGracelingとしての才能である(これは内緒)。 私の娘やその友達、そしてAmazon.comの読者の評価からは、女子中学生から高校生に長く愛されるロングセラーになることが予測される良質のファンタジーである。 ●ここが魅力!これも高校生の娘とその友人たちのために探してきたヤングアダルト向けのファンタジー+ロマンス本です。ロマンスの要素はあるのですが、普通のロマンスと異なるのはヒロイン自身が普通のロマンスを拒否するところです。つまり、王子様に愛されて、結婚して、めでたし、めでたし、というエンディングではなく、ヒロインが自分を見失わずに成長する物語なのです。娘とその友人たちのお気に入りの本のひとつになりました。また、本を読んだ後で母娘であれこれ感想を話し合えるのもよいところです。 ●読みやすさ ★★★☆☆ファンタジー特有の造語が多いために読みにくい印象を受けるかもしれませんが、基本的には簡潔で読みやすい文です。Twilightが読めた人であれば難なく読めるでしょう。 ●アダルト度 ★★★☆☆マイルドですがセックスシーンがありますので、小学生向けではありません。14歳以上のヤングアダルトが対象です。 ●これが気に入った方はぜひ続編(前編)Fireをどうぞ http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0803734611 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0803734611
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Breaking Dawn(Twilight Saga, Book 4 )
著者:Stephenie Meyer 2008年刊 ジャンル:ロマンス/パラノーマル/ファンタジー ハッピーエンドを望む読者のための完結編 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=031606792X&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 ロマンスはお菓子のようなものです。 安物のチョコレート菓子が好きな人もいれば、英国のハイティーやフランス料理のデザートチョコレートムースでないと口にしない人もいます。 Stephenie MeyerのTwilightはフレッシュな果物を使ったフルーツタルトのようにイノセントな甘酸っぱさを保ち、砂糖とクリームの取りすぎで気分が悪くなるようなロマンスではありませんでした。図書館の理事をしている友人はふだんこの手のロマンスが苦手なのですが、Twilightの読書体験を「アイスクリームを食べたときと同じ」で「栄養素のないカロリー摂取(エンプティカロリー)だけれど、食べ終わるまでは楽しかった」と例えました。これは、ストリーテラー(シェフ)としてのMeyerの腕前によるものです。 それなのに、第4作の「Breaking Dawn」は突然Hershey’sチョコレートになってしまったのです。 発売日の深夜にバーンズ&ノーブル書店で開かれたバンパイア・プロムパーティには高校生の娘と友人3人組をつれて行ってあげたくらい応援していたのです。でも、読み終えた私が高校生の娘に伝えた感想は「Terrible!」のひとことでした。 Twilightの熱烈ファンは気を悪くするかもしれませんが、新鮮でイノセントな甘酸っぱさに惹かれてタルトを食べ始めた者にとっては、締めくくりに、チョコレートとは名ばかりのHershey’sを出されたら文句を言わずにはいられません。 あまりにも多くの点に「ああああああああ。。。。。。。。。。。。」と叫びたくなったのですが、その理由をなるべく冷静に整理してみました。…
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Eclipse (Twilight Saga, Book 3 )
