Beautiful Lies- ドラマチックなサスペンス

Beautiful Lies著者:Lisa Unger2006年4月初刊ジャンル:サスペンス 気がついたらトレッドミルで2時間以上走っていた、テンションが高いサスペンス http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0307388999 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0307388999&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=415176951X&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 小児科医の娘でフリーランス記者のリドリー・ジョーンズは、車にはねられそうになった子供を助けて一躍有名人になる。そのおかげで見知らぬ人にまで顔を知られるようになったある日、母と幼い娘の写真が入った「あなたは私の娘ではありませんか?」と書かれた封筒が届く。生誕の秘密を知るために両親を問い詰めるが求める答えを得られないリドリーは、アパートメントの上階に引っ越してきたアーティストのジェイクの助けを借りて自分で調査に乗り出す。だが、これまで信じてきた「美しい嘘」には醜い真実が隠されていた。信じてきた者、愛してきた者たちの本当の姿を知るのは、果たして賢明なことなのか。ジェイクの過去も彼女の過去にどうやら関係しているようだ。美しい嘘を暴くのは、安全で居心地の良い世界を捨てて精神と肉体の危機にさらされることでもある。リドリーは悩みながらも、真実を追究することをやめることができない。 邦訳版「美しい嘘」も出ています。 ●ここが魅力!スピーディーな展開、感情のローラーコースター、そしてどんでん返しも用意され、決して飽きることがありません。謎の存在ジェイクとのロマンスもエキサイティングです。いったん読み始めたら途中でやめるのがいやになるでしょう。トレッドミル用としてKindleで読むミステリー/サスペンスを探していて見つけたのですが、期待以上にはまり込み、気がついたら2時間以上トレッドミルで走っていました。この続編「Sliver of Truth」も同様にトレッドミルに最適で、同じようなテンションの作品を見つけるのには苦労しています。 ●読みやすさ ★★★☆☆ YA程度の英語です。難しい単語はほとんどありませんし、たとえ分からない単語があってもストーリーにはついてゆけると思います。 ●アダルト度 ★★★☆☆ホットなセックスシーンもありますが、それが中心ではないので★3つ半といったところでしょう。…

Life’s a campaign

著者:Chris Matthews2007年10月初刊ノンフィクション/政治 カチンとくる部分が多いけれども、アメリカの政治のカラクリを覗き見するのには最適 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=1400065283&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 著者のクリス・マシューズは、若かりし頃ジミー・カーター大統領のスピーチライターを勤め、現在はMSNBCの「ハードボール」という政治番組の司会をしている自称「政治ジャンキー」のジャーナリストです。政治の世界が好きで好きでたまらない、というのは彼を見ているとよくわかります。共和党か民主党かにかかわらずゲストにいいかげんなプロパガンダをさせない鋭い質問をするところは気に入っているのですが、質問をしておきながら相手に答えるチャンスを与えずに自分で返事をする悪い癖があります。また、唖然とするような偏見に満ちた発言もします。それについては別のブログで書いたので省きますが、「Oh shut up, Chris!」とテレビに向かって言い返しつつも毎日見てしまうのは、夕食の支度と後片付けが彼の番組の時間帯に重なるからというだけではなく、政治ジャンキーを魅了するコツを心得ているからだと思うのです。「Life’s a campaign(人生はキャンペーンだ)」というタイトルをつけるだけあって、マシューズは体験から得た世渡りの知恵をすべて政治の世界の戦略に例えています。私がこの本を「好き」と言えない理由は、マシューズの見解があまりにも独断と偏見に満ちたものだからです。彼は政治家の言動をすべて戦略として分析するのですが、私はそんな単純なものではないと思うのです。(彼が嫌いなヒラリー・クリントンも含めて)政治家だって、自分が本当に信じていることだからこそ実行することがあるはずです。それに、人は勝つことや偉くなるためだけに生きているわけじゃあないと思うのです。この本をそのまま鵜呑みにしたら、とてつもなく空虚な人生を生きることになりそうです。 そういったわけでLife’s a campaignをハウツー本として読んで世渡り上手になることはお勧めできませんが、それを承知の上でしたら読む価値はあります。というのは、政治関係の本の中では飛びぬけて読みやすく、しかもアメリカの政治のカラクリを覗き見させてくれる本だからです。 ●読みやすさ ★★★☆☆ 語り言葉のようで非常に簡単な英語です。ただし、政治に関する専門用語は出てきますのでそれが同じ★数のヤングアダルト本とは異なるところです。でも政治に興味がある人でしたらとても簡単に感じるでしょう。 ●ここが魅力!ともかく読みやすいこと。雑誌で映画スターの噂話を読む感覚で政治の世界を読むことができます。

