ディズニーがオンライン・デジタルブック開始。ぜひ皆さんのご意見をお聞かせください!

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Disney Publishing Worldwideがオンラインでのデジタルブック購読サービスを始めました。
デジタルコンテントをダウンロードするのではなく、メンバーシップを購入して、コンピューターで読むシステムです。

日本人読者にとって魅力的なのは、読み方がわからない場所を発音してくれるところです。また、子供の読解力によりレベルが3つに別れているので、初心者レベルから入り中学生レベルの読解力まで読み進めることができるのも利点です。

この企画についてディズニーから質問を受けました。
私は私なりに思ったことを率直に伝えたのですが、先入観なしのみなさんのご意見をぜひ聞かせいただきいと思います。

なんでもけっこうですから、どうぞよろしくお願いいたします!

(The Timeマガジンでもヴォーグでもないけれど)雑誌の表紙は表紙だよね

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内輪話で申し訳ないのですが、ダンナがSmall Business CEOという雑誌の表紙を飾ったのでとりあえずご報告します。

本人は「20年前の写真じゃダメ?」と思ったかもしれないけれど、それだとまるでオンラインデートサイトのごまかしみたいですから、この程度で許してやろうではありませんか。数年前再会した日本の同僚から「Davidさん、太ったわね〜」と言われてぶつくさ言ってましたからそれは心の中にしまっておいてくださいね。

醒めない悪夢に閉じ込められたようなSFーThe Maze Runner

James Dashner
384ページ(ハードカバー)
Delacorte Books for Young Readers
2009年10月6日発売予定
YA/SF・ファンタジー(ディストピア)

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作動中の箱の中で目覚めた少年Thomasは自分の名前以外の記憶をすっかり失っていた。やがて止まった箱から救い出されたThomasが到着したのは13歳から18歳くらいまでの少年だけが住む奇妙なコミュニティGladeだった。ThomasはGladeの住民Gladerたちにあれこれと質問するが、Thomasと同じように誰が何の目的で彼らをそこに送り込んだのか知る者はいない。唯一わかっているのは、彼らを閉じ込めているGladeの壁が日中だけ開き、その外にMaze(迷路)があるということだけだった。Mazeのパターンは毎日異なる。少年たちはMazeの謎を解けばそこから脱出して家に戻れる信じ、勇敢なMaze runnerらが日中Mazeを走り回ってパターンを記憶して戻り、マップを記録し続けていた。しかし、そこには恐ろしい怪物Grieverが潜んでおり、壁が閉じるまでにGladeに戻らないとMazeに閉じ込められGrieverに殺されることになる。

閉鎖された環境にもかかわらず、少年たちは農作業から酪農まで労働を分担し、規律ある安定した社会を作り上げていた。けれども、Thomasの到着で変化が生まれる。これまでは到着する新人は一ヶ月に一人、と決まっていたのに、Thomasの到着後すぐにまた箱が届いたのだった。
そして、その箱に入っていたのは少女だった。

珍しく映画ではなく本の予告編なるものが作製されています。なかなかの出来なのでぜひご覧ください

http://vimeo.com/moogaloop.swf?clip_id=7119805&server=vimeo.com&show_title=1&show_byline=1&show_portrait=1&color=00ADEF&fullscreen=1

THE MAZE RUNNER – Extended from Jordan Taratoot on Vimeo.

●ここが魅力

記憶を失った少年たちが閉ざされた場所から脱出を試みるストーリーは、謎に満ちた設定といいアメリカで大人気になったテレビ番組の「Lost」を連想させます。また、テーマは未来のディストピアを描いたThe Hunger Gamesにも似ていますが、これらとは異なる、オリジナルな面白さがあります。
いったい誰が何の目的でこのようなMazeを作ったのか、なぜ少年たちには記憶がないのか、 そしてThomasと少女の役割は何なのか….、それらの謎に最初のページから引き込まれ、最後まで醒めない悪夢の中を走り続けているようなサスペンスが続きます。

女性作家と読者が多いYAファンタジーの分野ですが、このThe Maze RunnerはThe Hunger Gamesからロマンスの部分を取り除いた感じで、SF好きの少年が楽しめるものです。
いや、少年だけでなく、SFファンならば誰でも楽しめる作品です。