作者:Stephenie Meyer 2007年刊 ジャンル:ファンタジー/パラノーマル/ロマンス/ヤングアダルト 三角関係のテンションとアクションに満ちた娯楽作 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=1904233910&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 トワイライト・サガの第3作「Eclipse」のテーマは「嵐が丘」ということ。 エドワードもジェイコブもヒースクリフに似ていないので、三角関係を除いてさほど嵐が丘を連想させるところはありませんでした。でも嵐が丘より読みやすくて面白いのは確かです。 今回はちょっとミステリー/サスペンスの趣がある出だしです。シアトルで次々と殺人事件がおき、どうやらVolturiの掟に背いてバンパイアを大量生産しているグループがいるようです。ベラの命を狙っているバンパイアの存在がわかり、エドワードは安全のためにベラがジェイコブに会うことを禁じます。 第2作でエドワードの不在中に支えてくれたジェイコブに対し友情以上の感情を抱くベラ。エドワードから力づくで彼女を奪おうとするジェイコブ。このあたりからちょっとややこしいことになってきます。体温がなく凍えるような肌のエドワードと人間よりも体温が高いジェイコブ。クールで大人のエドワードと熱血漢で子供っぽいジェイコブ。バンパイアと狼人間。対極にある二人の男性が奪い合いの争いをする、というのは女性の夢ですよね。というわけで、私の周囲の女子高生からは第2作よりも人気があった作品です。 私はロマンスの繊細さがあった第2作のほうが好きでしたが、最後まで飽きさせない展開には脱帽です。 ●読みやすさ ★★★☆☆(2009/3/1修正) ★★★と★★★★の中間ですがTwilightに比べると、少し読みにくいところがあるかもしれません。けれども、すでに2冊をこなしているあなたでしたら、まったく困ることはないでしょう。 ●ここが魅力! 初恋、失恋、ときたら次の恋の試練は三角関係ですね。今回はエドワードとジェイコブのベラ奪い合い競争が焦点です。…
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New Moon (Twilight Saga, Book 2 )
作者:Stephenie Meyer 2006年刊 ジャンル:ファンタジー/パラノーマル/ロマンス/吸血鬼/ヤングアダルト エドワードとベラはロメオとジュリエットの悲劇を繰り返すのか? http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0316024961&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 ●★★★★☆(2009/3/1に他のエントリーとの比較により修正) ★★★と★★★★の中間。文法は単純ですし、大学入試に出るような難しい単語は使われていません。高校1年生程度の英語力で十分理解できます。本は分厚いのですが、フォントが大きいので決して長い作品ではありません。多くの9-12歳向けの作品よりも読みやすいと思います。 ●ここが魅力! 恋が安定してしまうと面白くありません。 New MoonではTwilightで体験できなかった失恋の苦しみをじっくり味わえます(そんなの味わいたくない、という人もいるでしょうが)。失恋で終わらず、それからの回復が醍醐味です。山あり谷ありの感情のローラーコースターが楽しめます。 ●アダルト度 ★★★☆☆ YA(ヤングアダルト)。高校生の少女向け。…
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Twilight ( Twilight Saga, Book 1 )
作者:Stephenie Meyer 2005年刊 ジャンル:ヤングアダルト/ファンタジー/パラノーマル/ロマンス 全米の少女(と中年女性)が恋におちた吸血鬼と人間の少女のラブストーリー 2009/3/1修正 いきなり主人公が死に直面する場面でスタートします。”he”が彼女の愛する者であることは想像できますが、彼女を殺そうとしているのが誰なのかはわざと曖昧になっています。 ここですでに作者Meyerのストーリーテラーとしての卓越さがうかがえます。 主人公は17歳のベラという少女で、両親は離婚しています。これまで同居していた母に新しい恋人ができ、ベラはその邪魔にならないように父と同居することに決めます。太陽がさんさんと輝くフェニックスからそれとは正反対で一年中雨が降るワシントン州のForksという田舎町に引っ越してきたベラは、小さな高校で美しい5人組の兄弟をみかけます。そのうちの一人エドワードはベラをまるでおぞましいモノのように扱ったかと思うと、数日後にはそれと正反対に親しげな態度を取ります。エドワードはいったいベラのことをどう思っているのでしょう?エドワードの謎に危険を感じながらも、ベラは強く惹かれてゆきます。 ●読みやすさ ★★★★☆(他のエントリーとの比較から2009/3/1に修正) ★★★と★★★★の中間。文法は単純ですし、大学入試に出るような難しい単語は使われていません。高校1年生程度の英語力で十分理解できます。本は分厚いのですが、フォントが大きいので決して長い作品ではありません。