誘拐から無事生還しても心がまだ戻ってこない主人公の心理スリラー Still Missing

Chevy Stevens

ペーパーバック: 362ページ

出版社: Griffin

ISBN-10: 031257357X

心理スリラー

読解レベル:ネイティブや洋書に慣れている人には読みやすいレベル。英語学習者には上級レベル。

 

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見知らぬ男に誘拐され、1年後に生還した33歳の独身女性Annieが心の傷を癒すためにセラピストに話をする形で物語は始まる。

バンクーバー島で不動産エージェントをしているAnnieは、親友と理解があるボーイフレンドには恵まれていたが、わがままな母に振り回されていた。だが、オープンハウスに現れた男に誘拐されてすべてが変わってしまう。

1年後に生還したものの、毎日くり返された精神的、肉体的虐待により、かつて自立した女性だったAnnieはすっかり別人になっていた。誰も信用できず、常に怯えて生きているAnnieはセラピストにだけ正直ないきさつを告白してゆくが、そのうちにある事実が浮かび上がってくる。

 ●ここが魅力

文学としての質は別として、読みはじめたら途中でやめることができなくなることは保証付きです。

アメリカでは夏になるたびに「ビーチで読む本」のおすすめリストが出てきますが、ハラハラどきどきでロマンスも少し入ったこの本は、それにぴったりです(キンドル版Still Missing は、今たったの2.99ドル!)。

 

「誘拐の犠牲者の心理的葛藤」というテーマはブッカー賞最終候補になったRoomなど、これまで多くの本が取り扱ってきました。

Still Missingにもそれらに共通する心理劇があるのですが、個別の面白さがあります。身近な人を信じられなくなってしまったAnnieの心理状態に引き込まれ、読者も彼らを疑いの目で見るようになってくるのですが、そのあたりが非常に巧みだと思いました。

ミステリーを読み慣れていると、先が読めてしまうのが困ったところなのですが、この本ではその先の驚きがあります。

主人公Annieの口調には罵り言葉が多く、これが気になる読者もいるようです。たしかに読んでいて居心地が悪く、Annieに感情移入しにくくなるのですが、犠牲者の深い心の傷と怒りを表現するためだと思いますので、批判の対象にはならないでしょう。

 

●読みやすさ ネイティブや洋書に慣れている人には読みやすいレベル

罵り言葉が多いのですが、一人称の語り手ですから普通の小説よりも文章が簡単で読みやすいはずです。

また、ひきこまれやすいスリラーですから、そういう点でもよみやすいでしょう。

 

●おすすめの年齢層

性と暴力のシーンがあるので大人向けです。

 


渡辺由佳里 Yukari Watanabe Scott についてhttp://youshofanclub.comエッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者。兵庫県生まれ。 助産師としてキャリアをスタート。日本語学校のコーディネーター、外資系企業のプロダクトマネージャーなどを経て、 1995年よりアメリカに移住。 2001年に小説『ノーティアーズ』で小説新潮長篇新人賞受賞。翌年『神たちの誤算』(共に 新潮社刊)を発表。他の著書に『ゆるく、自由に、そして有意義に』(朝日出版社)、 『ジャンル別 洋書ベスト500』(コスモピア)、『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)など。 最新刊『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』(晶文社) ニューズウィーク日本版とケイクスで連載。 翻訳には、糸井重里氏監修の訳書『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)、『毒見師イレーナ』(ハーパーコリンズ)など。 連載 Cakes(ケイクス)|ニューズウィーク 日本版 洋書を紹介するブログ『洋書ファンクラブ』主催者 Author, translator, and English book reviewer for Japan Market. Author of "500 best books written in English" for the Japanese market. English book reviewer for Newsweek Japan. Amazon.co.jp Top 500 reviewer.

誘拐から無事生還しても心がまだ戻ってこない主人公の心理スリラー Still Missing」への4件のフィードバック

  1. こんにちは。おもしろそうですね。アマゾンのぞきにいったら,リサ・ガードナーさんのインタビューもあって、この前リサ・ガードナーさんの本がおもしろかったので、このChevy Stevensさんの本にも興味を持ちました。kindleだと2,99は魅力です。
    でも、残念なことに、日本向け(アジア)にはkindle版は制限がかかっていて、ダウンロードできないようです。今までもDVDとか、Audibleとかで輸出できないようなことはあったんですが、kindle版をダウンロードできない経験は今回が初めてで、残念です。また解禁になったら読んでみたいです。

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  2. angelさま
    Kindle版は地域で制限がある場合があるので残念ですね。
    面白いので、ぜひ将来チェックしてみてください。
    ちょっと見知らぬ人に会うのが怖くなるような本ですが、読みはじめたら止まらない度は高いです。

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  3. 何度もすみません、再度アマゾンで検索すると、日本からでしたらKindle版の値段は13,8ドルですが(表紙も違いました)、購入できそうです。ちょっと怖そうですが(笑)「読み進む」というお言葉にグラっときて、今の本を読み終わったら読んでみようかなと思っています。
    こちらへ来ると、読みたい本が増えてうれしい悲鳴です。いつもご紹介ありがとうございます。

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