ただし、これは3部作の第1部のようです。
一つの秘密は解けますが、それよりさらに大きな秘密は次回と最終作を待たねばならないようです(ため息)。

●読みやすさ ★★★☆☆

YAものですから文章は簡単です。
架空の場所Gladeでだけ使われる造語のスラングが多発しますので、★4つでなく3にしました。わからない単語をいちいち気にしないで読み流すのがコツです。

繰り返しの表現や説明の不明瞭さなど文章力では不満なところがありましたが、あまり気にしないようにすればスムーズに読み進めることができるでしょう。

●アダルト度 ★☆☆☆☆

性的な表現はないのですが、子供が死ぬという設定は低年齢の子供にはちょっとショッキングではないかと思います。ですから中学生以上をおすすめします。

●この本が好きな方におすすめの本(あるいは下記の本が好きだった方にThe Maze Runnerがおすすめです)

1. The Hunger Gamesシリーズ

The Hunger Games 

Catching Fire

  

2. Ender’s Gameシリーズ

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3. The Giver

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わかる人にはわかるエンディングが絶妙のゴシックミステリー—The Little Stranger

Sarah Waters
480 ページ(ハードカバー)
Riverhead Hardcover; First Edition edition
2009年4月30日発売
ゴシックミステリー/ホラー(やや)/文芸小説/2009年ブッカー賞候補作

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二度の世界大戦を経て英国の階級社会は崩壊し、社会民主主義国家に急変しつつあった。


独身の中年医師Faradayは、10歳のときにメイドの母に連れられて大地主Ayres家の屋敷Hundreds Hallを訪れたことがある。それから30年後、住み込みのメイドを診るために屋敷に往診したFaradayは、家庭医として家族を訪問するようになる。

過去には豪華な建築物だったHundreds Hallは激しく老朽化していた。それだけでなく、メイドのBettyが最初の往診で訴えたように、まるで邪悪な存在が家を破壊しようとしているようなのだ。未亡人のAyres夫人、娘のCaroline、息子のRoderickたちはFaradayに頼るようになるが、彼は医師らしく幽霊説を頭から否定して解決策を提供する。だが、幽霊に怯えるAyres一家の異常な言動をストレスによる精神的な病と診断するFaraday自身も、しだいにHundreds Hallの邪悪な気配を感じるようになる。

Hundreds Hallに取り憑き住人たちを襲うThe Little Strangerとは、姉弟が生まれる前に死んだ長女の幽霊なのか、それとも家そのものの霊なのか、またはまったく 異なる存在なのか……。

The Little Strangerの正体が途中から見えてくる人には最後まで読まなくてもわかるし、見えない人には最後まで読んでもわからない。そんなエンディングがかえって粋なゴシックミステリーだ。

●ここが魅力!

今年のThe Man Booker Prizeの候補作の中では、Hilary MantelのWolf Hall
とSarah WatersのThe Little Strangerの2作が本命視されています。オンラインカジノではWolf Hallが本命ですが、 ダントツ売れているのはThe Little Strangerです。
Wolf Hallをまだ読んでいないので比較はできませんが、The Little Strangerはなかなかの読み応えでした。

英国の古いお屋敷で超常現象が次々と起こるという筋書きは使い古された感があります。けれどもSarah Watersは、まるで古い時代に書かれた作品のように押さえた筆使いで朽ちてゆく屋敷の雰囲気と社会の急速な変化に戸惑う人々の葛藤を巧みに描いており、古くて新しい微妙な世界を作り上げています。邪悪な存在であるThe Little Strangerのやり口が変貌してくるにつれて怖さもじわじわと増してきます。

超常現象を扱ったゴシックロマンですが、チープなゴシックロマンと異なるのは、魅力的な登場人物や胸躍るロマンスの故意ともいえる不在です。孤独で実直な医師Faradayの、憐憫、嫌悪、欺瞞、羨望を覆い隠した語り口は巧妙で、人間の深層心理を描いた心理ミステリー/文芸小説としても楽しめます。

エンディングについてここではばらせないbleahので、ディスカッションしたいかたは、ぜひメールをくださいね。

●読みやすさ ★★☆☆☆

オールドファッションな雰囲気の本ですが、文章は古めかしくなく、さほど難しい単語や言い回しは使っていません。そういう意味ではスラングが多い現代の本よりも読みやすいでしょう。