多くの9-12歳向けの作品よりも読みやすいと思います。 ●ここが魅力! この本の優れたところは、吸血鬼というパラノーマルなテーマを扱いながらもクラシックなロマンスブックの流れを汲み、初恋でしか味わえない特別な甘酸っぱさを表現しきっているところです。自分が抱くこの気持ちは恋なのか?彼の態度には何か特別な意味があるのか?彼を信じるべきなのか、それとも逃げるべきなのか?こういった葛藤が心をざわつかせる逸話の積み重ねでクライマックスに向かってクレッシェンドで進みます。 たいていの読者はForks高校のカフェテリアでエドワードを見かけたときからすっかりベラになりきって何度も鼓動の高鳴りを感じることでしょう。 何度読み直しても無駄な部分がない作品です。…
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期間限定オンライン無料購読!The Ruins of Gorlan(The Ranger’s Apprentice Book 1)
ニューヨークタイムズベストセラーで、小学校高学年から中学生の男子に大人気の「The Ranger’s Apprenticeシリーズ」の第一巻The Ruins of Gorlanが無料でオンライン購読できます。キャンペーンが終了すると読めなくなりますのでご了承ください。 Ranger’s Apprentice: The Ruins of Gorlanhttp://d.scribd.com/ScribdViewer.swf?document_id=10330799&access_key=key-xngk6f2hxdh046vnh9o&page=1&version=1&viewMode= Publish at Scribd…
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Coraline-ゾクゾク不気味な児童書
著者:Neil Gaiman 2006年8月初刊 児童/ファンタジー/ホラー 2月に映画公開するゾクゾク不気味な児童書 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0060575913&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0061139378&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 私の娘が小学校五年生のときの担任は、元ロックミュージシャンとは思えないほどきちんとした身なりで、教室は美しく整理整頓され、しかも言葉遣いが非常に丁寧で上品な青年だった。 その彼が活発な小学生をおとなしくする方法として本を朗読するのだという。11歳の男の子すら静かにさせる朗読など想像もできなかったが、娘は「先生が読み始めると、教室中がしんとする」と断言する。この先生が読んだ本のひとつが「Coraline」であった。 主人公のCoraline(コラライン)と両親は、古い屋敷をアパート(イギリスなのでflat)に分けた新居に引越しする。お屋敷には変わり者の隣人たちや、どこにも通じていないドアなど奇妙なものがそろっている。退屈した彼女が探検に乗り出したところ、現実の世界とよく似た不気味な陰の世界に迷いこんでしまう。そこで彼女が出会ったのはその世界でのコララインの母だという蒼白で目がボタンで出来た女性だった。どうにか現実に戻ったコララインだが、そこで両親が陰の世界に閉じ込められてしまったことを知る。コララインは両親を救助するために出かける。 「Stardust」と「Neverwhere」の作者Gaimanは、おとぎ話のようなファンタジーに独自のダークさを与えるのが特長だ。「Coraline」は、容赦を知らぬ暗いパラレルワールドにヒロインが勇敢に挑むところが「Neverwhere」に似ている。児童書であってもあまり怖さの限度を考慮していないのがGaimanらしい。多くの人の心に潜んでいる恐怖心を掘り起こし、(小さな子供なら)悪夢でうなされそうな、本物の恐怖を与えてくれる。 Caroline(キャロライン)ではなくCoraline(コラライン)だということが文中にも出てくるが、これも不気味なパラレルワールドを象徴する作者の手なのだろう。 ●読みやすさ ★★★☆☆ 9~12歳対象だが、おとぎ話のような語り口やときおり現れる(こちらの)小学校では習っていない単語に難しさを感じるかもしれません。ヤングアダルトのTwilightのほうがずっと読みやすいというのは皮肉なものですが、Gaimanの語り口にすでに慣れている人には、簡単に感じるでしょう。 ●ここが魅力!…