翻訳権がまだ日本で売れていないすばらしい本

「こんなに素敵な本がなぜ邦訳されていないのだろう?」 洋書ファンであればこんな疑問を一度は抱いたことがあるのではないかと思います。。(そのくせ、あまり面白くない本が邦訳されたりしていて、フラストレーションを覚えることがあります)。アメリカは広いですし、おまけにカナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、インドといった英語圏の作品も沢山あります。そんな環境ではよい本が見過ごされてしまうのは仕方がないことでしょう。 ということで、私が惚れ込み、「これは日本人にも喜ばれるはずだ」と感じた本でいまだに日本で翻訳権が売れていない作品をご紹介することにしました。出版社の方々だけでなく、自分で出版社に企画を持ち込みたい翻訳者の方にもおすすめです。いずれの本も、日本以外の国ではすでに翻訳権が売れています(あるいは出版されています)。 これらは、私が直接著者の了解を得たうえでご紹介しています。ご連絡をいただければ、著者を通じて翻訳権販売の担当者に通知いたします。内容にご興味がある方もお気軽にご連絡ください。 これまでのコネクションで直接文芸エージェントや出版社に連絡を取りたい方も、他の出版社、企画書を希望する翻訳者の方に迷惑をかけないためにも、まずは渡辺(yukari.watanabeアットgmail.com)にご連絡くださることをお願いいたします。 1.Operation Bullpen ハリウッドで映画化が進んでいる(現在翻訳企画進行中) http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0978634004&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 ジャンル:ノンフィクション/犯罪ルポ/FBI特別捜査 アメリカ史上最大の偽造スキャンダルを暴いたFBIの特別捜査「Operation Bullpen」を、綿密な取材で描ききった超大作。 サイン入りボールなどの野球グッズはけっこう値が張るものである。特に、あまりサインをしないことで有名な選手や、ベーブ・ルースやミッキー・マントルのように既に死去しているスーパースターたちのグッズには限りがあるから当然高くなる。コレクター雑誌が紹介する鑑定士による鑑定書つきのグッズは、千ドルから数万ドルという仰天の値段になる。けれども、この鑑定書そのものが信用できないとしたらどうだろう?実は、現在出回っている5割以上(9割近いという見方もある)の野球グッズが偽造品で、その多くは日本に渡っていることを知ったら、青ざめる人もいるのではないか。Operation Bullpenは、歴史上最大の偽造オペレーションを始めた犯罪者たちと、それを暴こうとするFBIの根気強い捜査の内情をあますところなく描いたすばらしいルポである。 ともかく登場人物にリアリティがある。偽造グループのメンバーが奥さんを愛する普通の家庭人だったり、こういうことをいつまでもやっていてはいけないと悩む小心者だったりする。日本人を相手に偽造品を流す会社を経営するFBIの覆面捜査官はもともとが善人すぎて偽造オペレーションの中核である大物の犯罪者とお友達になれない。 そのくせ性格が良い小物の犯罪者からは求めてもいない友情を得てしまうというのも面白い。…

Kindleでしか読めないキングの新作UR

Kindle2の発売に合わせてスティーブン・キングがKindleでしか読めない新作URを書いたことは皆さんもご存知でしょう。   せっかくですから私も24日の発売当日に読んでみようと思います。書評はこちらで。 AmazonのStephen Kingのページ

犬好きにはたまらないミステリー-Dog on It(注目の新刊)

ご近所さまとも呼ぶべきケープ・コッドの新人作家Spencer QuinnのDog on itが昨日発売になりました。 私立探偵バーニーと犬のチェットのコンビが失跡したティーンの少女を探索するこのミステリーは、ストーリーのユニークさもさながら、2人(一人と一匹?)のキャラとやりとりが最大の魅力。これはすご~く売れそうです。 詳しい書評は来週あたりに。 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=1416585834&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1