ただし、プロットを追う類いのではなく、心理的なサスペンスや雰囲気を楽しむ本です。これまでにある程度の本を読みこなしていないと、この本の良さを感じるのは難しいでしょうし、エンディングが理解できないと思います。ネイティブの読者でも読みのがす人がけっこういるようですから。そういう意味で★2つです。

●アダルト度 ★☆☆☆☆

ラブシーン的な箇所は1カ所のみでそれも非常にマイルドなシチュエーションです。

●「英国の古いお屋敷に潜む謎」に弱い方へのおすすめ作品

The Thirteenth tales

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The Forgotten Garden

The House at Riverton

みんなが良いとほめても面白いとは限らないー Paranoia

Joseph Finder
448ページ(マスマーケット・ペーパーバック)
St. Martin’s Paperbacks
2004年2月初版発売
企業スリラー/ミステリー

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主人公のAdam Cassidyは、Wyatt Telecom社に勤めるやる気がない平社員。ただしハッキングだけは得意で、会社の資金を流用してブルーカラーの社員のために豪華な引退パーティをやってのける。それがばれたAdamはCEO のNick Wyattに呼び出され、警察に通報されたくないなら、ライバル会社のTrion Systemsにスパイとして入り込み、新プロダクトについての秘密を盗んでくるよう命じられる。

●感想

私がこの本を選んだ理由は、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーになったことがあり、Amazon.comでは260人のレビューの平均が★4であり、Publishers Weeklyのレビューが(starred reviewではないが)「 Is it too early to declare Finder’s fifth novel (after High Crimes) the most entertaining thriller of 2004? Probably, but it will be a surprise if another suspense proves as much sheer fun as Finder’s robust tale of corporate espionage.」だったからです。
特に”sheer fun”の企業スパイものスリラーとなると、期待せずにはいられません。

ですから最初の数ページで私が感じたのは失望というよりも「これがあの良いレビューを得た作品なの?」という混乱と、「面白くないと感じる私のほうが間違っているのかも」という自分への疑いでした。
良い文章というのは、完璧に鋪装された道のように、道のことはすっかり忘れて美しい景色(ストーリー)を楽しませてくれてくれるものです。でもひどい文章は、穴だらけの道のように表現にいちいちひかかって景色を楽しむことができません。Paranoiaはcliche(使い古された陳腐な表現)が多い悪文の典型で、1行ごとに苛立つために先に進めないのです。例えば次のような表現です。

“What’s the difference between God and Nicholas Wyatt? God doesn’t think he’s Nicholas Wyatt.(面白くないおじさんのジョークは読むのも辛い)”
“Wyatt’s office was vast. An entire Bosnian village could live there. Two of the wall were glass, floor to ceiling, and the views of the city were unbelievable(小学生の作文でもこれでは良い点がもらえない).”
“ I was silent as a mannequin(マネキンのように無言って…..どんな感じの無言なわけ?)”
“a nasty, sadistic little smile on his knife-blade face.(あまりにも使い古された表現には怖くなるより笑ってしまうのですが…。Stephen KingのOn Writingの悪文の例に加えるべき表現!)”
“A regular marlon fucking Brando(この時代の会話にマーロン・ブランドなんてclicheの中でも時代遅れ)”

「これだけほめている人もいるのだ。読んでいるうちに、きっと”the most entertaining”とか感じる筈だ」と何度か再挑戦したのですが、ついに「ゴミ箱行き」カテゴリーに入れることにしました。
決断の理由は、文章力に加えて主人公の性格がチープで、薄っぺらだからです。深い考察力がない主人公の語りにつき合うのははっきり言って疲れます。

ただし、日本のアマゾンに評価を載せている方々は気に入っているようですので、私の悪評を頭から信じないでくださいね。あくまでこれは私の個人的な感想です。

●読みやすさ ★★★★☆

基本的にはすごく簡単な英語です。fucking といった形容詞(?)が続出しますし、陳腐なお決まり文句のスラングもありますが、わからなければ無視していただいてけっこう。いずれも特に重要ではないので。
文章力を気にしない方にとっては読みやすいスリラー/ミステリーではないかと思います。

●アダルト度 

途中で読むのをやめましたから不明です。

マイクロソフトのCourier情報漏出

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Apple社のTabletの競合になるとみられて注目されているマイクロソフト社のCourierの極秘の情報をGizmodo.comがリークしました。
なんとタブレット型ではなく、ブックレット型なのですね。
ビデオを見ると、なかなかの面白さ。
コンピュータも含めデバイスをほとんどAppleでまとめてしまった私ですが、好奇心をかきたてられました。

オンラインカジノによるノーベル文学賞の予想は?

