Month: September 2009

ディズニーがオンライン・デジタルブック開始。ぜひ皆さんのご意見をお聞かせください!

Disney Publishing Worldwideがオンラインでのデジタルブック購読サービスを始めました。デジタルコンテントをダウンロードするのではなく、メンバーシップを購入して、コンピューターで読むシステムです。 日本人読者にとって魅力的なのは、読み方がわからない場所を発音してくれるところです。また、子供の読解力によりレベルが3つに別れているので、初心者レベルから入り中学生レベルの読解力まで読み進めることができるのも利点です。 この企画についてディズニーから質問を受けました。私は私なりに思ったことを率直に伝えたのですが、先入観なしのみなさんのご意見をぜひ聞かせいただきいと思います。 なんでもけっこうですから、どうぞよろしくお願いいたします!

(The Timeマガジンでもヴォーグでもないけれど)雑誌の表紙は表紙だよね

内輪話で申し訳ないのですが、ダンナがSmall Business CEOという雑誌の表紙を飾ったのでとりあえずご報告します。 本人は「20年前の写真じゃダメ?」と思ったかもしれないけれど、それだとまるでオンラインデートサイトのごまかしみたいですから、この程度で許してやろうではありませんか。数年前再会した日本の同僚から「Davidさん、太ったわね〜」と言われてぶつくさ言ってましたからそれは心の中にしまっておいてくださいね。

醒めない悪夢に閉じ込められたようなSFーThe Maze Runner

James Dashner384ページ(ハードカバー)Delacorte Books for Young Readers2009年10月6日発売予定YA/SF・ファンタジー(ディストピア) http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0385737947 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0385737947 作動中の箱の中で目覚めた少年Thomasは自分の名前以外の記憶をすっかり失っていた。やがて止まった箱から救い出されたThomasが到着したのは13歳から18歳くらいまでの少年だけが住む奇妙なコミュニティGladeだった。ThomasはGladeの住民Gladerたちにあれこれと質問するが、Thomasと同じように誰が何の目的で彼らをそこに送り込んだのか知る者はいない。唯一わかっているのは、彼らを閉じ込めているGladeの壁が日中だけ開き、その外にMaze(迷路)があるということだけだった。Mazeのパターンは毎日異なる。少年たちはMazeの謎を解けばそこから脱出して家に戻れる信じ、勇敢なMaze runnerらが日中Mazeを走り回ってパターンを記憶して戻り、マップを記録し続けていた。しかし、そこには恐ろしい怪物Grieverが潜んでおり、壁が閉じるまでにGladeに戻らないとMazeに閉じ込められGrieverに殺されることになる。 閉鎖された環境にもかかわらず、少年たちは農作業から酪農まで労働を分担し、規律ある安定した社会を作り上げていた。けれども、Thomasの到着で変化が生まれる。これまでは到着する新人は一ヶ月に一人、と決まっていたのに、Thomasの到着後すぐにまた箱が届いたのだった。そして、その箱に入っていたのは少女だった。 珍しく映画ではなく本の予告編なるものが作製されています。なかなかの出来なのでぜひご覧ください。 http://vimeo.com/moogaloop.swf?clip_id=7119805&server=vimeo.com&show_title=1&show_byline=1&show_portrait=1&color=00ADEF&fullscreen=1 THE MAZE…

わかる人にはわかるエンディングが絶妙のゴシックミステリー—The Little Stranger

Sarah Waters480 ページ(ハードカバー)Riverhead Hardcover; First Edition edition 2009年4月30日発売ゴシックミステリー/ホラー(やや)/文芸小説/2009年ブッカー賞候補作 http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=1594488800 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=1594488800 二度の世界大戦を経て英国の階級社会は崩壊し、社会民主主義国家に急変しつつあった。
 独身の中年医師Faradayは、10歳のときにメイドの母に連れられて大地主Ayres家の屋敷Hundreds Hallを訪れたことがある。それから30年後、住み込みのメイドを診るために屋敷に往診したFaradayは、家庭医として家族を訪問するようになる。 過去には豪華な建築物だったHundreds Hallは激しく老朽化していた。それだけでなく、メイドのBettyが最初の往診で訴えたように、まるで邪悪な存在が家を破壊しようとしているようなのだ。未亡人のAyres夫人、娘のCaroline、息子のRoderickたちはFaradayに頼るようになるが、彼は医師らしく幽霊説を頭から否定して解決策を提供する。だが、幽霊に怯えるAyres一家の異常な言動をストレスによる精神的な病と診断するFaraday自身も、しだいにHundreds…

みんなが良いとほめても面白いとは限らないー Paranoia

Joseph Finder448ページ(マスマーケット・ペーパーバック) St. Martin’s Paperbacks2004年2月初版発売企業スリラー/ミステリー http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0312992289 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0312992289 主人公のAdam Cassidyは、Wyatt Telecom社に勤めるやる気がない平社員。ただしハッキングだけは得意で、会社の資金を流用してブルーカラーの社員のために豪華な引退パーティをやってのける。それがばれたAdamはCEO のNick Wyattに呼び出され、警察に通報されたくないなら、ライバル会社のTrion Systemsにスパイとして入り込み、新プロダクトについての秘密を盗んでくるよう命じられる。 ●感想 私がこの本を選んだ理由は、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーになったことがあり、Amazon.comでは260人のレビューの平均が★4であり、Publishers…

マイクロソフトのCourier情報漏出

Apple社のTabletの競合になるとみられて注目されているマイクロソフト社のCourierの極秘の情報をGizmodo.comがリークしました。なんとタブレット型ではなく、ブックレット型なのですね。ビデオを見ると、なかなかの面白さ。コンピュータも含めデバイスをほとんどAppleでまとめてしまった私ですが、好奇心をかきたてられました。

オンラインカジノによるノーベル文学賞の予想は?