翻訳権がまだ日本で売れていない傑作

「こんなに素敵な本がなぜ邦訳されていないのだろう?」 洋書ファンであればこんな疑問を一度は抱いたことがあるのではないかと思います。アメリカは広いですし、おまけにカナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、インドといった英語圏の作品も沢山あります。そんな環境ではよい本が見過ごされてしまうのは仕方がないことでしょう。ということで、私が惚れ込み、「これは日本人にも喜ばれるはずだ」と感じた本でいまだに日本で翻訳権が売れていない作品を今後ご紹介していこうと思います。自分で出版社に企画を持ち込みたい翻訳者の方にもおすすめです。最初はほんの数冊ですが、徐々に増やしてゆく予定です。 今週中に本棚を用意するつもりですので、お楽しみに。 追記:ページを10日に用意しました。 なお、ここでご紹介するのはすべて著者の了解を得ているものです。

Kindle2の予約開始

噂のKindle2の発売予定日が2月24日に決まり、本日(2月9日)から予約が始まりました。でも製造数に限りがあるために、Kindleを購入したけれども売り切れで待っている人と古いタイプのKindleを持っている人(今日の深夜までに予約すれば)が優先とのこと。 新しいKindleの魅力はなんといっても3G wirelessの技術。 それとすごく薄いこと。 ページめくりが速くなるというのも羨ましいところ。 私が一番興味を抱いているのが、Read-to-Meの機能。オーディオバージョンという意味ではなく、テキストを音声化する機能があるというのです。ですから途中で音声に切り替えて聞き、また読書に戻ることができるのです。スピードを変えることや、女性と男性の声を選択することもできるというのですから驚きです。機械の声に苛立ちを覚える可能性はありますが、オーディオバージョンを買わずして、車の運転中にも音声で読書を続けることができるというのは魅力です。 価格は古いバージョンと同じで359ドルですが、レザーのカバーがオプション(29.99ドル)というところで実際の価格差があるかも。 Kindle 2: Amazon’s New Wireless Reading Device (Latest…

Daemon -今年最大のテクノスリラー

著者:Daniel Suarez 2009年1月発売 テクノスリラー/現代文学 私はローテクでコンピューターゲームにはまったく興味がない人なのですが、IT 技術やコンピューターゲーム、情報セキュリティを満載したテクノスリラーDaemonにはぞっこん惚れ込みました。作者のSuarezに「これは稀にしか生まれないモンスターだ!」というファンレターを出したほどです。ともかくものすごい才能を感じさせる本です。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0525951113&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0525951113 コンピューターゲームの天才クリエーターで「サイバーストーム」というゲーム会社のCEOマシュー・ソボルが脳腫瘍で死去したことがオンラインニュースで伝わる。このニュースが引き金になり、ソボルが生前にプログラムしていたDaemon(注:IT用語辞典によると、UNIX系OSにおいて、バックグラウンドで動作するプログラムのこと)が動き出す。最初は2人の社員の死だったが、担当の刑事は徐々にこれが単純な殺人事件ではないことを悟り、頑固に通常の対応をして状況を悪化させてゆくFBIとは別に個人的に調査を進めてゆく。だが、彼自身も実はソボルが生前にプログラムしていた駒のひとつだったのだ。Daemonは大企業を操り始め、阻止しようとするFBI、CIA、NSA(National Security Agency)などの政府機関すら非力な存在になってくる。 Daemonには、担当刑事のピーター・セベックやフリーランスのコンピューター技術者のジョン・ロスなど重要な登場人物はいるがはっきりした主人公はない。主要人物の感情的な相互作用そのものがあまり重要ではない。この物語では、防衛機関や大企業でフリーランスのシステムコンサルタントをしてきた作者だからこそ描ける、テクノロジーのリアリスティックな破壊力が主人公である。オンラインゲームのファンであればそれに近いビジュアル感覚を得るかもしれない。ともかく、Daemon(と作者Suarez)の非情な攻撃には最初から最後まで休憩する暇がない。 ひとつだけ文句をつけるとしたら、エンディングのあいまいさであろう。 続編が期待される。 読者からは、「マイケル・クライトンの再来!」、「マイケル・クライトンより優れた才能!」という声が聞こえるが、私は少し「リング」を連想した。…