10月1日(8日)に発表されるノーベル文学賞

オンラインカジノでは何でも賭け事になってしまいます。文学賞で賭けるのは業界のインサイダーが多いということです。配当率で受賞者の予想がつくのが面白いところ。オンラインカジノのLadbrokesではこんな予測が立っています。
村上春樹氏はピンチョンと並んでいますね。なかなか面白いリストです。

Amos Oz 4/1

Assia Djebar 5/1

Luis Goytisola 6/1

Joyce Carol Oates 7/1

Philip Roth 7/1

Adonis 8/1

Antonio Tabucchi 9/1

Claudio Magris 9/1

Haruki Murakami 9/1

Thomas Pynchon 9/1 

Thomas Transtromer 12/1
Arnošt Lustig 16/1
Atiq Rahimi 16/1
Don DeLillo 16/1
Ko Un 16/1
Les Murray 16/1
Mario Vargas Llosa 16/1
Yves Bonnefoy 16/1
Cees Nooteboom 20/1
Peter Handke 20/1
Alice Munro 25/1
Bob Dylan 25/1
Juan Marse 25/1
Margaret Atwood 25/1
Ngugi wa Thiongo 25/1
A.B Yehousha 40/1
A. S. Byatt 50/1
Bei Dao 50/1
Carlos Fuentes 50/1
Chinua Achebe 50/1
Gitta Sereny 50/1
Herta Müller 50/1
Mahasweta Devi 50/1
Michael Ondaatje 50/1
Milan Kundera 50/1
Vassilis Aleksakis 50/1
Adam Zagajewski 66/1
E.L Doctorow 66/1
Harry Mulisch 66/1
Peter Carey 66/1
Umberto Eco 66/1
Salman Rushdie 80/1
Beryl Bainbridge 100/1
Cormac McCarthy 100/1
David Malouf 100/1
Eeva Kilpi 100/1
Ernesto Cardenal 100/1
F. Sionil Jose 100/1
Ian McEwan 100/1
John Banville 100/1
Jonathan Littell 100/1
Julian Barnes 100/1
Kjell Askildsen 100/1
Marge Piercy 100/1
Mary Gordon 100/1
Maya Angelou 100/1
Michel Tournier 100/1
Patrick Modiano 100/1
Paul Auster 100/1
Rosalind Belben 100/1
William H Gass 100/1

10月7日(発表前日)の配当率

Amos Oz 3/1
Herta Müller 3/1
Joyce Carol Oates 5/1
Philip Roth 5/1
Thomas Pynchon 7/1
Adonis 9/1
Assia Djebar 9/1
Haruki Murakami 9/1
Mario Vargas Llosa 9/1
Thomas Transtromer 9/1
Claudio Magris 12/1
Don DeLillo 12/1
Ismail Kadare 14/1
Ko Un 14/1
Milan Kundera 14/1
A.B Yehoshua 16/1
Luis Goytisolo 16/1

追記:結果はこちら

 

スピリチュアリティは健康をもたらすか

最近、医学書院看護出版部部長の林田さんから「スピリチュアリティは健康をもたらすか」という翻訳書をいただきました。

以前から私は統合医療(アロマセラピー、薬草、瞑想といった代替補完医療のなかでとくに通常医学に組み込むことができる療法のこと)に興味を抱いており、20年来の知人である林田さんにお願いして米国のがん治療の場での統合医療への取り組みのルポや学術論文の翻訳を「看護学雑誌」でご紹介させていただいたこともあります。また、終末期の臨床指
針について書かれた重要な本「エンド・オブ・ライフ・ケア」では、補助療法やスピリチュアルケア(本書では魂のケア)について解説する「終末期の全人的ケ
ア」の部分を翻訳させていただきました。

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ボストンのダナ・ファーバーがん研究所やニューヨークのスローン・ケッタリング病院といったがんの治療にかけては世界でも最先端の病院は、統合医療を積極的に研究しています。それは日本の方には意外かもしれません。でも米国ですから、科学的根拠を重視します。その科学的根拠を説明するのに使われるのが精神神経免疫学です(それだけでは説明できない統合医療の分野もありますが)。

