ライ麦畑の無許可続編60 years laterの奇妙な事実

60_years_later_3 5月15日に「60年後のHolden Caulfield?Are you kidding?」というタイトルでで、新人作家による60 Years Later: Coming Through the Rye という作品が、アメリカより一足先に英国で発売されたことをお伝えしました。

そのとき、「作者が生きてる間に許可もなく続編なんて書いていいのかな?」と書きましたが、やっぱり出版差し止めの訴訟が起こり、英国のAmazonでは販売停止、米国のAmazonでも取り扱い停止、になっています。日本のAmazonだけがまだ「予約受付中」ですが、これは単に対応が遅れているだけでしょう。

それよりも、裁判のせいで奇妙な(ふざけた)事実がだんだん明らかになってきました。

これまで作者(ペンネームJohn David California)は、ニューヨーク在住のスウェーデン系アメリカ人ということだったのですが、実は100%スウェーデン人。この本をスウェーデンで出版した発行人のFredrik Coltingが作者だというのです。しかも、英国の新聞のインタビュー記事に載ったのは作者本人ではなくて、友人のGustav Rothという役者。役者なのだから演じてこい、と命じたとのこと。

裁判のためにフランクフルトの弁護事務所Kurnit Klein & Selzを雇って闘うそうですが、そうまでして世に出さねばならない本だとは私には思えないのですが。。。スウェーデンに住んでるスウェーデン人にHolden Caulfieldの60年後を語ってもらわなくても、私は自家用車を運転してニューハンプシャー州に行くだけでもっと現実的な現在のHoldenに会うことができますもん。

追記(7/3):米国の判事は、出版差し止めの判決を下しました。Coltingは上告するそうです。

渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 助産師としてキャリアをスタート。日本語学校のコーディネーター、外資系企業のプロダクトマネージャーなどを経て、 1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 500 reviewer.

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中