10月1日(8日)に発表されるノーベル文学賞。 オンラインカジノでは何でも賭け事になってしまいます。文学賞で賭けるのは業界のインサイダーが多いということです。配当率で受賞者の予想がつくのが面白いところ。オンラインカジノのLadbrokesではこんな予測が立っています。村上春樹氏はピンチョンと並んでいますね。なかなか面白いリストです。 Amos Oz 4/1 Assia Djebar 5/1 Luis Goytisola 6/1 Joyce Carol Oates 7/1 Philip Roth 7/1 Adonis 8/1 Antonio…

スピリチュアリティは健康をもたらすか

最近、医学書院看護出版部部長の林田さんから「スピリチュアリティは健康をもたらすか」という翻訳書をいただきました。 以前から私は統合医療(アロマセラピー、薬草、瞑想といった代替補完医療のなかでとくに通常医学に組み込むことができる療法のこと)に興味を抱いており、20年来の知人である林田さんにお願いして米国のがん治療の場での統合医療への取り組みのルポや学術論文の翻訳を「看護学雑誌」でご紹介させていただいたこともあります。また、終末期の臨床指 針について書かれた重要な本「エンド・オブ・ライフ・ケア」では、補助療法やスピリチュアルケア(本書では魂のケア)について解説する「終末期の全人的ケ ア」の部分を翻訳させていただきました。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=4260009184 http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=1599471418 ボストンのダナ・ファーバーがん研究所やニューヨークのスローン・ケッタリング病院といったがんの治療にかけては世界でも最先端の病院は、統合医療を積極的に研究しています。それは日本の方には意外かもしれません。でも米国ですから、科学的根拠を重視します。その科学的根拠を説明するのに使われるのが精神神経免疫学です(それだけでは説明できない統合医療の分野もありますが)。 「スピリチュアリティは健康をもたらすか」は、副題のとおり「科学的研究にもとづく医療と宗教の関係」を解説した本です。テレビでよく耳にする話題に「宗教心がある人のほうが健康で長生きする」というものがありますが、それは上記の精神神経免疫学を根拠にしたものです。簡単に説明すると、心理的因子>視床下部>下垂体>副腎皮質系、自律神経系、代謝系、心血管系、免疫系を介して身体の健康に影響を与えるというものです。問題なのは、「スピリチュアル」の定義は何か、ということです。宗教に関連したものに限るのかどうかは、学問として研究する場合と臨床の場では異なります。学問では厳密に設定するべきですが、個々の患者をケアする臨床の場では幅広い設定にしておくべきだということは、本書でも語られています。 この本の優れたところは、たとえばキリスト教といったひとつの宗教の立場からプロパガンダをしているのではないということです。ここでの「宗教」はキリスト教であり、ユダヤ教であり、ヒンズー教でもあるのです。次は客観的かつ科学的な立場からスピリチュアリティと健康の関連性を語っていることです。最後に、医療従事者が臨床の場で患者に何を援助するべきで、「何をするべきではないのか」まで言及しているところです。 単一民族社会に近かった日本も、移民や在日外国人が増え、異なる宗教を信じる患者をケアする機会も増えて来た筈です。そのときにプロとしてどう対処するかを考えるためにも、こういった本を読んでおくことは必要だと思います。また、医療従事者ではない人にも、自分のスピリチュアリティについて考えるきっかけになるかもしれません。 ひとつだけ私が受け入れがたく感じたのは、「宗教的信念によって行動は変わるのか」という部分です。私自身の経験では「宗教心があつい」と公言する人より私のほうが倫理的だと思うことがよくあります。宗教的立場を明らかにする必要がある米国に住んでいる私は、自分の宗教的立場を「スピリチュアルであるが、組織化された宗教には断固として属さない主義」と公言しています。わが家で一致している考え方は、神に善悪を訊ねるのではなく、自分自身に善悪を問うというものです。なぜなら他人(神や教会)の審判を恐れて自分の行動を決めたくはないから。また、個人にその判定能力はある筈だし、最終的に自分の魂の責任を取るのは自分だから。ただし、宗教心そのものを否定しているわけではありません。友人にはプロテスタントの教会の牧師やカトリック、ユダヤ教の熱心な信者もいます。そういう関係が保てるのも、互いのスピリチュアリティへの尊敬だと思うのです。 誰でも病気になったり、トラブルに巻き込まれると祈ります。追いつめられてからではなく、余裕を持って自分のスピリチュアリティについて考えてみるのは決して悪いことではないと思います。 ●上記でご紹介した「エンド・オブ・ライフ・ケア」 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=4260333216 http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=1416030794