Month: January 2009

不況でもAmazon.comは元気だ

マイクロソフトが初めての人員削減をする不況の時代だというのに、昨日発表されたAmazonの4th Qtr profitの報告では、2008年末のクリスマスセールスは史上最高の売り上げを記録したとのことである。10月から12月末までの純利益(net income)は$225 millionで一年前同時期の$207 millionよりも増加している。ライバルのeBayでさえ売り上げが下がっているというのにだ。 これには、競合よりも安い価格を提供したという理由もあるだろうが、Oprahの影響で売り切れになったことで有名なKindleの販売力を無視することはできない。CEOのJeff BezosはKindleの売りが強いことは認めるが、数字を決して発表しない。 これは以前からのことである。秘密にされるともっと知りたくなる。 来月には新バージョンのKindleが発売されるということで、すでにKindleを持っている私としてはあんまり新バージョンが優れものであってほしくないような気もしないではない。 新バージョンもそのうち入手するので、比較はまた後日に。

無料購読e-book-心理スリラーThe Surgeon

元医師のTess Gerritsenによる心理スリラーThe Surgeon が著者と出版社のキャンペーンで期間限定で無料購読できます。(注:本ブログは法に触れる無料e-bookやそれらを奨励するサイトはご紹介しませんので、よろしくご了承お願いいたします。ご紹介するのは、著者または出版社のキャンペーンとして無料になっているもの、あるいは著作権が消失したものです) 私はまだ読んでいませんが、人気作家のTess Gerritsenのものは刺激が強い大人向けという印象がありますので、ご留意ください。The Surgeonは非常に読者レビューが好評のものなので、興味がある方はこのチャンスをお見逃しなく。 The Surgeon by Tess Gerritsenhttp://d.scribd.com/ScribdViewer.swf?document_id=9149584&access_key=key-zp3f14403gr7js8iqmw&page=1&version=1&viewMode= Publish at Scribd…

2009年ニューベリー賞はThe Graveyard Bookに決定

http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0060530928&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 American Library Associationは、月曜(26日)にNeil GaimanのThe Graveyard Bookが今年のNewbery Medalに選ばれたことを発表しました。 そのときの状況はNeil Gaimanのブログで読むことができます。作品がいくつも映画化され(例:スターダスト、コラライン)賞も取っている有名人なのに、それでもNewbery賞受賞は嬉しいということに新鮮さを覚えました。 追記:洋書ファンクラブに書評を載せました。

オバマ大統領誕生を苦々しく思う保守派の本が売れている

オバマ大統領誕生を歓迎するアメリカ人も記録的だが、苦々しく思う者の数も記録的だという印象があります。クリントン大統領が当選したときもそうだったようですが、今回はもっと激しい戦いが出版の形で始まっています。 次のリストは、いかにメディアがオバマを応援して当選に貢献したか、などメディアや左翼を攻撃する形でのオバマ攻撃です。 Amazonの読者のレビューが良いものは、苦々しく思っている保守派の人だけが読むからです。けれども、これだけベストセラーリストに入っていることを考えると、オバマ大統領の失敗を望む保守派の人口がいかに多いかというのも容易に想像できます。 A Slobbering Love Affair: The True (And Pathetic) Story of the Torrid…

Down River(南部の哀愁を感じるミステリー)

著者:John Hart 2007年10月初刊 ミステリー/米国南部 読みごたえがある文学的なミステリーを求める方におすすめの一冊 The King of Liesで彗星のようにデビューしたJohn Hartの第二作。 Adam Chaseは5年前に義母の証言により殺人罪で起訴され、有罪判決は逃れることができたが人々の疑惑は消えることがなかった。何よりも息子の自分ではなく義母を選んだ父をAdamは許すことができなかった。5年間恋人とも連絡を取らなかったAdamだが、子供時代の友達Dannyから懇願されて故郷に戻る。 だが、そこで待っていたのは、母の自殺の真相、父が母の死後につくりあげた家族との葛藤、そしてさらなる殺人事件だった。 主人公を含め、登場する者すべてに弱みがある。みな、過ちを犯し、嘘をつき、傷つく。だが、それを許し、受け入れ、癒されることができるのも人間である。抒情詩のような美しい文体と、南部の男流のハードボイルドさが微妙にマッチして、特別な雰囲気をかもし出している。 ミステリーとしてだけではなく、純文学としても楽しめる。…

アメリカの若者が小説を読むようになっている

パブリッシャーズ・ウィークリー(1/19/2009) の記事によると、アメリカでの読書人口は、2002年の115百万人から2008年は119百万人まで増加しているということです。でもそれは、「一年間に一冊でも本を読んだ人」の割合(18歳以上成人人口のみ)で比較すると56.6% から54.3%に減少しているとのこと。 けれども、次が重要な点です。 文芸作品(長編小説、短編小説、詩)の読者は顕著に増加しているのです。それも、46.7% から50.2%。これは、私が以前に「本を読むアメリカ人が増えている」と(ただの感覚で)語ったのと一致しています。 特にアメリカの出版界に希望を与えるのは、18歳から24歳の文芸作品の読書人口が、42.8%から51.7%と最も大きな伸びを示していることです。ケータイやオンラインに時間を割く若い世代が小説を読んでいる、というのは日本の出版界にとってはうらやましい現象ではないでしょうか。

Thoroughbredシリーズ(初心者におすすめ)

A Horse Called Wonder(Thoroughbredシリーズbook 1) 著者:Joanna Campbell 1991年初刊 児童書(小学校3年生から)/動物 絵本ではなくちゃんとしたストーリーのある本から始めたい人/ホラーやファンタジーのジャンルが苦手な洋書初心者におすすめのシリーズ http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0061061204&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0061061204&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 Ashleigh(アシュレー)の両親はサラブレッド馬の飼育場を経営していたが、疫病のために馬たちを失う。大好きな雌馬スターダストの死から立ち直れない12歳の少女アシュレーは、もう二度と馬を好きになるまいと決意する。けれども、スターダストを思い起こさせる子馬のワンダーが生まれる。アシュレーは、生き延びられるかどうかわからない弱々しいワンダーに奇跡を願う。動物好きで、心温まる物語が好きな人に最適。 主人公は12歳ということになっているが、読者層は小学校2年生から5年生の少女。 ●読みやすさ ★★★★☆…

Tree of Smoke( National Book Award 受賞作)

著者:Denis Johnson 2007年9月初刊 現代文学/純文学/ベトナム戦争 忍耐がある偉大なアメリカ現代小説に挑戦したい方だけにおすすめの本 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0374279128&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 常日頃感じていることだが、偉い文芸評論家やオプラ・ウィンフリーがべた褒めしたからといって良い本とは限らない。有名な賞の受賞作もそうだ。ずっと前は、私の頭が悪いだけかと思っていたが、最近になって私の抱く感想は一般のアメリカ人読書人口とほぼ一致していることがわかってきた。(平均的アメリカ人が馬鹿だといわれたら、それまでだが) このDenis JohnsonのTree of Smokeは、National Book Award受賞作であり、ニューヨークタイムズ紙の文芸評論家Michiko Kakutaniが「bound to…