骨董の短刀が伝えようとしているものは何か?愛と贖罪のストーリィ — The Last Will of Moira Leahy

Therese Walsh
304ページ(ハードカバー)
Shaye Areheart Books
2009/10/13
文芸小説

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25歳のMaeve(メイヴ)は、大学で外国語を教える以外にはほとんど外の世界との交流がない孤独な生活を送っている。幼なじみでルームメイトのKit(キット)以外の友人は大学で知りあったNoel(ノエル)だけだが、そのノエルもヨーロッパに行ったきり連絡を絶っている。

9年前までメイヴは怖いもの知らずの活発な少女だった。幼い頃からサキソフォンの才能を発揮し、誰からもプロの演奏家になることを期待されていた。けれども人類学者の祖父の影響を受けたMaeveの最大の夢は、一卵性双生児の妹Moira(モイラ)と冒険に乗り出すことだった。メイヴとモイラは二人の間だけしか通じない言語を話し、言葉を交わさなくても互いの考えていることが分かるほど親密だったが、思春期を迎えてモイラは次第に華やかな姉に嫉妬心を抱き、メイヴを拒絶するようになる。
そして、ある日のできごとを境にメイヴはひとり取り残され、音楽を捨て、故郷のメインを去る。母親はメイヴの住む場所を訪問することを拒否し、メイヴは頑に故郷を避けている。故郷と母親だけでなく、親友キットの兄イアンを避け続けているのにも誰にも明かしていない深い理由がある。

ある日、メイヴは骨董のオークションでインドネシアのKerisという短刀をみかける。幼いときに失った祖父からの贈り物にそっくりのそのKerisをどうしても欲しくなったメイヴは金額が予想以上に競り上がったにもかかわらず、競り落とす。そのKerisを入手する前後から、彼女に不思議なことが起こりはじめる。頭の中で音楽や音が鳴り、Kerisが勝手に移動するのだ。そして、オークションでメイヴと競り合いをしたインドネシア人は彼女のドアに謎めいたKerisの本やメッセージを残す。kerisは人の運命を伝える神秘な剣で、彼は実はこのKerisを持ち込んだKeris作りの名人empuだったのだ。彼女はローマへ招待する彼のメッセージを無視するつもりだったが、突然訪ねて来た父親に強くすすめられてローマに出かける。ローマに到着すると、音信不通になっていたノエルが待っていた。

●ここが魅力!

Kris 神秘的な力を持つ短刀Keris(左の写真)と双子の妹モイラに関する謎がこの物語の焦点です。快活だったモイラがどうして何事にも臆病な引っ込み思案の女性になってしまったのか、その心理にも引き込まれます。

また、私は骨董が好きで、買いはしないのですがオークションにも出かけることがあります。ですからKerisというインドネシアの短刀にまつわる神秘的な逸話や骨董好きのノエルという青年(日本で言えば草食系の男性)など、私の好みです。

超常現象が混じったこの物語の雰囲気は、私が以前ご紹介したIn the Country of the Youngを少し思い出させました。どちらも作者はアイリッシュの女性なので、神秘的な伝説や若い女性の心理の描き方が似ているのかもしれません。男性読者にはこういった本は面倒に感じるかもしれませんが、The Time Traveler’s Wifeが好きだった方なら楽しめるでしょう。

この表紙から受ける印象よりは、ずっと出来の良い作品です。

●読みやすさ ★★★☆☆

メイヴの一人称の語りとモイラの三人称の回想が交互に織り交ぜられていて、それを認識して読むとさほど難しくはないでしょう。ヤングアダルトよりもやや難しく、通常の文芸作品よりもは易しいレベルです。

●アダルト度 ★★★☆☆

生々しい描写ではありませんが、性的なシーンは3カ所ほどあります。高校生以上が対象です。

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