Clementineでおなじみの児童書作家Sara Pennypacker

Sarah_pennypacker_yukari_watanabe muse & marketplace特集第2回は児童書作家の大御所Sara Pennypackerです(作家のサイト)。
作品と本人のイメージのギャップに驚くことがありますが、Pennypacker の場合はまったく予想を裏切らない気さくで暖かい雰囲気の女性でした。
邦訳もされている人気のClementineシリーズは、「ADHD(注意欠陥・多動性障害)かな」と思わせる小学校3年生の少女Clementineが主人公です。ADHDの子が集中できないひとつの理由は、五感を通じて入ってくる多くの情報の受け止め方が他人とは異なるからです。思考が高速で広範囲に広がるために言葉に出したときには相手に伝わらないという困った現象も大人からは理解されない悲しいところです(私もそんな体験はあります)。意図していないのにトラブルに巻き込まれてしまう子供たちをちゃんと理解しているだけでなく、その子の観点で生き生きと楽しく描いているのがこのシリーズの素敵なところ。Clementineは米国版の窓際のトットちゃん(ちょっと古いですね)みたいです。

Pennypackerの最新作の絵本Sparrow Girlは、社会的なメッセージを持つちょっと深刻な作品です。1958年に毛沢東が雀を抹殺する命を出し、その結果害虫が猛威をふるい中国は大飢饉に襲われることになりました。そのさなか雀を守ろうとした少女が主人公のお話しです。Pennypackerは私に「この歴史を知る人は少ない。歴史を伝え、自然を破壊することの影響を子供たちにも知らせるべきだと強く感じた」と創作の理由を語ってくれました。
この作品の素晴らしいところは、文章だけでなくイラストが優れていることです。
Pennypackerが「彼女はきっとこの世界で大物になるでしょう」と絶賛するイラストレーターは日本人のYoko Tanakaさんです。中国の話に日本人の素敵なイラストレーターを採用してくださったのは嬉しいことです。

Clementineシリーズ
読みやすさは絵本よりもちょっと上のレベルで、対象は小学校の低学年です。

Sparrow Girl
幼稚園から小学校3年生くらいが対象です。

My Enemy’s Cradle
PennypackerがSara Young名で書いた大人向けの作品です。第二次世界大戦中のユダヤ人ハーフの母親の葛藤を描いたもので、非常に高い評価を受けています。

渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 助産師としてキャリアをスタート。日本語学校のコーディネーター、外資系企業のプロダクトマネージャーなどを経て、 1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 500 reviewer.

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