歴史学者が書いたパラノーマル・ファンタジー A Discovery of Witches

Deborah Harkness

ペーパーバック: 592ページ

出版社: Penguin Books

ISBN-10: 0143119680

ISBN-13: 978-0143119685

発売日: 2011/2/8

パラノーマル・ファンタジー/ロマンス/魔法/魔女、ヴァンパイア、デーモン/三部作の第一部

 

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オックスフォード大学に滞在しているイェール大学の歴史学者Diana Bishopは、セーレムの「魔女裁判」で最初に処刑されたBridget Bishopの末裔で、Bishop血族最後の生き残りのひとりである。両親はパワフルな魔女と魔法使いだったが、彼女が幼いときアフリカで惨殺されてしまった。そのときからDianaは魔法を使うことを拒否してきた。

 

Bodleian Library

Photo by John Downing / Rex Features Bodleian Library, Oxford, England, Britain BODLEIAN LIBRARY, OXFORD, BRITAIN – 2005 INTERIOR STUDY READING ROOM 557161d

化学と医学に関する歴史を専門にするDianaは、オックスフォード大学のBodleian 図書館でAlchemyに関するリサーチをしているとき古い写本Ashmole 782をリクエストする。Dianaは本に魔法がかけられていることを訝しく思ったものの、自分の研究に必要ではない内容だったので返還してしまう。

 

一見なんでもない出来事に引き続き、奇妙なことが起こり始める。

最初にBodleian 図書館に現れたのは、オックスフォードの学者でヴァンパイアのMatthew Clairmontだった。引き続き魔女と魔法使い、そしてデーモンたちにつきまとわれ、Dianaは身の危険を感じるようになる。

 

長年紛失されているAshmole 782には、魔女と魔法使い、ヴァンパイア、デーモンという、人間とは異なる三つの超自然的な人種の誕生の秘密が書かれていると信じられている。

強い魔術を持つ魔女や魔法使いが探しても見つけることができなかったこの本を見つけたDianaに対して魔女の有力者たちは脅迫を始める。

 

魔女、ヴァンパイア、デーモンの三つの超自然的な人種間での付き合いは厳しく禁じられているが、DianaとMatthewはその掟に背く。そのために大きな争いが始まろうとしていた。

 

●この本について

 

2011年2月に発売されベストセラーになったものです。三部作の第一巻なのですが、ペーパーバックが発売されたのと7月に第二巻が発売される良いタイミングなのでご紹介することにしました。

 

カテゴリーは一応「ファンタジー」ということになっていますが、正統派のファンタジーではなく、「パラノーマル・ロマンス」ととらえられているようです。

この曖昧さがこの本の魅力でもあり、欠陥でもあります。

まずは魅力ですが、著者のDeborah Harknessは実際に化学と医学を専門にする歴史科学者で、豊富な知識に基づいた物語の構成は非常に興味深く、「魔女、ヴァンパイア、デーモン」という3つの(超自然的な)人類の「種の起源」と「進化論」というテーマには惹かれます。

また、私の友人には魔女裁判で処刑されたMary Easteyの末裔やBishop, Parkerもいますので、そういう面でも親しみを覚えます。

これまでのパラノーマルファンタジーにはなかった新鮮な部分もあり、最後まで面白く読めたのですが、なぜか「この作品が好き!」という感覚が生まれてこないのです。

その理由は、人物造形と文章力です。

知的で強力な魔力を持つしっかり者のDianaは私好みのキャラであるべきなのですが、彼女の決断や言動がまったく腑に落ちないのです。「どうしてそうなるの〜?」とイライラすることが多く、感情移入はできませんでした。

また、お相手のハンサムなヴァンパイアのMatthewが私の好みではありません。彼がいかに美しくて、頭が良くて、歴史上のいろんな有名人を知っていて、偉業を成して来たかを読むたびにうんざりしてしまうのです。

ワインの蘊蓄が披露されるデートのシーンなども、一度目はけっこう面白いのですが、同じようなデートや愛の告白シーンに何度もつきあううちに「私抜きで、二人でデートしてください」と言いたくなってきます。

また、ふたりの「怒り」の感情はよく表現されているのですが、愛情を含め、それ以外の感情のニュアンスが欠けています。加えて、知的な二人の会話にユーモアのセンスやウィットがないのも残念です。

 

もうひとつの問題は、著者が正統派の「ファンタジー」を書こうとしたのか、「ロマンス」を書こうとしたのか不明なところです。

これだけ売れたところをみると、このままでも良いと思う読者はいると思うのですが、私は、正統派のファンタジーをめざし、Matthewの視点を削除してデートシーンや生半可なラブシーンは最小限度に絞ったほうがかえって「ロマンチック」だったと思うのです。約600ページの作品ですが、400ページ以内で十分まとめられた内容です。

とはいえ、似たような作品が氾濫しているこのジャンルでは、ユニークで読み応えがあり、考えさせられる良品です。

 

●読みやすさ 中程度からやや難しい

文章そのものはシンプルで読みやすいと思います。

ただ、歴史、医学、科学についての説明が多いので、それらの知識がまったくない方は理解しにくいかもしれません。

それらが分からないと何が起こっているのか理解できないこともあるかと思いますが、「それとなく分かる」程度でも楽しめるとは思います。

 

●おすすめの年齢

ラブシーンはありますが、「エロチックロマンス」のレベルではありません。Twilightシリーズの4巻目程度。

高校生以上。

 

2件のコメント

  1. こんにちは。私も去年気になって読みました。2巻を読もうかどうか考えていたところです。理由は渡辺さんと同じ感覚をもったからです。的確におっしゃっていただいてすっきりしました。
    あまりにも完全無欠なヒロイン(1巻では違いますね)やヒーローにどうも親近感がわかなかったし、わたしもあのワインの薀蓄や、匂いの表現など、あまりの細かさについていけなくて、どうしても「はまれない」自分がいました。
    映画にもなるんですよね。2巻はもうちょっと短いことを願います。でも長いでしょうね。

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  2. Angelさん、こんにちは。
    ナンタケット島で遊んでいて、コメントを見逃していました。ごめんなさ〜い。
    やっぱりそうなんですね。私も2巻は、暇ができてから読むかどうか考えます(笑)。

    いいね

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