「スピリチュアリティは健康をもたらすか」は、副題のとおり「科学的研究にもとづく医療と宗教の関係」を解説した本です。テレビでよく耳にする話題に「宗教心がある人のほうが健康で長生きする」というものがありますが、それは上記の精神神経免疫学を根拠にしたものです。簡単に説明すると、心理的因子>視床下部>下垂体>副腎皮質系、自律神経系、代謝系、心血管系、免疫系を介して身体の健康に影響を与えるというものです。
問題なのは、「スピリチュアル」の定義は何か、ということです。宗教に関連したものに限るのかどうかは、学問として研究する場合と臨床の場では異なります。学問では厳密に設定するべきですが、個々の患者をケアする臨床の場では幅広い設定にしておくべきだということは、本書でも語られています。

この本の優れたところは、たとえばキリスト教といったひとつの宗教の立場からプロパガンダをしているのではないということです。ここでの「宗教」はキリスト教であり、ユダヤ教であり、ヒンズー教でもあるのです。次は客観的かつ科学的な立場からスピリチュアリティと健康の関連性を語っていることです。最後に、医療従事者が臨床の場で患者に何を援助するべきで、「何をするべきではないのか」まで言及しているところです。

単一民族社会に近かった日本も、移民や在日外国人が増え、異なる宗教を信じる患者をケアする機会も増えて来た筈です。そのときにプロとしてどう対処するかを考えるためにも、こういった本を読んでおくことは必要だと思います。また、医療従事者ではない人にも、自分のスピリチュアリティについて考えるきっかけになるかもしれません。

ひとつだけ私が受け入れがたく感じたのは、「宗教的信念によって行動は変わるのか」という部分です。私自身の経験では「宗教心があつい」と公言する人より私のほうが倫理的だと思うことがよくあります。宗教的立場を明らかにする必要がある米国に住んでいる私は、自分の宗教的立場を「スピリチュアルであるが、組織化された宗教には断固として属さない主義」と公言しています。わが家で一致している考え方は、神に善悪を訊ねるのではなく、自分自身に善悪を問うというものです。なぜなら他人(神や教会)の審判を恐れて自分の行動を決めたくはないから。また、個人にその判定能力はある筈だし、最終的に自分の魂の責任を取るのは自分だから。ただし、宗教心そのものを否定しているわけではありません。友人にはプロテスタントの教会の牧師やカトリック、ユダヤ教の熱心な信者もいます。そういう関係が保てるのも、互いのスピリチュアリティへの尊敬だと思うのです。

誰でも病気になったり、トラブルに巻き込まれると祈ります。追いつめられてからではなく、余裕を持って自分のスピリチュアリティについて考えてみるのは決して悪いことではないと思います。

●上記でご紹介した「エンド・オブ・ライフ・ケア」

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2009年スコシアバンク・ギラー文学賞候補作発表

カナダで最も権威ある文学賞のScotiabank Giller Prizeが候補作(ロングリスト)を発表しました。アリス・マンローが「もう私は2回受賞しているから他の方に」と作品を対象から自ら外したことで話題になりました。

2_2

最初に決まった5作と残りのリストは以下のとおり

Margaret Atwood "The Year Of The Flood."

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Martha Bailie "The Incident Report"

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Kim Echlin  "The Disappeared"

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Claire Holden Rothman  "The Heart Specialist"

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Paulette Jiles  "The Colour Of Lighting"

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Jeanette Lynes  "The Factory Voice"


Annabel Lyon  "The Golden Mean"


Linden MacIntyre  "The Bishop’s Man"


Colin McAdam  "Fall"


Anne Michaels  "The Winter Vault"


Shani Mootoo  "Valmiki’s Daughter"


Kate Pullinge   "The Mistress Of Nothing"

Kim Echlin   "The Disappeared"


Claire Holden Rothman   "The Heart Specialist"


Paulette Jiles for "The Colour Of Lighting"

Jeanette Lynes  "The Factory Voice"


Annabel Lyon  "The Golden Mean"


Linden MacIntyre  "The Bishop’s Man"


Colin McAdam   "Fall"


Anne Michaels  "The Winter Vault"


Shani Mootoo  "Valmiki’s Daughter"


Kate Pullinge  "The Mistress Of Nothing"

アメリカ合衆国精神医療の光と陰を振り返るビジュアルな詩ーAsylum

216ページ
The MIT Press
9月30日発売
写真集/歴史/医療

Asylum: Inside the Closed World of State Mental Hospitals

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普通の人には精神病院を訪れる機会はないし、”Girl, Interrupted”や “A Beautiful Mind”などの映画や本の精神病院には、人権を無視して抑圧するような恐ろしいイメージしかない。
けれども、アメリカ合衆国の州立精神病院がアメリカ国民の人間性を象徴する誇りであったときがある。精神障害者が人間らしく生きることを許される場としての精神病院の青写真を描き、それを国民の義務として次々と実現していった時期があったのだ。この歴史は、これまで私が抱いていた精神病院の常識を覆すものであった。

 



19世紀後半にその青写真を描いたのがThomas Story Kirkbridgeという人物だった。彼のアイディアに沿って作られたのは施設そのものがひとつの社会として機能する巨大な精神病院(State Mental Hospital)であり、それらはThe Kirkbridgesと呼ばれた。

その中でも1876年にオープンしたニュージャージーの州立精神病院は米国で最大の規模の建築物であり、面積は674000平方フィート(約6万2千平方メートル)、敷地はなんと743エーカー(約90万坪)であった。(下は閉鎖したマサチューセッツ州ダンバーズの病院。コンドミニアムとしてよみがえることになっている)

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国民のプライドを反映した建築物は、病院というよりも巨大なリゾートのような雰囲気だった。手入れの行き届いた広大な庭で患者は散歩を楽しめ、演劇や音楽を披露できる劇場もあった。患者たちの労働により病院はほぼ自給自足でき、何よりも、外の世界では安心して生きられない精神障害者がここでは社会の一員として安心して生きることができたのだ。

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もちろん精神障害者を集める施設だから美しいことばかりではない。巨大化や不況などで運営が困難になり、医療従事者による患者の虐待や放任が起こったのも事実である。また時代の移り変わりも影響を与えた。「患者の人権擁護」により労働を禁じられた患者たちは1日中テレビの前ですごすようになり、社会の一員として勤労する喜びまでも否定された。新薬の開発と医療制度の改革(改悪)により長期入院はなくなり、患者は投薬で退院を強要された。State Mental Hospitalはこうして次々と閉鎖されていったが、特別な目的で作られた巨大な建築物の再利用は難しく、多くは廃墟と化し、ある施設は刑務所になった。そして、十分な社会復帰の援助を得られなかった患者たちが、今度は犯罪者として同じ建物に戻って来たのである。

建築家で写真家のChristopher Payneは、全米にちらばるこれらの忘れ去られたState Mental Hospitalを訪問し、6年にわたって写真を撮影した。その威圧感といい、その背景にある複雑な歴史といい、まるで城の廃墟のようである。Day Roomや劇場を見ると、誇りを持って建てられた建築物であったことが想像できる。

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Payneの写真はいずれも非常に静かである。だがその静けさは、鳥肌が立つほど衝撃的だ。ひとつの写真にこめられた、人々の理想、プライド、喜び、悲しみ、絶望が一度にどっと押し寄せる。(左の写真は、この施設をついに出ることがなかった患者の残したスーツケース)この感情を的確に表現する言葉を私は考えつかない。それを写真で伝えられるPayneはビジュアルの詩人だ。

State Mental Hospitalで25年間働いた経験から「Awakening」 という国際的なヒット作を書いたOliver Sacksが真摯で感動的なエッセイを寄稿しているのも素晴らしい。

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尚、この作品のプロデューサーであり、編集、デザインいっさいを取り仕切ったのはわが家の隣人Scott-Martin Kosofskyである(それを知ったいきさつは以前に書いた)。彼はユダヤ教の学者・文筆家なのだが、こういう心動かされる企画があると手を出さずにはいられない。また、そういう話をさせると時間がいくらあっても足りない。一昨日Asylumをわが家まで届けに来てくれた彼にエッセイを寄稿したOliver Sacksのファンだという話をしたら、彼がどんないきさつでエッセイを引き受けてくれたかという内輪話からSacksがいかに素敵な人物かという話題でまた長話になってしまった。

興味深いScottの話の中でも次の言葉が見事にこの写真集を表現していたので付け加えておきたい。
「ブリリアントでなければ本を出版する意味はない」